表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔力量平民以下、無属性で悪役令嬢にされた私。ループ百回目で光属性を得て神龍に愛されたので運命を変え、静かに生きます。  作者: 神崎桜夜
一章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

51/64

20(3)

次の日、マルセナに動きやすい服を準備してもらい光魔法の訓練をするために庭に出る。


アレスに練習を付き合ってもらうことになったのでユリネスとイレイナは騎士団の朝の訓練に参加することになった。


セレナが向かった場所はラドリディアン家の広い庭の奥にある、彼らの先祖が代々守っている“護石【ラピスラクトス】“がある場所。


この護石は、この国にの創設の神話に伝わる大事な石だ。


フロラティア王国はかつて小さな名もない国だった。人々は他の周辺国とは違い魔法をうちに宿し生まれてくる。


しかし、別の国々が彼らの魔法を悪用するために支配しようと進軍して来た。

そして、国を守るために立ち上がった創設者の一人がラドリディアン家の先祖であるーーコリンナ・ラドリディアンだ。


彼女はその戦いで国の守神と言われていた双子の神龍の片割れーーアウルセリオンから血統魔法を授かる。


血統魔法を受け継ぐ三家にはこの国を創設したときに、守護を任されている神聖物がある。

ここは護石から漏れている結界魔法の影響なのか澄み渡るほど神聖な空気が漂っている。


セレナはここでなら、光魔法が発動できるような気がした。


「では、セレナ様始めましょう」


彼女はこくりと頷き昨日アレスが教えてくれたようにイメージしてみる。


小さな光を一つイメージして、その光に小さな光の粒を集約する……。


…………。



「全てを照らせ。ゾフィス・イルミナティオ」


木々たちがざわざわと揺れる音だけが響き静かな空気が流れる。

何も、起こらない。


「何故、高等魔法を選んだんですか?セレナ様の今の魔力量では無理だと思いますが?」


この場所が神聖な場所だからか、セレナは出来る気がして高等魔法を詠唱していた。


「わ、分かってるわ、ちょっと挑戦してみただけよ」


「出来ないのが分かってるのにですか?」


頬を膨らませ拗ねたような態度を見せる彼女にアレスは少し笑いながらそう言った。


「私、貴方のそういうところ嫌いよ」


セレナはクスクスと笑いを堪えるアレスを睨みつける。


「お褒めに預かり光栄です」


アレスは無表情に戻り、セレナに一礼する。


(まったく褒めてなどいないのだけど)


彼女はじっとりと彼を睨み、一息ついてから別の光魔法に挑戦する。


「小さく輝け。フミリス・イルミナティオ」


また、時間が止まったように静かになる。

やはり、何も起きない。


夏が近づいているせいで暑いからなのか、焦りからなのか彼女はじわりと汗をかいてきた。


そして、発動しない光魔法にセレナはやっぱりあの測定が間違いだったのではと不安が膨らんでいく。

しばらく、彼らはいくつかの光魔法を試してみたが何も起きる気配はなく、小さな光さえ輝くことはなかった。


「少し休憩されてはいかがでしょうか?」


アレスはセレナにタオルを渡した。


「ありがとう」


タオルを受け取り汗を拭く。

セレナは座れる場所を探し護石の後ろにあるこの家で1番大きな木の下に行く。

アレスが敷物を出して草の上に広げ、セレナはそこに座る。

紅茶を淹れてもらいゆっくりと一口のみ深く深呼吸する。


(どうして、出来ないの……。やっぱり、魔力量が圧倒的に足りていないから?私に才能がないから……?)


セレナは頑張ろうと思えば思うほど、自分の弱さに打ちのめされそうになるのをグッと堪える。


(身体的にも体を鍛えたり護身術を訓練したりしているわけじゃないから圧倒的に体力も筋力も足りていないのも原因かもしれない)


セレナは今後、体を鍛えるために剣術や護身術を学ぶことも視野に入れて行こうと考えた。

彼女は打ちひしがれるだけだった前の自分から変わろうとしていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ