表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔力量平民以下、無属性で悪役令嬢にされた私。ループ百回目で光属性を得て神龍に愛されたので運命を変え、静かに生きます。  作者: 神崎桜夜
一章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

21/64

9話 いざ、領地へ(1)

部屋に戻って来てマルセナとミレッタに領地へ行く準備を手伝ってもらっている。

洋服や小物類など必要最低限のものをカバンに詰めていく。


「セレナお嬢様、こちらも持って行かれますか?」


「そうね、ありがとう」


持ち物を確認しながら詰めていると突然部屋の扉をノックする音が部屋に響く。


「はい、どうぞ」


私が返事をすると扉を開けて入ってきたのはアリーだった。


「お姉様……」


アリーの顔は何と言えばいいか分からない複雑な顔をしておずおずと部屋の中に入って来た。


「どうかしたの?」


私はチラッとアリーに顔を向けたが準備の手を止めず彼女に問う、でもアリーからは歯切れの悪い言葉しか返ってこない。


いったい、どうしたのかしら?


手を止めてもう一度アリーを見るとスカートの裾を握っては離しを繰り返し口を開いたり閉じたり目は私とマルセナたちに指示を出してリストを確認しているアレスを交互に捉えていた。


アレスに用かしら?


「アリー?何か用事があって来たんじゃないの?」


「ッ……ど、どうしてお姉様はお父様と一緒に領地へ行かれるの?危険なのよ?」


ようやく彼女は意を決したように私をその茶色い瞳に捉えて詰め寄る。


あぁ、私の心配をしてくれているのかしら?


「そうね、でも危険だからこそお父様に何かあってはダメでしょ?私の知識と結界魔法が少しでも役立つなら一緒に行く方がいいと思うの」


「でも、でも……お姉様は魔力量も少ないし」


アリーは少し言いにくそうに下を向く。私の後ろではアレスは淡々とリストを確認している。

マルセナは少し心配そうにチラチラとこちらを確認している。ミレッタは相変わらず気にせず少し楽しそうに準備を進めていた。


「えぇ、でも結界魔法は今の魔力量でも使えるから役に立つと思うわ」


何かしらの防御になるし、少ない魔力でも使えるのは前回の人生で知っている。


「……ッそ、それなら、私も行くわ!いいでしょ、アレス!アレスが行くなら問題ないわよね?」


何が問題ないのだろうか?


アレスに聞いたところでお父様が許さなければ行けないというのに。

アリーはリストを確認しているアレスの傍に行き可愛く見上げる。彼は確認していたリストから目を逸らし自分を見上げるアリーを見下ろし小さくため息を吐きながら頭を抱えた。


「はぁ、そうですね、私もセレナ様と領地に向かうのでその方が安全かもしれません。但し、ぜったい無理はしないとお約束ください、お約束頂けるなら公爵様に進言いたしましょう」


アレスは少し呆れたようにアリーに言い聞かせ、アリーは彼の言葉を聞いて自分の両手を祈るように重ねて喜んで見せた。


「もちろんよ!無理はしないしいつもの時間も守るわ」


どうして危険だと言っている領地に向かうと話しているのにアレスが居ればアリーが安全だと言えるのだろう?

2人の会話が少し腑に落ちなかったが話はいつの間にかまとまっていた。


「わかりました、では公爵様に進言して参ります。セレナ様、大変申し訳ありませんが少し席を外します。マルセナ、後は頼みます」


私とマルセナにそう声を掛けてアレスは扉に向かって歩き出す。マルセナは「かしこまりました」とアレスに頭を下げていたが私は唖然としてしまい何も言えないままアレスの背中を見送った。


「アリシア様はマリエッタと準備をしていてください」


そう言いながら彼は部屋の扉を開けては部屋を出て行った。


「ありがとう、アレス!」


部屋を出るアレスの後をアリーはパタパタと追いかけて一緒に出て行った。

えっ、アリーも一緒に行くの?

いつの間にかアリーも同行することになっていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ