エピローグ〜まだ終わらない〜
教室に着いた後、適当に円を作るように座った。
そして、誰からともなく懐中電灯をつけた。
「誰から言う?」
「植木が言えよ。」
「え〜、なんでー?」
などとバカらしく(松本にはそう思えた)言いあった後、結局植木が言うことになった。
植木はわざとらしくせきばらいをして、静かにしゃべりだした。
「これは、先輩の先輩が言ってたらしいんだけど……」
『校舎の真ん中あたりに階段があるでしょ?あの階段、ある時間になると魔の階段になるんだって。
どうゆうことかと言うと、その階段から青白い手が出てくるの。
そしてその手は階段を降りる人の足をつかんで階段から落とすんだって。
でも決して上る人にはそうゆう事をしないの。
だからその階段を降りるときは気を付けないとね……』
「おぉー、こえー。…じゃ次は俺がいきまーす。」
高村は光を下から顔に当て、不気味な表情をしながらしゃべりだした。
『これは事務のおじさんに聞いたんだけど、学校の幽霊って言ったら花子さんが定番じゃん。
でもこの学校の花子さんはトイレにはいないんだって。
学校内ならどこにでも現れるらしいぜ。そして会った人に
「あーそびーましょー。」
って言いながら、笑うんだって。
その誘いに乗ったやつは、二度とこの世には戻れないらしいぜ……』
高村はフッとライトを消し、あたかも自分が消えたような演出をした。
それから次は金子、内免と続いた。
『トイレって言えば花子さんだけじゃないよね。
トイレには他にも赤神と青神っていうのがいて、トイレから出ようとすると赤い手みたいなのと青い手みたいなものが出てきてそこにいる人の頭をもぎとり便器の中に入れるんだって。
昔、トイレの使い方が悪かったからそうゆうのが出るみたい。
そいつはこうゆう風に後ろからのびてきて……』
「キャーーーー!!」
金子は隣にいた植木の頭をつかんだ。
植木はかなりかん高い声を出した。
他のみんなもいろんな意味でびっくりした。
「あー、びっくりした。じゃ、次は私ね。」
『校舎のはじっこの方に誰も使ってない大鏡があるでしょ?あれは自分を映し出すだけじゃないんだって。
物とかなら別にいいんだけど、もし人や動物などが出ちゃったなら気を付けた方がいいよ。
それを見た人は吸い込まれるように鏡に突っ込んじゃうんだよ。
きっとそこに映った人や動物の怨念なんだね。
でね、もっと不思議なのはその後で、その割れた鏡はいつのまにか直ってるらしいよ……』
「みんよく知ってんなー。じゃ俺がとっておきの話をしてやるぜ。」
尾崎は自信たっぷりに言い出した。