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黙示録  作者: 山本正純
第三章 12月27日
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第四の猟奇殺人

 12月27日午前9時。第三回目の捜査会議が始まろうとした頃、警視庁に一本の電話がかかってきた。

 その電話を受けた千間刑事部長は一目散に捜査一課3係に乗り込む。捜査一課3係には合田たちが集まっている。

「緊急事態だ。まずはこれを聞いてくれ」

 千間は先ほどの電話を録音したボイスレコーダーを再生する。声はボイスチェンジャーで変えられているため性別さえも分からない。

『相模長重。常盤ハヅキ。如月武蔵。この3人を殺害したのは僕です。東都公園に第四の被害者を遺棄した。早くしないと関係ない一般人も亡くなるかもよ。遺棄した遺体の腰には爆弾が巻いているからさ』

 これは紛れもない犯行声明。

「悪戯の可能性は」

「ないな。まだ爆弾のことはマスコミには流していない。遺体に爆弾が巻かれていたことを知っているのは警察関係者か犯人しかいない。お前らは早急に東都公園に向かえ。関係ない一般人の避難を誘導及び爆発物の捜索。爆発物処理班には出動要請を出している」

 合田たちは早急に東都公園に向かった。


 東都公園には多くの警察官が集まっている。彼らは爆発物の捜索を行っている。また一般人を見つけたら、声を掛け、避難するように指示している。

 東都公園が立ち入り禁止になった頃、合田は大樹を目にする。そこには右足がない一人の男が大樹を背にして倒れている。その腰には爆弾らしき物が巻かれていた。

「爆発物を発見した」

 合田は大声を上げ、近くにいた爆発物処理班が合田の元に集まった。

「離れてください」

 合田たちを遠ざけた爆発物処理班は爆弾を解体する。彼は慣れた手つきで爆弾を解体した。爆弾の解体に費やした時間は3分。

 爆弾が解体されたため、合田たちは安全に遺体に近づくことができた。

 合田は遺体の顔に見覚えがあった。

「間違いない。水無信彦だ」


 水無の遺体には右足がない。おそらく犯人に切断されたのだろうと木原は思った。

 水無の遺体の服装は黒いスーツ。ネクタイの色は緑。

 そして水無は左腕を抱いている。もちろん水無には左腕がある。この左腕が意味することは何なのか。合田たちは理解できない。

 すると北条と千間刑事部長が現場に送れて臨場した。

 千間刑事部長は周りにいる警察官たちを集めて指示を出す。

「逆探知システムの結果から、犯人からかかってきた犯行声明の電話はこの付近から掛けられたらしい。犯人はこの現場付近にいる可能性は低い。犯行声明の電話から30分も経過していたら、犯人はすぐに逃走するからな。この場にいる警察官は犯人につながる遺留品の捜索。及び近隣住民に不審者がいなかったのかを聞き込み。もうこれ以上被害者を出してはならない」

 千間の指示を聞いた大野は疑問を口にする。

「でも犯人はなぜここに遺体を遺棄したのでしょうか。こんな目立つ所に遺棄したら、第一目撃者に通報されてしまい、犯行声明が使えない」

「疑問を口にする暇があったら遺留品の捜索でもしろ」


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