酪農王国(反省会)
「こよりくん」
「ラミリアさん、いつもありがとう」
「やってくれたわね」
「ソフトクリーム美味しかったでしょ」
「明日はいつもの四人で来るわ」
「席あけておくね」
「よろしくさん」
ラミリアさんが昼休みを終え、冒険者ギルドに戻っていく。喜んでもらえてよかった。彼女が満足してくれたのなら、この店は大丈夫だろう。
さて、一時からの二部の整理券を配ろう。そしたら店内の様子を一度見に行ってみるか。
「いらっしゃいませ!」
「サラダ、スープ、カレーなど食べ放題!」
「ただいま二時からの整理券を配っています!」
「今日と明日、二時間食べ放題で千五百ウェン!」
「賄を食べながら反省会をしよう」
バイキングで残ったサラダ、スープ、カレーライス、デザートを皆で食べる。
ここはバイキングレストラン四号店の"酪農王国"の営業終了後の店内。ボクと店主のミーナ。新たに雇った収納庫スキル持ちのウェイトレス二人の合計四人でテーブルに座る。
「みんな食べながらでいいから」
「ソフトクリームの在庫切れはありませんでした」
店主かつライブキッチン責任者のミーナが報告する。ライブキッチンの在庫切れと提供スピードの遅さはクレームの元だ。とくに注意するように伝えてある。
「こよりさんの指示どおり、注文されてから出すようにしています」
「ソフトクリームはすぐ溶けるからね」
「みなさん面白いんですよ」
「なにが面白かったの」
「一皿受け取って席について食べると、すぐに戻ってくるんです」
「うん。だから一皿目を食べてもらわないと話が始まらないんだよね」
これは試食効果という。人は食べたことのないものを見たときに二種類にわかれる。挑戦する者と避ける者。挑戦者はいい。食べるから。問題は避ける者だ。一度も食べていないのに、その後も避ける傾向にある。
一度でも食べて避けるのならいい。この手の人は、一度も食べていないのに「たいしたことない」とか「美味しそうじゃなかった」とか悪いクチコミを起こしたりもする。
だからこそ最初の声かけが大切になる。お店のオープンにチラシをまくのもそのためだ。新車が販売されるとあのトヨタでさえテレビCMを大金払って打つくらいだもの。宣伝、クチコミ、声かけは大事。
知ってもらう。来てもらう。食べてもらう。そうなればしめたもの。
「ほかに在庫切れしたものはない」
「ありません」
「たとえ在庫切れしても、そこは隣の商品を追加して広げるように」
「POPは裏返してですね」
「そうバイキングは料理の在庫切れがあってはいけない」
「やむを得ず在庫切れしたら、目立たないように隠す」
「そのうちに作って追加するんですね」
「うん」
「食べ終わったら明日の準備をして帰ろう」
「「お疲れ様でした」」
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
「こよりさん、お疲れ様でした」
「ミーナ、初日から頑張ったね」
「本当にありがとうございます」
「キミの牛乳がよかったからだよ」
「こよりさん」
きゅっ
ミーナがボクに抱きついてくる。このパターンはヤバい。
「好きです」
「ダメだ、ミーナ。それは一時の気の迷いだよ」
ボクはミーナをひきはがす。彼女には未来がある。ボクのハーレムに入るには若すぎる。そもそもこうなりたくて彼女を助けたわけじゃない。
ミーナは意を決したのか服の前のボタンを外していく。ボムッ
え、胸が爆発した!?
違う。いままで抑えつけられていた枷が解き放たれたんだ。思わずつぶやいてしまう。
「デッツツツ」
ミーナが恥ずかしそうにボクを見あげる。
「大きいのは嫌いですか」
「嫌いじゃないです」
もう我慢できなかった。健全な推定十六歳をなめてはいけない。
「こよりさん、そんなにしても乳はでませんよぅ」
ミーナ。知ってるよそれくらい。男は母乳がでなくても吸うものなんだ。
はい異世界シニアです。
次回、異世界バイキング。未定。




