表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/10

神鳴り


 森に響き渡る警告音。

 3体目のAIドローンが、赤い光をギラリと放ちながら一気に距離を詰めてきた。


「やばっ、トラップの仕込みが間に合わない!」

 ミアが道具袋を抱えたまま、木の影に身を隠す。目の前の現実に、思わず舌打ちする。


「フェリシア、下がって!」

 カティアが大剣を掲げ、ドローンの前に立ちはだかる。


「ひゃああ、怖いよ~!」

 フェリシアは両手で耳を押さえながら、カティアの背中に必死で隠れる。


「ちょっと!逃げてばっかじゃダメだって!」

 ミアも叫ぶが、いつもの自信は少し影を潜めていた。


 ドローンは、目にも止まらぬ速さで森を滑るように接近してくる。

 カティアが歯を食いしばり、大剣を大きく振りかぶる。


「わたしが引き付けるから、みんなは安全な場所へ!」


 だが、ドローンは鋭く空中を旋回し、カティアめがけて閃光を放った。

 カティアは剣で受け止めるものの、衝撃で地面に膝をつく。


「くっ……!」


「ユノお姉ちゃん……どうしよう……」

 フェリシアが泣きそうな声を漏らす。


 


 ユノは、必死で仲間の姿を見つめた。

 胸元のペンダントを強く握り、心の底から星に祈る。


(お願い……みんなを、守って……)


 


 その瞬間、頭上の空が轟音と共に輝く。

 漆黒の雲が渦巻き、眩い稲妻が森を裂いた。


 雷光がドローンを直撃。

 轟音と共に、機械の身体は一瞬で焼き尽くされ、森の空気が静まり返る。


 


「……やった……?」


 ミアが呆然と口を開く。


「今の……ユノお姉ちゃんの魔法……?」

 フェリシアがぽかんとユノを見つめる。


 カティアはゆっくりと立ち上がり、剣を地面に突いて深く息を吐いた。


「……助かった。ユノ、すごい力ね」


 ユノは驚きと安堵で、少し震える手でペンダントを握りしめた。


「……ありがとう、星の加護……」


 


 静寂の森に、仲間たちの息づかいだけが残っていた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ