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第113話 通信と点滅

「じゃあ、逆に考えよう。ブロケンの守りが堅くなれば、ブロケンに常駐するデシバトレ人を減らせる」


「……デシバトレ人が、他の場所に行きやすくなるということですか。それは確かに、影響は大きそうですね……」


デシバトレ人は、この国の冒険者の最大戦力だ。

それをデシバトレだけに集中させてしまうと、魔物の被害が増えてしまうのだ。

今でも、デシバトレ人の一部は普通の町で他の前線都市で戦っているが、その人数を増やせれば、魔物の被害を減らすことが出来る。


「とはいっても、急に何かあるといけないから、いざとなったら招集をかける必要はあるけどな」


「招集っていうと、他の都市にですか? いくら速い連絡手段を使っても、ブロケンからデシバトレ以外の都市に連絡するのは時間がかかると思いますけど……」


確かに、デシバトレは普通の町から遠い。

デシバトレ人の脚でも、フォトレンまで半日近くかかるほどだ。

そこから更に、他の都市まで連絡するとなると、数日単位でかかってしまうだろう。

だが……実は、それを解決する手段がある。


「通信には、アーティファクトを使うんだ」


「アーティファクトですか? 通信に使えるようなアーティファクトは、なかったような気がしますが……」

メルシアの言うとおり、通信に直接使えるようなアーティファクトは、俺の知る中には存在しない。

通信はかなり大事なので、もしそんなアーティファクトがあれば、真っ先に注目が集まっただろう。

だが……代わりに使えそうなものならある。


「【魔力遮断】のアーティファクトがある」


そう言って俺は、ポケットからアンカーを取り出す。

このアンカーはメルシアが持っているアンカーと対になっており、非常時にはそれを砕くことで、異常を伝えることができる。

こういった方法での通信は、今も少しは使われているが……アンカーの反応を消失させる方法は、砕くことだけではないのだ。


「……確かに、【魔力遮断】でもアンカーの反応は消せますが、普通に砕けば……あっ! 壊さなければ、何回でも使えます!」


「ああ。……それだけじゃない。あの魔道具を使えば、もっと正確な通信ができるようになる」


何回も使うだけなら、普通にアンカーを砕く方法でも、アンカーを沢山用意すれば良い話だ。

しかし、【魔力遮断】であれば、何千回でもアンカーを点滅させることができるようになる。

そうすると、違う用途ができてくるのだ。


「今までアンカーは、ついている状態と、消えている状態しかなかった。でも【魔力遮断】を使えば、点滅させることができるんだ。点滅のパターンを変えれば、何通りもの情報を伝えられることになる」


要は、モールス信号のようなものである。


「なるほど…… 便利そうですね……」


「それだけじゃない。点滅のパターンなんていくらでも作れるんだから、例えば文字を割り当てれば……」


「ま、まさか、完璧な通信ができるんですか!?」


「ああ。そういうことだ」


アンカーの反応にはタイムラグがあるし、流石にいくらでも伝えられると言う訳にはいかないだろうが……今までとは比べものにならない早さで、遠距離通信が出来るようになるだろう。


「こ、これは……世界が変わるどころの話ではないのでは……」


確かに、結構変わるかもしれないな。

でも、それでいいだろう。

せっかくアーティファクトなんて便利なものがある世界なのに、通信だけは鳥やら人間やらに頼らないといけないなんて、面倒だからな。

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