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闇夜道

作者: 光希。

ホラーに出そうかと考えていたものです。

私の体験が元ネタです。

あの時の緊張感が伝われば嬉しいなー。

なんて思います。


ある夏の夜、少女は一人寂しく自転車で家に向かっていた。

20時はもうとっくに過ぎている。

ライトが無ければ何も見えない様な暗さだが、そこは田んぼ道で、街灯の1つもなかった。

道の横には背の低い木が道に沿って生えている。

夏頃になると小さな白い鈴みたいな形の可愛い花をつける木だ。


「今日も遅くなっちゃった。

早く帰らないと。」


それに何だか嫌な感じがする…。


そう呟き、少女は自転車を漕ぐスピードを速めた。


――ガサッ


後ろで草を踏んだような音がした。


「…え?」


気付かなかったが自分の自転車が草を踏んだのか、いや、踏んだら振動でわかる筈だ。


ならば、後ろに誰かいるのかと思って振り向くが誰もいない。




――ガサガサッ


と、今度は前方から。


一度とまり、暗いところをよく目を凝らして見てみるが何もいない。


これはお化けだろうか?


いや。

いくらなんでもそれはないだろう。


では何故。


――誰もいないのに。


少女は幽霊やお化けと呼ばれるものを然程信じてる訳でも無いのだが、この時ばかりはその存在を意識してしまい一気に怖くなった。


それに寒気がする。


「嫌だな、早く帰ろ。」


再び急いで家を目指してペダルを漕ぎだした。




それから暫くはあの変な音はしなかった。


よかった、何でもなかったんだきっと。


そう安心仕切った頃にそれは起こった。


――ガサッ


あの音がまた鳴った。


今度はまた前方、それもすぐ近くから。


とまってそこら辺を見てみるが何もいない。



少女はついに怖さで体がすくみ、動けなくなった。


「イヤーッ。」


と叫びそうになったその時――




ゲコッ


そのよく知られた特徴的な鳴き声とともに道に小さなものが出てきた。


蛙だ。



「え…?」



一瞬の驚きの後に複雑に入り乱れた感情の波が押し寄せてきた。



蛙…?

何だ蛙かぁ。

って何で私は蛙をこんなに恐れ怯えていたんだ!!

たかが蛙に!

一時怖い思いをしたのにオチがこれじゃ自分が間抜けなだけの笑い話になるじゃないか!

解決して良かったし、お化けとかじゃなくて良かったけどさぁ。

あぁもういいっ。

さっさと帰る!!


といった具合に。


それから少女は家に向かって自転車を漕ぎ出したのでした。


最後まで読んでいただきありがとうございました!

我が儘ですがまた次の作品でお会い出来たらなと思っております。

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