エピローグ〜まだ終わらない〜
キーン コーン
カーン コーン
チャイムが鳴り、生徒たちはそれぞれ勝手に動き出す。
手を上にあげて背を伸ばす者や、早速友人と話しだす者、とりあえず教室から出ていく者もいる。
今日は終業式。
明日からは待ちに待った夏休み。
三年生のこいつらにとっては、義務教育最後の夏休みである。
教室内では、だんだん帰りの支度をする生徒が増えてきた。
そんな中で一人、特に急いでいる様子もなく帰る用意をしている男子がいた。
彼の名は松本幸二。
あまり目立つ方でもなく、イジメられたりイジメをしていたりなんてことはない。
イジメの現場を見ても、見てないフリをする。
そんな松本には深い仲の友人などいない。
仲の浅い友人ばかりだ。
「おい、松本。」
松本が教室を出ようとした時、同じクラスのやつに呼ばれた。
後ろを向いて、松本は心の中で渋い顔をした。
なぜならクラスの中でも特に嫌いな男子が二人と女子が三人いた。
クラスの中で、イジメの主犯的な存在である。
背の高い男は尾崎。
その隣にいるのは高村で、身長は松本と同じくらいで、平均的だ。
二人の左に並んでいる女の中でも一番背の高いのが金子で、対象的に低い女子は内免と植木だ。
「なに?」
「今日さ、学校で怪談話しよう