表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/12

Program 2

「大変だぁぁぁぁぁ!!」

朝7時。早くから来夢が騒いでいた。

「来夢ちゃーん?どうしたのー?」

「大変なんだ!茉莉音が、風邪ひいたんだ!!」

なんだ、風邪か。風邪なら騒ぐほどのことでもないじゃないか。

「ぅー、お前らうるさいぞ!!」

来夢と貴春の声を聞いて出てきたのはむっつーだ。おそらく、今起きたのだろう。

「あっ!むっつー!!大変だ!茉莉音が風邪なんだ!!」

「なっっ!?風邪!!?」

だからそんなに騒ぐようなことなのか…?風邪なんて1日寝てたら治るだろう。

「そんな…!それじゃあ…」


「「誰がご飯を作るんだ!!!!」」


そこかよ…。



香ばしいトーストの香りがする頃、なぜか私は茉莉音の代わりにキッチンに立っていた。

「さっすがきぃちゃん!!花嫁修業完璧だね!!」

フォークをカンカンと鳴らしながら椅子に座る来夢。

「何で私が…。他に料理できる人いないの?」

茉莉音が寝込んでしまい、誰も料理ができないということらしく、仕方なく私が作っていた。

私も料理は得意ではないが、他の3人に任せては不安すぎる。

「ふぅ、まぁこんなもんでしょ!」

テーブルに四人ぶんの朝食を並べ、自分も席についた。

「桔梗ちゃん何でも出来るんだ!!」

「いや、何でもじゃないけど…。」

料理だって調理実習くらいでしかやったことない。いや、調理実習もまともにやってないか。

「でもおいしいよー!」

「え!?来夢ちゃんもう食べてるし!」

フライングする来夢に続けて貴春、むっつーも食べはじめる。

「なんか、あれだよな。調理実習で作ったみたいな…。」

むっつーが味噌汁を飲みながらドストライクすぎるコメントし、他の二人も「ちょ、調理実習…。」みたいな顔をした。

「ど、どうせ調理実習以外で料理したことないわよ…。」

料理もできない人たちに言われたくないわ!!?

「大丈夫だよきぃちゃん!私、スパゲッティを炊飯器で炊いたことあるもん!!」

なぜ炊飯器に入れようと思ったの…。私は水で冷ましたことならあるわ…。

「二人とも、料理してる時点ですごいよ!僕、電子レンジの使い方わかんないもん!!」

それは料理以前の問題ね!?機械オンチにも程があるわ。

「俺は、キッチンに立つことすら許されなかったぞ。」

茅ヶ崎家では一体何があったの…。

あ…そういえば…。

「ここって、テレビもカレンダーもないよね。」

そう、テレビがなければラジオも新聞もない。まるで外の情報を遮っているかのように。

「うん!でもいらないかなって!」

まぁそうなんだけどね。ちなみに、時計はちゃんとある。



「はぁ…なんでこんな…。」

朝食を食べ終えた私たちは、いつもは基本自由な時間、というかすることがないんだが、私は食器を洗っていた。

あと、もう一度茉莉音の様子見に行かないと…。昼食、夕食も作らなきゃいけないし、茉莉音は毎日これをやってるんだと思うと、本当に大変なんだと思った。


――コンコン。

「茉莉音?入るよ。」

茉莉音の様子を見るために、私は彼女の部屋にやって来た。

「あ…桔梗ちゃん。ありがとう。」

茉莉音、少しつらそうだったが、そんなに重症ではなさそうだ。

「朝食、桔梗ちゃんが作ってくれたんだよね。」

「あ、うん。なんか、茉莉音大変だね。毎日料理してて。」

茉莉音の仕事は実に大変だった。

「そんなことないよぉ、私、料理するの好きだし。」

あっ…すっごいいい子だ。他の3人にも見習ってほしいよ、本当に…。

気がつくと、もう11時を過ぎていた。

「私、そろそろ昼食の準備しないと。じゃあ、また来るね。」

「うん。」

そうして、キッチンへ向かった。



私は昼食なんてもちろん作ったことはない。なにを作ればいいんだ…?いつも給食とかなに食べてたっけ?

棚を適当に漁っていると、あった。私にも作れるものが。


「なんかすっごいいいにおいするよ!!」

鼻を利かせてやって来たのは来夢だ。

「むむむっ?この香りはまさか!みんな大好き!!カレーライス!!!?」

そう、カレーライスだ。これを作れないという人はいないだろう。

来夢は、今度はキッチンと向かい合わせにあるカウンターに座った。

「ん!?まさか、カレー!!?」

匂いにつられたのか、次のやって来たのはむっつーだ。

「ふふふっ私ね、カレーに水いれなくて、ルーが溶けてないパッサパサのカレー作ったことあるよ!」

また始まった…謎の大喜利…。流行ってんの?

「俺、カレーよりハヤシライス派!!」

「えーっ!?カレーのほうが美味しいよぉ!!きぃちゃんは?」

「私、カレー派。」

もちろんカレー派だ。ハヤシライスなんて邪道だ!!

「ハヤシライス美味しいのに…。」

むっつーの呟きも「はいはい。」と適当に聞き流し、今回はカウンターで食べる感じなので、カウンターにカレーを並べた。

「わぁぁ!カレー!!僕、カレー派なんだよね!!」

まるでさっきまでの会話を聞いていたかのようにやって来る貴春。

さらに、むっつーに追い討ちをかけるように、「ハヤシライスなんて邪道だよね!!」と言って席につく。そこだけは同意だわ。


「ひさしぶりにカレー食べたなぁ。」

早くも昼食を食べ終えた来夢は、満足そうに言った。

確かに、私もカレーはひさしぶりだ。四人とも食べ終え、食器を片付けているときに、むっつーが勇気を振り絞って出した、「カレーも美味しいよね…。」という一言には、3人とも見事スルーした。



どうしよ…。夕飯なんて何を作ればいいんだ…(2回目)

またもいろいろな棚を適当に漁る。

「ん?なにこれ…?」

一番下の段の奥の方に、何か大きなものがあった。棚からひっぱり出してみると、

「これは…!!」

私はそれを見て、冷蔵庫のなかを確認した。

「よし…いける!!」


19時前、夕食の準備を進める。

「きーぃーちゃーんっ、今日の夕食なーあーに?」

スキップをしながら寄ってきたのは、もちろん来夢だ。基本、料理をしているときに一番食いついてくるのは来夢だ。

「おぉぉぉ!!これは、まさか!!!?」

来夢は台所に置いてあったものを見ると、「まさか!?そんな!!!?」とそれを眩しそうに見て言った。なんとノリがいいことか。

驚くのも無理ない。またもみんな大好き!そう、今夜は…


「焼き肉だぁぁぁぁ!!!!」


先に言われてしまったが、そう、焼き肉だ。棚の中にあったのは、大きなホットプレートだった。

「す、すごいよ!きぃちゃん!!」

来夢は跳び跳ねて喜んだ。まさかこんなに喜んでもらえるとは…。


テーブルにホットプレートと肉を並べ、焼き始めた。

きっと匂いにつられたであろう、貴春とむっつーも来た。

「ま、まさか焼き肉!!?」

やはり二人も焼き肉は好きなようだ。私たちは、肉を焼きながら少しずつ食べた。

「あ、これ焼けてるわ。」

私が言うと、むっつーはその肉をとった。

「ん…これ、まだ中赤いぞ。」

「…牛肉だから…大丈夫よ。」

「いや、これ豚肉だし…」

「……。」

な、なによ!むっつーがとったのが悪いんじゃない!!

「これ、二種類あるけど、違うやつなんだよね?」

「焼いたらどっちかわかんないよ!!」と加え貴春は言う。確かにそうだ。

でもどっちもあんまり変わんないよね!?大丈夫だよね!?



夕食後、私は不細工に切られたリンゴを持って、茉莉音の所に行った。

「なんか…茉莉音、いつもありがとね。」

「えぇ~?どうしたの、急に。」

茉莉音は、クスクスと笑った。



今日私は、心から茉莉音に感謝した。

やはり、茉莉音はただの少女ではなかった。

彼女なら、私と違っていいお嫁さんになれるはずだよ!


なぜか、自分のことが情けなくなる1日だった。

はい、2話です

なんか、もうあとがきのネタ無いですね、はい。(笑

ちなみに、ちょいちょい入ってるエピソードは、たまに実話です。

私がやらかした実話です。


というわけでですね、次回、新キャラ登場です!

あっ言っちゃった!


前回のあとがきを見直したら、あまりに長くて!ビックリ!!

なので、反省して今回はここまで!

あ、最後に一つ!

新作「If Not」よろしくお願いします…(チラッ


ではでは、さようなら!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ