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Program 1

目が覚めると、そこは森のなかだった。天気は良く、木漏れ日が心地よい。一体ここは何処なのだろうか。なぜ私はこんなところにいるのだろう。

気がつくと、目の前に大きな家があった。木造の、童話に出てくるような素敵な家だ。


「違うよー!だからあれはね、」

突然中から人が出てきた。銀色の癖っけの少年で、家の中の誰かと話しているようだ。


「もー、僕は…あっ」

こちらに気づき、にこっと笑うと、もう一度中に入り、人を呼んだ。

「来夢ちゃーん、新入りだよー!」

新入り…?

中から出てきたのは、少年より、いや、私よりかなり背が低い、ショートヘアーの少女だ。


私に近寄ると、笑顔で言った。

「いらっしゃい、夢音へ。とりあえず、中入って?」

私はそのまま家へつれてかれた。



「えーっとね、簡単に言うと、私たちは何か気がついたらここにいて、とりあえずここにあった家に住んでるの。」

「はぁ…?」

家に上がり、向かい合って座っると、ここの森について説明し始めたが、全く意味がわからない。

「もうちょっと分かりやすい言い方できる人いないかなぁ?」

少女は説明が苦手らしく、誰かに仕事を押し付けていた。

「うーん、つまりね、君もここに住めばいいよ!!」

だいぶ投げやりに言ったが、どうやら私もここに住むしかないようだ。

「あの、つまりシェアハウスみたいな…?」

ここに集まった人たちでシェアハウスしていると言うことじゃないのか?

「おぉぉ!そうか、シェアハウス!!それだね。」

それでいいんだ…。オーバーリアクションで明るいとてもいい人だ。きっと、彼女がここのリーダーのような人なのだろう。

「ねー、君、名前は?」

さっきの少年が話しかけてきた。彼も、とても明るい人だ。

和束桔梗(わずかききょう)っていいます。」

「あ、そういえば。私、美祢来夢(みねらいむ)。来夢でいいよー!」

さきほどの少女、来夢は手を振って言ってくれた。

「で、こっちの犬みたいなのは日野貴春(ひのきはる)!」

「犬って…。」

少しショボーンとする貴春は、表情豊かで元気なところがまさに犬のようだった。「来夢ー、新入りって…あ、この子?」

やって来たのは黒髪の少女で、とても優しい声だった。

「はじめまして。私、片桐茉莉音(かたぎりまりね)です。よろしくね。」

爽やかというか、お姉さんみたいな、そんなイメージだった。

「桔梗です、よろしくね。」

「うん、桔梗ちゃん。」

来夢のいうとおり、とてもいい人だった。だが、残りの一人は…?

「あれー?春くん、むっつーは?」

「部屋に居なかったから外じゃないかなぁ。」

むっつーと呼ばれた人は、どうやら今はいないようだ。


「おーい、貴春ー?さっきそこでさー…って、あれ?」

玄関から入ってきたのは、私と変わらないほどの身長の少年だ。

「あっむっつー!新入りだよ!挨拶して!」

彼がむっつーという人らしい。見た目は悪い人ではなさそうだが、人は見た目で判断してはいけないのだ!!

「俺、茅ヶ崎六(ちがさきむつ)!是非、六様と呼ん…」

「これが六!むっつーって呼んでね。」

ドヤ顔で言ったのに、来夢に言葉を遮られ、若干涙目になっていた。

「む、六様だぞ…!」

「よろしくね、むっつー。」

「むっつーっていうなぁぁぁ!!」

こっちもどうやらいい人そうだ。でもさすがに六様は無理かな…。

「じゃあむっつーはほっといて、きぃちゃん、お部屋案内するよ!」

来夢は「こっちこっちー」と手招きした。むっつーが何か叫んでいたが来夢は見事に無視。基本、ここの男子たちは不憫なのね。

それに、きぃちゃんとは私のことだろう。今までで全く友達がいなかった私にとって、あだ名は馴染みがないものだったが、そのぶんうれしかった。

「ここの5つが空いてるから、好きなとこ使って。」

さきほどの大きい部屋の隣には、壁をはさんで小さな部屋が10個ならんでいた。

私は部屋を選び、中に入った。部屋の中はわりと普通だったが、窓から見える木や森がとても美しかった。


その後、いろいろな所を案内してもらった。外の森には湖や小屋などもあるらしく、私は一人で森を出歩いた。

道は分かりやすくなっていたため、迷う心配はなさそうだ。



気がつくと、少し暗くなっていた。私は、ただ湖のそばのブランコに座っていた。そろそろ戻らないと…。でも、まだもう少しここに居たくて。

「桔梗ちゃん。」

後ろから話しかけられ、振り向くと貴春がいた。

「貴春…。」

「何してたの?」

2つあった片方もう片方のブランコに座り、にこっと笑った。

「…何も。」

本当にただ座っていただけだった。

「貴春はさ、いつからここにいるの?」

私は気になったことを素直に聞いた。

「僕は、良く覚えてないけど、だいぶ前だよ。でも僕より先に来夢ちゃんと茉莉音ちゃんがいたから、二人の方が長いよ。」

「そっか…。」

ずっとこんなところにいるのか。そもそも、なぜ私はここにいるのだろう。全く記憶がない。

「ずっとここにいて、不安になったりしない?」

「え?しないよ。だって、一人じゃないから。」

一人じゃないから…。そっか。「僕は、もう一人じゃない。だから、寂しくないし、不安じゃないよ。」

「もう一人じゃない…って?」

少し失礼だが、今までで一人だったような言い方に聞こえた。

「あ、ごめんね、今のは忘れて?」

この森は一体なんなのだろう。なぜ、私たちなんかが集められたかのようにいるのだろう。


「きぃちゃーん、春くーん!夕飯だよー!」

家のほうから来夢の呼ぶ声が聞こえた。

「行こっか、うちではいつも茉莉音ちゃんがご飯を作ってるけど、すごく美味しいんだよ!」

貴春はブランコから立ち上がると、手を伸ばした。前にも、こんな風に誰かに手を差し出してもらった気がした。

そのとき、私は一体どうしたのだろうか。

だが、もちろん貴春の手はとるわけ無くて。



「すごい…!!」

テーブルの上には、茉莉音が作ったであろう夕食が並べられていた。

それにしても、ものすごいごちそうだった。

「えへへ、ちょっとはりきっちゃった。」

いやいや、ちょっとどころじゃないって。プロか。

「え?ちょ、おかしくない?俺のときは普通のご飯だったよね?確かスパゲッティだったよね?なにこの差!?」

「気のせいだよー。」

そっか、私のためにこんなに作ってくれたのか。

ここの住人の温かさには本当に感動する。

「大丈夫だよむっつー!僕のときはサンドイッチだったもん!!」

サンドイッチ…。茉莉音、洋食が好きなのね。

「いや、春くんが来たのは朝ご飯前だったから…。」

「あれ、そうだっけ?」

「ねー、早く食べよ!!」

よほど楽しみなのか、来夢はフォークを持って食べる準備をしていた。

私たちは席につき、食べ始めた。その料理たちは、プロ顔負けの美味しさだった。

茉莉音、16歳だよね!?料理学校とか行ってたの!?料理うますぎ!!



私は今は、温かいこの家にいるうちにいることが、何より幸せだった。

こんにちは!

今作で初本編ですが、いやーなんか、それほどファンタジーでもなかった感じですね(笑

開始早々キャラが多いですが…よろしくお願いします?


今回の主人公は桔梗ちゃんですが、もとは私の作品「方位組」の南ちゃんが主人公だったんですね。

この作品は1年ほど前からじっくり煮込んできたものでして、(これどこかで言ったな)こうして形に出来て嬉しいです。


そういえば、また新作構成中です。

今まで書いていたものが終わったので、新しいお話を!

今度はダブル主人公のつもりです!

なんと、主人公の女率が高い自分の小説ですが、

男なんですね。

はい。

ファンタジーになってます。

世界観はわりとベタなんですが、まあ、あとは2人の主人公たちに頑張ってもらうしかないなって…

ちなみに恋愛要素はいれないつもりです。

あれ、なんでこんな話してるんだろ…

これ、ユメオトだよね(笑

そうそう、名前が長くてなんとか略してみたんですが…

「ユメオト」です、はい。

ちなみに、このユメオトというのは(じっさいは夢音だけど)のちにでてきますので!


じゃあちょっと作品の話を…

dislike worldとか言ってかっこいい系かと思ったら全然違うじゃねえか!と思った皆さん、ごめん。

なんか、英語にしたい気分だったんです。

まあ、タイトルの意味もそのうちわかるかなって…


ひじょうに長くなりましたが、さようなら!

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