予想
トレスは授業が終わってからそのまま机で寝ようと腕に頭を乗せて目を瞑った時、いきなり
「聞いた!って聞いてるわけないか」
「・・・いきなり失礼な奴だな。そんなんじゃ彼氏出来ないぞ」
「余計なお世話よ!それに別に好きでもない人にもてても嬉しくないし・・・」
「そうかそうか。じゃ、おやすみー」
そう言って先程と同じように机に懐いて目を閉じた。
「じゃなくて!あのね!最近喫茶店での強盗が頻発しているそうなの。まだ課題にはなってないけど絶対なるわ」
「なんで?」
「勘よ」
「そうか、頑張れ」
「じゃなくて、一緒にやるの!」
「ことわr」
「いいね。もちろん僕も一緒だよね?」
「わぁ!レイか。びっくりした」
「まず何から始めようか?」
「・・・おい」
いきなり2人の間にレイが入ってきて当然のように強盗犯についての情報交換と作戦を練り始めた。二人は夢中になって話している。トレスは2人に気づかれないように下がって教室から抜け出した。
「はぁぁぁぁ」
でかいため息をつきながら寮に向かって歩いていく。一人でいると自然と周りの声が聞こえてくる。
「なぁ、最近強盗が・・・」
「知ってる。それって・・・」
「おい、あいつトレスじゃねぇ?」
「本当だ」
「絶対課題になるんじゃないかって・・・」
「あいつなんでこの学園にいるんだ」
「さっさと消えてくれないかな」
「一緒に情報を集めよう・・・」
「目障りなんだよ」
「俺たちのコーディに手を出すな!」
「いなくなれ」
「死ね!」
うん。強盗について結構噂になってるみたいだな。その他の言葉も聞こえたけど、まぁ俺には関係ないよね?俺、あんまり目立たない人間だしね。
「はぁ。目立たないようにしてるはずなのに・・・」
つぶやきながらトレスは自分の寮部屋のベッドで寝るべく足を速めた。
コーディ&レイ
「だからこの廃墟をを中心に探したら何かわかるかも。って、あれ?トレスは?」
「え?あれ?いない。いつのまに逃げたのよ」
「俺も気づかなかったんだけど?」
「私も気づかなかったわ。彼、逃げ足は速いのよ」
「・・・そうか」
ふふ、本当に面白い。この僕が隣の人間が動いたのに全然気づかないなんて。学園最下位の人間がやることじゃないよな。油断はしてなかったし。やっぱり実力を隠してるのが一番の候補かな?一度本気を見てみたいな。
トレスがいなくなったことでレイは更にトレスを怪しんでいる事は誰も気づかなかった。