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出会っちゃったんですね

率直に言おう、俺は一ヶ月前、死んだ


記憶は全然ない、どのくらいの年齢で死んだのかも、どうして死んだのかも


今になってはそんなことはどうでもいいんだ


でも、二つほど覚えていることがある


一つは、親父が居酒屋をやっていて、その居酒屋を、俺が継ぎたかったこと


二つ目は、ヘルと出会った時だ


「ゴホッゴホッ」


ベットで今日も咳をして、苦しそうにしている俺の隣には、誰もいなかった


「親父は仕事か、母さんは、まあ家事でもやってんだろ」


独り言をつぶやき、寂しさを紛らわす


それを、誰かさんが聞いていたことも知らず


「どっもー!超絶美少女死神のヘルちゃんでーす!!」


「!?」


声の聞こえた方を向く、病室の窓だ


「あなたを、迎えに来ましたー!」


なんだよ、それ、面白い…


「ふふっ」


「なーっ!?信じてませんなあんたあ!」


ぷくーっと頬を膨らませ、ヘルがジタバタした


それ、どーやってやってんだ?窓に座った状態でジタバタって、無理やろ


「いやいや、信じてますよ、この世のものとは思えない美しさですもん、そりゃ神様に決まってます」


まあ、思ったことをそのまま言ってみた


いつものように


すると、なんかヘルは真っ赤になって


「びっびび、美少女!?わ、わわわ、わたひがあ!?」


あら、可愛い驚き方ですこと


「いや、さっき自分で美少女って…」


「ちょつてえっほあっちょ!?」


うわあ、まるで聞いてねえ


「そっ即急に仕事を終わらせるでありますううう!!」


ズボッ、あっなんか手を入れられた、胸に


「ええ!?」


いきなり、胸に手を突っ込まれた俺は、なんか何もかもがどうでもよくなった


「あ、でも胸、小さいなあ」


うん、最後のセリフは聞かれなくてよかったと今でも思う


ほんとよかった


「と、とにかく魂、もらってきます唐揚げええええ!!」


「か、唐揚げ!?」


ドバッ


あ、なんか光るもん出てきた、意識が…


そしてそのまま、俺の魂はヘルに持ってかれ、俺は死んだ


ここから先は聞いた話だ


ヘルは、俺の魂を取ったあとも、仕事として他の人の魂も持って行かなければならなかった、のだが


なんか浮かれてたヘルは、俺の魂だけを持って、天界に行ってしまったらしい


で、こっからが本題だ


その俺の魂は、ヘルの不手際(なのか?)によって、成仏されないまま、なぜか魂の状態のまま残された


本来なら成仏される魂も、すごい功績を挙げた人物なら、神として天界に残ることになケースがある


そのすごい功績を挙げた人物か、普通の人かの仕分けのところで、ヘルが間違えた(のか?)らしい


そして、魂だけだった俺に、現世と同じ形の姿が神から与えられた


その姿が与えられた時、なんか僕はこの居酒屋がいまあるところ(路地)に倒れていたらしく


「しかも全裸でですよ!めっちゃ見たかったです!!あの時あの場にいなかった私をいまの私は一生呪います!!」


この声はほっといて、誰の声かは想像にお任せします…


まあ、そんな感じで倒れていた俺を、偶然見つけたのが、あま姐だ


「あーさん羨ましすぎまふ!!」


また出てきた声は無視して


そんで、あま姐に拾われた俺は、意識が取り戻せないまま、一週間ほど眠っていたらしい


そして一週間がたち、記憶が少し戻ってきた時、最初に言った言葉が


「誰もが、笑顔になれる場所を作りたいです、作らせてください!」


だ、そうだ


「それで、できたのが、この店ってわけですよ」


話が終わるのと同時に、お皿を拭き終わり、棚にしまった


「ほえー、相変わらずヘルちゃんは惚れ込みやすいねえ」


「ち、違います!今回は特別です!」


今日は、お客さんが多く、酔っ払った神様たちが、俺の話を聞きたいと言うので、話してやったのだ


「でも、すごいなヘルちゃん、どーやって窓に座ってジタバタしてたんだ?」


「突っ込むとこそこっすか!?」


思わず拭き終わって持っていたタオルを叩きつけてしまった…


しかもなんかその話題で盛り上がってるし…


「そのことなら、簡単ですよ」


と、そこにあま姐の冷たい声が入る


「二次元ならではの過剰な描写ってことで万事解決です」


「あっ!」


あま姐さんの言葉に、全員納得してしまった


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