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黙示録  作者: 山本正純
第一章 12月25日
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ストレス

爆発が発生したトイレに回りには多くの刑事たちが集まっている。鑑識が現場写真を撮影すると、合田警部たちは瓦礫を退けて遺体を確認する。

 瓦礫を退けていくと、携帯電話の残骸や焼け焦げたチェーンソー。両手両足がない男性の焼死体が発見された。

 この遺体を見て合田警部は呟いた。

「こんなアグレッシブな方法で自殺するわけがない。絶対これは第三の事件だ」

 すると大野と沖矢が一階から爆発が発生した現場に現れた。

「合田警部。裏口に男性の物と思われる革靴が発見されました。被疑者の靴でしょうか」

「違う。第三の事件の被害者の靴だろう。先ほどトイレで爆発が発生して、現場から焼死体が発見されたから、この被害者の靴だろう」

 

 合田の話を聞きながら神津は呟いた。

「犯人が第二の事件の現場に潜伏しているという推理は的外れだったようだ」

「北条さんの推理が的外れだった今、気になることは三つ。なぜ犯人は殺害後に常盤ハヅキさんの右腕のみ切断したのか。犯人はこの第二の事件の被害者の自宅で第三の事件を起こさなければならなかったのか。焼死体の身元」

 

 木原の話を聞いていた月影は、携帯電話で千間刑事部長に電話する。

『もう第三の事件が発生したのか』

「はい。被害者は性別が男性であること以外不明です」

『久しぶりに記者会見をする必要がありそうだな。その際は月影。お前にもマスコミ向けの記者会見に参加してもらう』

「分かりました。この事件の記者会見は千間刑事部長も参加した方がいいでしょう。不参加だと警察の面子に関わりますから」

『分かった。今回は参加しよう』

 そして千間刑事部長は電話を切った。


 今千間刑事部長はイライラとしている。年末という忙しい時期に猟奇連続殺人事件が発生した。その記者会見は絶対に参加しなければならない。警察の面子のためにも。

 こんな日にも関わらず、愚痴を言う相手でもある喜田参事官は一足早く帰宅した。

「絶対にこの事件の犯人だけは逮捕する。そうしないと記者会見が無駄になる」

 千間刑事部長はイライラとしながら呟いた。この呟きは一人の男の決意だ。


 その頃喜田参事官は神奈川県横浜市にあるイタリアンレストランディーノにいた。この店は約2か月間休業している店だが、掃除が行き届いているためきれいだ。

 彼が現在も休業しているイタリアンレストランにいる理由は、久しぶりにあの連中に呼び出されたからだ。

 あの連中とは、退屈な天使たち。10月下旬大規模な劇場型犯罪を実行したテロ組織だ。


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