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黙示録  作者: 山本正純
第二章 12月26日
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訪問客

 午前11時。大野と沖矢は相模弥生の自宅を訪れた。

「刑事さん。今度は何の用ですか」

 玄関先で相模弥生は刑事に質問した。

「常盤ハヅキさん。ご存じですよね」

「ええ。隣人でよく私が開催するお茶会に参加されています」

「その常盤ハヅキさんが昨晩殺害されたのだよ」

「そうですか。昨晩パトカーの音がうるさかったから近くで何かがあったと思いましたが、常盤ハヅキさんの所でしたか」

「あなたに関していくつか気になることがあったので聞きに来ました」

「続きは中で話しませんか」

 相模弥生は2人の刑事を家のリビングに通した。

 

 大野たちは椅子に座った。相模弥生も椅子に座ると、彼らは質問を開始する。

「あなたはなぜ昨晩野次馬として常盤ハヅキの自宅の前にいなかったのでしょうか。普通近所にパトカーが停まれば何があったのかと気になって野次馬のように現場に集まるはずです。それをあなたはしなかった。その理由はなぜでしょう」

「客人の接待をしていたので出るに出られなかったのですよ」

「その客人とは誰だよ」

「その方は夫の友人と名乗ってこの家を訪れました。私とは面識がなかったので、昨晩初めて会いました。名前は朝霧睦月さんだったかな。名刺を貰っていますのでそれが証拠になると思います」

「拝見します」

 

 相模弥生は朝霧睦月の名刺を渡した。

 その名刺には『朝霧睦月。ルポライター』と記されている。

「しばらくこの名刺は預からせてもらいます。所で朝霧さんは何時頃この家を訪れましたか」

「午後5時40分でした」

「あなたの浮気相手について調べさせていただきました。あなたの浮気相手は如月武蔵さんですね」

「どうやってそれを調べたのですか」

「最初に調べたって言ったでしょう。昨晩は如月武蔵さんも殺害されました」

 相模弥生は驚きを隠せない。

「やっと分かりました。昨晩彼の携帯電話に電話したけど出られなかったのはそういうことでしたか」

「それはつまり、浮気を認めるということですか」

「そうです。私は如月武蔵さんと浮気をしていました。でも私には如月さんや常盤さんを殺害する動機がない」

「それがあるのだよ。常盤ハヅキとは隣人間との騒音トラブルがあったと近所の人が証言したのだよ。そして如月さんは遺産を独り占めしたかったから。如月さんは親も兄弟も死亡しているため血縁者がいないため、うまく言いくるめたら、遺産を手に入れることができるのだよ」

「騒音トラブルがあったのは事実です。2か月前から騒音がうるさくなってトラブルになりました。でもその問題は解決されていますし、如月さんの遺産金が欲しかったとしても、彼が国に寄付すると遺言書に掛かれていたら貰えないでしょう。そんな保険金以上のギャンブルに関わるほど馬鹿ではありません」

「最後に昨日の午後4時20分から午後5時40分までの間どこで何をしていましたか」

「家事をしていました。掃除と洗濯。証人はいません」


 アリバイを確認した大野たちは相模の自宅を後にする。

 大野は相模の自宅前で合田警部に電話した。

「大野です。朝霧睦月さんに関して捜査してもいいですか」


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