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黙示録  作者: 山本正純
第一章 12月25日
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元上司は黙秘

 その頃大野と沖矢は如月武蔵の自宅を訪問した。沖矢がインターホンを押そうとした時、ドアが開き、如月武蔵きさらぎむさしが現れた。如月はスーツを着ている。彼が玄関の鍵をかけた頃、大野は如月に話しかけた。

「お出かけですか。如月さん」

 大野は如月に声を掛ける。

「お前らは誰だ」

 大野たちは如月に警察手帳を見せる。

「警視庁の沖矢なのだよ」

「同じく警視庁の大野です。少しお時間よろしいですか。今朝相模さんが殺害されました。一昨日あなたは相模さんと飲み屋ブラッグ大河で飲んでいたそうですね。その時に何か変わったことはありませんでしたか」

「さあ。知らないな。一昨日はいつも通りだったよ」

「一昨日はと言いますと昨日はそうではなかったということですか」

「昨日は会っていない」


 如月は怒った瞳で大野たちを睨みつける。

「昨日は会っていないんだ。相模が死のうが俺には関係ない」

「それでは一昨日は相模さんと何を話したのだよ」

「ただの世間話だ」

「12月25日午前0時から午前2時までの間どこで何をやっていましたか。午前4時50分は何をやっていましたか」

「答える気にならないな」

「それはつまりアリバイはないということですか」

「ああ。そうだ。俺にはアリバイがない。だけど動機もない。いい加減にしてくれ。俺は何もやっていない。静かに相模長重の弔いをやらせてくれ」


 沖矢は如月の発言を聞き、首を傾げる。

「妙だよね。僕たちはまだ相模長重さんが殺害されたとは一言も言っていないのだよ。それに相模さんの変死体は返していないか弔いもできないよね。なぜ君は殺害されたのが相模長重さんだと分かったのだね」

「正午くらいに相模弥生から電話がかかってきたんだ。相模長重が殺されたって。もういいだろう。お前ら警察に話すことなんて一つもない」

 如月のイライラはピークに達している。如月は足早に出かけようとしている。そんな如月の姿を見て大野は如月に質問する。


「今からどこに行こうとしていますか」

「カウンセリングだよ。湯里ゆのさとさんに会いに行く。最近不眠が続いているから、湯里さんにカウンセリングをしてもらうんだ。早くしないと予約の時間に間に合わない」

 そういうと如月は足早に外へ出て行った。


 如月の後ろ姿を見つめながら大野と沖矢は話し合う。

「どうするのだよ。尾行するか」

「いいえ。如月さんは何かを隠しています。ここで尾行しても逆効果でしょう。ここは合田警部に報告して指示を仰ぎましょう」


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