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黙示録  作者: 山本正純
第三章 12月27日
43/69

殺害現場特定 

 午後3時。大野と沖矢は防犯カメラの映像を警視庁に持ち帰った。

 大野たちは早速鑑識課にいる北条に会いに行った。

「北条さん。解析してほしい映像があるのですが」

 大野は北条に数枚のCDROMを渡す。防犯カメラの映像をパソコンで早送りさせて観ている北条は頬を緩ませた。

「因みのこの映像が記録されていた防犯カメラはどこにありますか」

「水無信彦さんの自宅前です。会社社長に就任した日に防犯のため取り付けたと奥さんが話されました」

「なるほど。どうやら交通課の出番のようですね」

 大野たちは首を傾げた。

「それはどういうことなのだよ」


 北条は映像を午後9時で一時停止する。一時停止した映像を北条は拡大した。そこに映されたのは、車のナンバープレートだった。

 その車の前に水無信彦は立っている。水無の視線の先には、スーツ姿の男がいた。顔は深くかぶっている帽子で隠されているため見えない。スーツの男の身長は150㎝くらいだろう。水無はその男の車に乗り込んだ。

 それからスーツの男の車は一度も水無の自宅前を通らなかった。

「つまり水無さんは犯人の車に乗り込み、そのまま殺害された。ということですか」


 北条は頷き、防犯カメラに映し出されたナンバープレートをメモする。彼はそのメモを大野に渡した。

「とにかく交通課に調べてもらった方がいいでしょう」

 大野たちはその足で警視庁交通課に足を運ぶ。

「すみません。調べてほしいナンバープレートがあります」

 大野は交通課の刑事にメモを渡す。そこで大野たちは驚愕の事実を知る。


 午後4時警視庁捜査一課3係に大野たちが戻って来た。合田たちは既に捜査一課に戻っている。

 大野は早速CDROMを取り出し、合田たちに報告を始める。

「おもしろいことが分かりました。犯人は水無信彦さんを地獄に迎えに行ったようです」


 大野はモニターにその徹底的瞬間を映す。そこには犯人らしき人影と水無信彦が映し出されている。

「大胆な犯人だな。身長も150㎝くらいか。目撃証言と一致する」

 神津の独り言を聞きながら合田はあることを指摘する。

「それでその車の持ち主の特定はできたのか」

「はい。この映像に映っている犯人が使用した車は盗難車でした。この車の本来の持ち主は誰もが知っている人物。湯里文です。湯里文は盗難届を12月23日に提出しました」


 次に月影が手を挙げた。

「車のナンバーが分かっているなら、犯人の足取りがすぐに分かりますよね」

「はい。Nシステムを使い、殺害現場と思われる場所を特定しました」

 

 大野は地図をモニターに映し出す。赤いマーカーは水無信彦の自宅前で点滅している。地図の右端には午後9時と表示されていた。

 大野が地図をクリックすると、赤いマーカーは右や左に進んでいった。マーカーは最終的に廃ビルの中で停まった。それから数時間経過したが、赤いマーカーは動かない。

「ここが殺害現場かもしれませんね」

「ここで犯人が車を乗り換えなかったとしたらの話だけどな」

 そして合田は木原たちに指示を出した。

「木原と神津。大野と沖矢の4人はその廃ビルに向かえ。そこに犯人が潜んでいるかもしれないから、拳銃を忘れるな」

 木原たちは駐車場まで走り、殺害場所と思われる場所に向かう。

 

 だが彼らは知らなかった。この瞬間第五の殺人事件が起きていることを。


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