正解
路地裏を少し行ったところで見た光景に驚くよりまずあきれた。そこにはさっき見かけた軽そうな金髪の男が、ナンパして連れて行った派手な女性を押さえつけてナイフを突きつけているところだった。
「マジかよ・・・」
「うそ・・・」
「ビンゴだ」
「こんな簡単に見つかるなんて、今まで課題のためにやってきた苦労って一体・・・」
何故かコーディリアは地面に膝を着いて落ち込んでいる。
そうしているうちに男が動いた。ナイフを更に女性に近づけて女性の腕から血が流れ出す。女性の悲鳴が路地裏に響いた。それに落ち込んでいたコーディリアも慌てて立ち上がる。
「レイっ」
「わかってる。行くぞ」
「えっ?このまま行くのか?逃げられるぞ?」
「ああ、だがこの先に3つに道が別れているところがある。詳しい説明は走りながらでもするさ!」
最後の言葉を合図にレイとコーディリアは物陰から飛び出した。
「っ、誰だ!」
いきなり飛び出してきた2人に男は驚いて振り返る。
「バレイス軍事学園の生徒だ。課題達成の為お前を捕まえて兵士に突き出す。大人しくしていろよ?じゃないと怪我するぞ?」
「課題って何だ?そ、そんな話きいた事ないぞ!」
「そうなの?どうやら常識も知らない馬鹿のようね。軍事学園の課題は有名よ?」
「それ以上近づくな!」
男は話しながらも少しずつ近づいて来る2人が恐くなったのかいきなり女性の首元にナイフを突きつけた。
それに2人は動けなくなる。
「へへっ、どうだ手が出せないだろう。いいか、そのまま動くなよ。動いたらこいつを殺すからな」
「たす、け・・・」
女性を人質にされて動けなくなりレイは男を睨む。そして頭にある疑問をコーディリアにきいてみる。
「トレスはどうしたんだ?」
「そういえば・・・どうしたんだろ」
「・・・・・・くそっ、何してやがる」
「何話してんだ!だまらねえとこいつ殺すぞ!」
2人が相談しているのが気に入らなかったのか、更に興奮してナイフを女性に近づける。
「いや、助けてっ!」
「お、おい。なんでこんな派手な女性ばかり狙うんだ。こんなことしても何にもならないだろ!」
「お前らにはわからないだろ!俺はこういう女がだ・・・」
ドッガアアアアアアアン!!!
その時いきなりレイとコーディリアの後ろからゴミ箱と共にトレスが飛び出してきた。それにそこにいた人間は驚いて固まる。
トレスは派手に出てきたのはいいが、勢いが良すぎて気絶している。
いち早く立ち直ったのは殺人犯の男だった。捕まえていた女性を突き飛ばしてレイ達とは反対の方向へ走り出した。
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