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魔力量平民以下、無属性で悪役令嬢にされた私。ループ百回目で光属性を得て神龍に愛されたので運命を変え、静かに生きます。  作者: 神崎桜夜
一章

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16 魔塔の主人(2)

とりあえず、私たちはペルトニーに進められて椅子に座り、彼が入れてくれた柑橘系の紅茶を飲みながら私の噂への誤解を説明した。


「なるほど、まぁ私にとっては貴女が悪女だろうがなかろうが貴重な光属性を研究さえ出来れば何でもいいですがね」


「また、ノヴァ様はそんな失礼なことを言って!申し訳ないっス、セレナ様、根は優しい方なんっスが研究になると見境なくて」


焦ったようにペルトニーが謝る。


「大丈夫よ、ペルトニー」


焦る彼に私は笑って返すが当の本人はそんなことなどお構いなしに、ガサガサと薄い本を出してきてペラペラとページをめくっている。


「公爵家の娘にしては魔力量が少ないですね、異常なほど少ない……」


まるで実験動物でも見ているかのように彼は私を観察した。


「それに、貴方のその瞳の濃さに髪の色の濃さを考えれば……この少ない魔力量は異常だ……」


どうやらさっき出してきたのは私の資料だったらしい。

その資料と私を交互に見ながらぶつぶつと呟いている彼は今、かなり重要なことを言った気がする。


「ねぇ、魔力量って見て分かるの?」


「見て分かるかと聞かれれば答えはイエスですね、まぁ、あくまで理論上そうではないかという結果が出ているだけで実際、何十人か集めて調べたわけじゃないからノーとも言える」


あぁ、この人はきっと自分に興味があることしか調べないんだわ。


「でも、私が今まで見た人間たちを観察して得た情報では、瞳の色の濃さや髪色はそれぞれの属性や魔力量に関わっている事が多い、例えばほら、私の属性は水が主です、だから瞳の色が青い」


確かに、彼の瞳は青だ。


「僕は、木属性なので黄緑っス」


ペルトニーは自分の瞳を指差して見せてくれた。


「それで言うと公女様の瞳は綺麗っスね!金色がかった黄色っスかね?」


「そんな瞳の色は私が見て来た中で君くらいだ。それが光属性の色なのだろう、実に興味深い」


何だかアルフィン殿は嬉しそうに資料に記入している。それにしても、瞳や髪の色が魔力量や属性に関係しているなんて知らなかった。

どうしてそれを魔法論文にして発表しないのかしら?


「そして、髪色に関しては血統魔法を受け継ぐ三家だけ髪の毛に出るようだ、“結界魔法“を受け継ぐラドリディアン家は銀髪。王家の“治癒魔法“を受け継ぐアクリオス家は金髪。“付与魔法“を受け継ぐレスアゲート家は紺色。この色を濃く受け継いでいればほぼ確実に血統魔法を受け継いでいる」


「今までそんな大事なこと教えてもらったことなんてないわ」


私は無意識に疑問を口にしていた。


「ん?教える必要がないからね、実際選定の儀があるしそこでなら不明瞭なことが確実に目に見える。あくまでそう言う特徴であるだけで実際は違うこともある、君の瞳と魔力量のようにね」


アルフィン殿は自分の目を指差しながら、視線はこちらに向けず資料をパラパラと眺めている。


「こう言う事はしっかり研究してから報告するのが通例だけど、選定の儀でわかる事をいちいち誰かが調べるわけじゃ無いし、私も興味が無い事を調べるのは面倒だ。私には他に知りたいことが山ほどあるからね」


そう話す彼は、本当にこの事実に興味がないようだけど私にはかなり大事な話だと感じた。

そもそも彼以外の人は気にならなかったのかしら?


まぁ、私も自分の見た目なんてあまり意識してこなかったけど。


「でも、この話は研究者や上位貴族、王族の方の中では周知されてるっスよ」


「えっ、そうなの?」


お父様からそんな話、前の時も今も聞いた事なんてない。


「ただ、ノヴァ様も言っておられたんっスけど選定の儀がある分、目で見て判断する必要がないし、公女様の様な例や複数属性持ちだとあまり関係なかったりもするんっスよだから、公にはなってないんっス」


なるほど、確かに殿下は主に風属性を扱っているけど歴代最高の五属性使い。

そんな彼の瞳は濃い翠だ。

五属性全てが交わった色をしているわけじゃないからさっきの話と違っている事になるものね。

でも、しっかり研究すれば良い魔法論文が出来そうなのに、そんなことに興味がなさそうな彼を私は少しだけ呆れたように見つめた。


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