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魔力量平民以下、無属性で悪役令嬢にされた私。ループ百回目で光属性を得て神龍に愛されたので運命を変え、静かに生きます。  作者: 神崎桜夜
一章

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15 魔塔へ(1)

そして次の日、お父様が無事に領地から帰ってきた。


「セレナ様、公爵様がお呼びです」


小説を読みながら部屋でゆっくりしていると久しぶりにアレスがやって来た。


「分かったわ」


マルセナたちには部屋に待機してもらい彼と二人でお父様の書斎へと向かう。

久しぶりに会ったアレスはなんだか少しだけ、疲れているような顔をしている。


「ねぇ、アレス。貴方、大丈夫なの?」


心配になり足を止め彼の顔を覗き込んでみるが相変わらずの無表情だ。


「セレナ様に心配されとは思ってもみませんでした」


「貴方は私をなんだと思ってるのよ」


私は心配少しと呆れを含んだ言い方をして歩き出した。


「冗談ですよ」


後ろから少し楽しげなアレスの声が聞こえる。

彼は私をちゃんと主人だと理解しているのだろうか?

私じゃなかったら不敬罪だ。

だけど、疲れているような気がしたけれど元気そうで良かった。


ふと領地での会話を思い出し彼に聞きたいことがあったことを思い出す。


「そう言えば気になっていたんだけど、アレスの使う水魔法は治癒や癒しの魔法が使えるの?」


「……なぜです?」


私は彼の前を歩いているから彼の顔は見えないが声色は少しだけ怒りのような拒絶が含まれている気がした。


「たいしたことじゃないんだけど……最近アリーの看病をすることが多いし、こないだ話した時にアレスの魔法で安定してきたって言ってたでしょ?でも私が知ってる水魔法に癒しの魔法なんてなかった気がしたからちょっと、気になって」


「そう、ですか。水魔法には癒しや治癒の効果はありません、別の魔法を使ってアリシア様を看病しているんです」


「え、アレス水魔法以外使えたの?」


アレスの言葉にびっくりして後ろを振り向くと彼は私の横を通り過ぎ、目の前の扉をノックした。

どうやら、話をしている間にお父様の書斎についていたらしい。


「セレナ様が参られました」


中にいるお父様にアレスが声をかけると中からお父様の「入れ」という声が返ってきて彼が扉を開ける。結局アレスに何も確認できないまま私は書斎に入った。


「ご機嫌よう、お父様」


私は書類に目を通しているお父様の前に立つ。


「あれから、体調は大丈夫か?」


「はい、問題ありません」


今までのお父様は私が書斎に来ても書類から目をぜったいに離さなかったのに、目の前のお父様は私を見ていた。


「そうか、それならよかった。イレイナも無事移動の手続きが終わってこちらに来ている、騎士団の宿舎に寄った後、セレナの部屋に行くよう言ってある」


「ありがとうございます、お父様」


目を見て普通に話が出来ていることが少し不思議な気持ちだった。

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