番外編 リネアとユージという男
私とアイツの出会いは偶然だった。
いつものようにギルドの訓練場で訓練をしていた私は見慣れない男が倉庫へと入っていくのを見かけた。
よそ者は珍しいことではないけど、なぜか無性に気になって私も倉庫へと向かった。
もし、私の出自を知らないのであれば、パーティーを組んでくれるかもしれない。そんな願いを込めて。
その男は明らかに普通ではなかった。
おそらくCランクかそれ以上。名のある冒険者だと思った。
しかし、その男はトレーニング用の機材を作るための材料を取りにきただけだという。
これは好機だ。と、男にパーティー加入の約束を取り付けた。
その後、ますます驚かされる出来事が起こりつつ、いろいろなクエストをこなしていく。
この男は自らの力を過小評価しているのか、危険なクエストには行こうとしなかった。
私のことを気遣ってのことだろうか。これでもCランクまでは一人でたどり着いているのだ。
あまり舐めて欲しくはないけど、この男にとっては赤子同然なのだろう。
私は考えた。自分の出自を知ったら、彼も離れていってしまうのだろうかと。
奴隷身分の冒険者は珍しくない。
でもそれは、家業のための冒険者であり、制約が多く、多くは奴隷身分同士、もしくは個人で活動することが多い。
私はこの町にいる限り自由。
でも、この町から出ることはできない。それが私を買った存在が課した誓約。それを知れば彼も・・・。
だが彼が私に見せた姿は一縷の希望を生み出した。
彼は私の案内で奴隷と相対した。どのみちいつかはわかることではあったが、自分以外の奴隷と関わることでわかることもあるだろうと考えた。
アイツは奴隷にも優しかった。
わかってはいた。
アイツはその程度で態度を変えるようなやつじゃない。そもそも、そんなことを深く考えるような質じゃないし。
その姿を直接目の当たりにするのは嬉しかった。
アイツのスキルに関しては全くもって驚かされたけど、アイツの規格外さは今に始まったことじゃない。と自分に言い聞かせることにした。
ただ、年齢が少し離れているとはいえ、同じ部屋で寝ることに一切の迷いがなかったことには、ちょっとだけ____いや、なんでもない。
第二章番外編 リネアとユージという男 完
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