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魔力量平民以下、無属性で悪役令嬢にされた私。ループ百回目で光属性を得て神龍に愛されたので運命を変え、静かに生きます。  作者: 神崎桜夜
一章

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15 魔塔へ(2)

久しぶりにイレイナに会えるのも嬉しい。


「それから本題だが魔塔から返事が来た。明後日の午後に魔塔に訪問してもいいとのことだ。ユリネスとイレイナを連れて行くといい、二人をセレナの専属護衛騎士として任命しておいた」


二人が新しい専属護衛騎士なのは嬉しいが、ではアレスはどうなるのだろう?

そんな疑問をお父様に投げかける。


「お父様、二人が専属護衛騎士になるのならアレスはどうなるのでしょうか?」


お父様は少しだけ眉を寄せてチラッとアレスの方を見た。私もつられて横目で彼をみるが、この位置からでは私の一歩右後ろにいる彼の表情はよく見えなかった。


「アレスには別の仕事を任せたくてな、だからしばらくらセレナの専属から離れる」


お父様は一通の許可証を机の中から取り出しす。私はその光景を見ながら小さく頷く。


「そう、ですか。わかりました」


歯切れの悪い返事をしながら胸の奥に棘が刺さったような違和感が残る。

私が納得をしていないような顔をしていたのか、お父様は少し困ったような顔をしていた。


「頼みたい仕事がない時はこれまで通りお前の従者として仕事をしてもらう、だが今までよりは少し仕事を頼むことが増えるかもしれないが分かってくれるな?」


「……もちろんです」


アレスの状況が変わったのは、私が前とは違い周りとの関わりを広げようとしているからお父様が彼に仕事を頼むようになったのかしら?


そんな事を考えているとお父様が先程手にした許可証を、こちらに差し出して来た。


「さて魔塔の話だが、魔塔の現マスターは変わり者だと有名だ。だか、彼の魔法知識や構築に関してはこの国随一を誇る。学びに行くと言うからには投げ出す事なくしっかり学んできなさい」


お父様の目は少しだけ期待の色を滲ませ私を見据えている。せっかくの期待には応えたいとは思う。

でも、少しだけ距離が近くなったとはいえやっぱりあの時のお父様を思い出すとまだ小さなざわめきを感じてしまうから、今はお父様の期待に応えようとは考えず自分の成長のために許可証を受け取る。


「はい、お父様。ありがとうございます」


お父様との距離の変化に少しだけ心が弾んだがアレスと離れる寂しを感じ、心の複雑さに苦笑いを溢しながら私はお父様に一礼し、許可証を片手に書斎を後にする。


アレスは私が出る時に一礼していたが、なんだか私は彼を見れなかった。

彼が離れることに寂しさを感じた自分がまるで、兄離れの出来ない妹みたいで少しだけ照れ臭かったから。


そして、アレスはお父様に呼び止められてしまい結局さっきの話も彼に何も確認出来ないまま謎だけが残ってしまった。


アレスの水魔法以外が使えそうな含み。

お父様がアレスに頼む仕事。

前の人生では何も気づかなかった。


この先の未来を変えるためにも、魔力量や戦闘強化だけじゃなくて自分自身の事や周りの出来事を知っていかないと、私は知っているようで知らないことの方が多い事を改めて認識した。

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