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108人も居たら似た様な奴が居る。キャラかぶり!

サブタイトルとか全然関係ないです。それとこの場を借りて、感想やご指摘ならびに評価を頂いて感謝しています。


・・・何でこんなに?

 名も無き村が大きくなって来たからか既に村と呼べない規模になってしまった。其の所為で領主代理に任命すると王妃様の手紙が届き俺は正式に領主の仕事をする事に・・・此れくらいなら我慢してやる積りだったんだけど最近特に難民が多くこの・・・名も無き村? に来る様になった。治安を維持するのも凄く大変だし、病気まで運んで来るから住人との争いが絶えない!


「レオン様、今日もオセーンから数十人の難民が此処を目指しています。・・・どうしますか? 此処も余裕が無い事を言って追い出します?」


報告してきた部下が嫌そうに確認してくるけど、言葉や口調からこいつは受け入れたくない様だ。其れも仕方ないと思う。この前なんか俺を目の前にして『勇者なんだから俺達を救え!』と言って来た難民や働かない連中が食料庫を襲撃したり民家に不法侵入してそのまま占拠・・・盗賊かよお前等! と言いたかった。


「離れた場所に一時的に休ませて様子を見よう。有能なら受け入れればいいんだ。」


正直酷い事を言っているが無制限に受け入れたら俺達が苦しむ事になり最悪村ごと滅んでしまう。何か良い解決策が有れば実行したいがそんな都合の良い物が思い付く頭も無い!


「其れから犯罪を犯した者は追い出すべきです! 牢屋も既に一杯じゃないですか。」


報告に来た部下は最近難民と揉めて喧嘩でもしたのかな?確かに牢屋に入れてるだけで金が掛かるんだけど・・・開拓で無償で働かせるとかもしたが上手くいかない。元々楽をしたい連中だからサボるし、逃げようとするしで問題が多い。


・・・もう正直疲れたから、


「開拓で使えないなら追い出そう。罪の軽い者は許すが其れ以外は村の外で始末する。盗賊になられても迷惑だからな。」


「はい!」


罪の軽い重いは誰が判断するのかな・・・俺かな。


それにしても此処まで大きくなるとか思って居なかったから名前すら決めていない。此れも不味いが此処の方針が決まっていないのも此れからの事を考えると非常に不味い。無計画に発展しても何時かは困る事になるんだ。・・・あれ! この村もしかしたら使えるんじゃないか?


俺は最近勇者のサポートになる様な事をしていないが、したくない訳ではない。寧ろ俺以上に働いて活躍して欲しいと思っている。其れには地図もそうだったが旅をする為に必要な物を用意する必要が有る! 何処に魔王が出るかわからないんだから移動をスムーズにして・・・此れは地図が有るからいいか。


食料とかか? 保存食とか不味いから・・・贅沢だな。武器なんかは父の領地で良い物が出来ているから其処で済ますとして・・・情報だ!!!其の情報を扱う場所は・・・酒場! ギルド! 宿! 色々有るが結局は組織となる。其の組織を此処で作ろう!


「・・・と言うわけで俺は此処にギルドを設立する事にした!」


「・・・父よ、そう考えていたなら大工には確り伝えるべきでした。此処はどう見ても酒場と宿が一緒になった施設で正直如何わしいです。」


即行動に移して目立つ場所にデカイ建物を建ててみたらセイレーンの冷たい一言が俺の心を抉る。五階建ての建物で一階には受け付けの隣に酒場が、二階より上は宿泊できる部屋がある。・・・この世界の〇ブホが出来てしまった瞬間だった。


「まさか失敗するとは・・・」


膝を着いた俺の肩にセイレーンが手を置いて優しく微笑む。


「誰にでも失敗は有ります。元気を出して下さい。」


「お、お前って奴は・・・」


なんて天使なんだと言おうとしたら、


「てっきり父が、女を連れ込む為にこんな建物を建てたと勘違いしてました。そんな理由ならこんな場所は直ぐにラミアと一緒に破壊していた所です。」


「・・・そうかい。」


こうして俺はこの村でギルドを設立して職員の育成に力を入れた。手続きの仕方からギルドメンバーの一覧表の作り方、其の人物の特徴と言った物を管理させ仕事を振り分けさせる。魔物が多いこの世界なら仕事は有るんだから問題無いし、何より勇者のお供・・・パーティメンバーを確保でき鍛える事も出来て一石二鳥!


そう考えた時期が俺にも有りました。ハッキリ言ってこの組織は既存の組織には目障りだったんだよね。・・・傭兵とか敵対する盗賊とかギルドを作ったは良いけど人の集まりが良くない!


「・・・仕事が来ていますよレオン様?えーと、オーガ退治って書いてあります。」


受付に働きたいと言ったエイミを雇ったんだが仕事をしてくれるのは良い。だが受けた仕事を俺に持って来るのは違うと思うよ。


「誰か他の人に遣らせなさい。」


「オーガを倒せる人は他の仕事に出ていて、それ以外の人はお酒ばかり呑んでいます。」


「・・・わかった。」


酒もギルドメンバーなら割り引いて出しているから酒好きの連中が集まって困る! それ以上に使える連中が少ない。時々俺が出向く事まで有るんだから人手不足は深刻だし、傭兵とか盗賊が襲ってくるのがウザくてしょうがない!


嬉しかった事も有る。昔旅をした時に出会った優秀な子供達が成長してギルドの噂を聞きこの名も無き村に駆けつけてくれた! 其の連中は使える人材としてギルドの主力メンバーになってくれたから嬉しくてしょうがない・・・が! 其の連中が勘違いをしていて困る!


俺の事をギルドマスターとして扱うんだよ。違うよ! 俺は派遣された騎士なんだと叫んでも、


「またまた、そんな訳無いじゃないですか。」


心の底から失敗だったと思ったね。責任者を用意しようにも手が空いてる者なんか少ない・・・と言うか居ない! この辺境周辺だけでは稼げないし情報が少ないから無論増やそうとした。そうすると・・・


「我々も融資させて頂きたい。」


マーセル率いる商人さん達が俺に金を出してきた。大きな都市にはギルドが出来る、其処には人を派遣する、人が足りない。この悪循環・・・各都市のギルドから優秀な孤児達を引き取り育成に乗り出す事にした。そしたら俺もう限界!


「やってられるかーーー!!!」


『何、騒いでんだよ。』


誰も居ない場所で、一人叫びながら襲撃しに来たゴブリンを憂さ晴らしで狩っていたら駄馬が話しかけて来た。戦っているこの状況で一頭だけ落ち着いている。ゴブリンを蹴散らして何時もの様に素材を剥ぎ取りながら駄馬と話をする。


「もう無理! 俺働きすぎ!・・・静かに暮らしたい。」


『すれば、』


・・・其れが出来ないから困ってんだろうが! まさか此処まで急速にギルドがでかくなるなんて誰が思うよ? 俺なんか最近になって勇者には酒場だろ! 宿だろ! 情報だろ! みたいな感じで見切り発車したら周りが異常に反応するからどれだけ大変だったか!


コツコツと勇者が旅に出るまでに其れらしい組織になっていれば満足だったんだ。アステアなんか、


『家にも支店出して!』


こんなノリで手紙来たらから驚いたよ。しかもサインが大臣みたいだから返事書かないといけないよね?


『人が居ない為に無理です!』


こんな感じを長ったらしく手紙に書いて出しておいた。


この計画は失敗だな。ギルドなんか片手間に遣る仕事じゃねーよ。そう考えながらも増えた書類仕事を片付ける毎日を過ごしている。






 忙しく過ごしている時に限って聞きたくない情報は報告される物らしい。ギルドを無理矢理何名かの管理に向いている連中と此れから強くなるであろう連中に押し付けてしばらくした時の事だ。報告に来たのは王都の騎士団所属の『アルゴ・オストー』、初任務だと興奮して教えてくれた。


「お久し振りですレオン様!」


身体は俺と並ぶくらいに大きい・・・まだ此処から伸びるんだよな?俺だって背の低い方じゃないのにな。赤い髪を短くして逆立てている為か街で見かけたら目を逸らしたくなる様な感じだな。チンピラにも見えるがかなり鍛えたのだろう・・・結構な雰囲気、手を出したくない感じがしている。


日に焼けた顔で此方を見て硬い表情をしているから、


「懐かしいなアルゴ! もう立派な騎士じゃないか、それで今日は何のようだ?」


「は、はい! 隣国、今のオセーン帝国領で魔王が挙兵したようです。」


・・・え?


「・・・もう一度言ってくれるか?」


「魔王が挙兵したんですよレオン様! それでこの国境に攻め込む情報が神殿の神託で知らされたんです。父が、騎士団長が此処に向かっていますが兵士が足りません。将軍は徴兵した兵士を率いていますけどどれだけ集まるか・・・」


何! 何で挙兵してんの魔王! まだ勇者とか10歳くらいだよ! 早過ぎるだろうが!


・・・落ち着こう、こんな時は落ち着いた方がいい。先ずは国境の砦に知らせるなり此処から援軍を出すなりすればいいんだ。防衛側が有利な筈だから此処は砦の責任者に任せよう。


「この村からも兵を出そう。俺も出るからアルゴは先に砦に向かってこの情報を、」


「既に他の騎士が向かっています。・・・其れと『エイミ様』を戦場に出せませんか?」


アルゴが申し訳無さそうにエイミの名前を出して来た。おいおい、10歳の子供に戦えって酷くないか? アルゴだって年齢からしたら子供だがこの世界だと成人で周りも戦争に出てても止めないだろうけどエイミは10歳!


「無理だな。本人が出たいと言っても連れて行くつもりも無い。何でそんな事を聞いた?」


「神殿は挙兵した魔王に全勢力を持って挑む様にと指示を出しました。この国の勇者達が今此処に向かっています。・・・一人だけ出さないと言う訳にはいかないんです!」


無いわー、其れは無いわ。防ぐだけなら兵士に任せなよ。大体まだ子供の勇者なんか大して役に立たないよ。単体ではそこそこ強いけど、連携なんか出来ないし、経験なんか少な過ぎる。正直俺でも役に立てるか疑問だけどな。


「邪魔だからこの村にでも置いておけ、良い機会だからこの国の勇者の顔合せもこの機会に済ませておこう!」


「え! 良いんですか?神殿の指示ですよ。」


「どうせ神官なんか此処に来ないだろ? 良いんだよ! 報告には『勇者様は頑張りました』って適当に報告しておけばあいつ等喜んで信じるんだから。なんか言ってきたらハースレイに押し付ければいいしな!」


来ないと言う確信が俺には有る。毎年嫌がらせで神官の派遣を要請しているが今日まで誰一人来ていない! もうあいつ等駄目だわ。中には良い人も居るよ。けど全体的に見ると少数派だね・・・そう言う人に限って出世しないから今の状態なんだろうけどさ。


「流石ですレオン様!」


あれだね、アルゴは頭はあんまり良く無いよね。普通こんな話聞いたら慌てるのに・・・ルーゲルさんは体育会系だからこんな風にアルゴが育ったのかな?





 アルゴ・オストー


 何事にも動じないレオン様を見ていると俺も自信が出てくる! 神殿の指示にも従わないレオン様は格好良い! 王都の皆は仕方が無いと言って指示通りに動いていたのに・・・王妃様がレオン様の指示に従えと言った理由が今わかった。


昔一緒に旅をしていた時も難しい言葉をよく使っていて俺には理解出来なかったし、やっぱりこの人は皆が言う様に凄い人なんだ!


「レオン様! 俺一生着いて行きます!」


「・・・お前は騎士だから国に忠誠を誓っているだろう? 其の発言は不味いからな。」


難しい事を言っていて理解出来ないが不味い事はなんとなく理解した! 父ルーゲルも俺を


『お前の精神や肉体の強さには何も言う事は無い。だがもう少しだけ頭を使え、少しでいいから!』


と言ってよく励ましてくれていた。・・・何の話をしていたんだっけ?


兎に角だ! レオン様は凄い!






色々と準備をする事になると俺は忙しくなる。食料から武器等の消耗品までを準備する指揮を採りつつ情報を集めていたらギルド経由で神殿の神託により魔王の挙兵が告げられた、と情報が届いた。


・・・遅くね?


今回の件での反省点は後で考えるとして、神託の内容はアルゴから聞いていた物と同じだった。


偵察に出した連中の話では大軍が複数此方に進んで来ているが、どれが本隊かはわからないとの事・・・到着も一週間程掛かると予想される、か・・・


偵察出来る連中も鍛え直さないといけない。


だが殆どがゴブリンにオークで、雑魚の大群らしい。滅茶苦茶危険じゃないか!!!


数は其れだけで力になる。ハッキリした数はわかっていないが時間が少な過ぎるから砦にも其の情報を伝え出来るだけの準備をする事にした。


そんな時にこの村に続々と勇者が集まりだしたら・・・邪魔だった! 待遇の改善を求めてきた馬鹿には鉄拳制裁を行い、勇者同士で喧嘩を始めて村を破壊した馬鹿には修理代の請求と其の修理の下働きをさせた。


馬鹿が多過ぎて笑えてくるね。どいつもこいつもガキの癖にお供を従えて村を歩き回って住人を脅しやがる! 完全武装に近い知らない連中が村を歩き回っていたら怯えて当たり前、其れを教えても


「だから何なんですか?私は勇者だから許されるんです。」


お供ごと其の場で鉄拳制裁を実施して理解を得るまでどれだけ無意味な会話を繰り返したことか・・・


後は店に金を払わない勇者には驚いた。出店で出していた果物をそのまま歩いていた勇者が普通に金も払わず手に取って堂々と口に運んで歩いて行った、と聞いた時は耳を疑ったね。


此処まで世間知らずだと思わなかったから、お供連中を呼び出して正座をさせて事情を聞いたら納得出来た。


「・・・住んでる場所で誰も注意しない! 然も進んで許していたのか?」


「勇者様ですから・・・」


お供連中が慣れない正座に苦しむ中で俺は頭を抱えた。


「馬鹿かお前等! よくもあんな糞ガキ共に育ててくれたな・・・ハッキリ言って使えないにも程がある!」


此処の村で其の馬鹿な行為をした勇者の殆どが平民や農民出の勇者達だった。他は以外にまとも、いや・・・かなり厳しく育てられていたからか品行方正で問題はなかった。・・・今の所はね!


それ以上に一人だけ化け物みたいな才能を持った勇者が居たのにも驚いたよ。


名前は『リュウ』、性格も良さそうなんだけど・・・こいつは王妃様に嫌われている。いや、命を狙われているね!


王妃様から送られて来た手紙や資料からひしひしと殺意が感じられる。なんか『勇者は12人でも良くね?』みたいな手紙を受け取った。


・・・議会制とか遣り過ぎなんだよ。権力者に喧嘩を売った革命家がどうなるか習ったはずだよな? 資料から俺はリュウが転生者かそれに近い者だと考えた。


あの時白い部屋に居た俺を殺した連中の一人だろう。そう思うと注意する気にもならない。かなりヤバイ能力を求めていたから其の所為で化け物みたいになったと考えれば辻褄も合う!


・・・王妃様にも要注意人物扱い受けやがって何してんだこいつは!!!


時間もないから俺は出来るだけの準備を済ませて、砦に向かう事にした。





他の勇者? 連れていけるか!

次回からは指摘された事などを考えながら書こうと思います。更新は数日は無いです。


何でこんなに評価されたんでしょうか? それが気になっています。


お気に入り登録も24日だけで昨日までの二倍ですよ!


・・・勘違いでしょうか。

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