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念いと想い  作者: 守 雄季
プロローグ
1/2

この世

初めて投稿したもので、パッと浮かび上がった。ストーリーも何も無いです

昔々のことでした。まだこの世がヒトに支配されている時代、私達ベスティア族が配下に置かれていたくらい前の話。かつてこの世は硬い硬いコンクリートに覆われていました。緑の土地がどんどん窮屈になっていき、遂にその実行犯であるヒトさえも窮屈になっていきました。困り果てたヒトは何とか知恵を搾り出そうとしますが既に手遅れで、ヒトがバタバタと死んでいってしまいます。

最後に残った一人のヒトはまだ子供で、親もいなければ味方もいません。そして、末期を迎えそうになった時こう叫びました。


「神様、これは私たちヒトへの裁きでもあるでしょう!しかし、この世界を統一するものがいなければ、貴方がこの世界を統一するのか」


そう叫んだ最後のヒトは細い膝を地に落とし跪く様に倒れました。そうして、この世界にヒトというものはいなくなりました。

それを見届けた神様は地に降り立ち、ヒトの遺体を地面へと埋めます。そして、隠れていた我々ベスティア族を見つけ出すと、一番長寿の一人を呼び出し云いました。「これで、貴方達を痛みつけるものはいません。これからは、幾万の生物とともに生きていきなさい」と。その言葉を受けた彼は嬉し涙をダラダラと流し、いつまでもその神様を讃えました。もう私たちを蔑むものは存在しない。平和に生きていこうと全生物が誓い合いました。


小さな本をパタンと閉じた彼は、ふぅ。と一息ついてから立ち上がった。今読んでいた話はもう御伽話となっている。万を超える時を過ごしたこの世には、この物語が真は否か曖昧なほどの、それすらもどうでもいい存在だ。だが、この話は大変有名で、どの御伽話よりも古く長く受け継がれている。勿論彼もこの話を知っている。幼きころに母に読んでもらった記憶がある。御伽話になっているこれは我々の歴史の源となっているかもしれないが、まだ話すことも間もない子供たちに理解できるのか と考えたこともあるが、別に対象年齢など無いので気にすることを即座にやめた。


するとボーンボーン…と時計の鳴る音がした。時計に目をやると既に22時をまわっている。そろそろ戻ろうかと机にあったお茶を飲み干す。温くなったお茶は美味しいものではなかった。部屋を出て左へ廊下を曲がると、一人の兵士がパタパタと走ってくる。汗を流していたので自分を探していたのだろうと思った彼は、どうしました。と問いかけた


「また反逆者が出ました!今度はいつもより人数が多いですっ」と報告した彼は相手の反応を待つ。やれやれという顔をし、「分りました」と言い残して本を兵士に渡し、角の階段を上っていった。


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