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魔力量平民以下、無属性で悪役令嬢にされた私。ループ百回目で光属性を得て神龍に愛されたので運命を変え、静かに生きます。  作者: 神崎桜夜
一章

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8話 はじめて運命を変える分岐点(2)

「お、お姉様、何を言ってるの?お父様でも危険なのに魔力の低いお姉様が一緒に行ったらもっと危険よ!」


アリーは少し慌てたように私を止める、ちらりと彼女に視線を向け真剣な顔で思っていたことを言う。


「それなら、貴方が一緒に行けばいいわアリー」


前回の経験から出た言葉だった。


「えっ、そ、それは……」


私は間違ったことを言っていない、私みたいな魔力量より本来なら王族並の魔力を保持しているアリーがいったほうがぜったいに役に立つ。

彼女は現当主であるお父様よりも魔力量だけで言えばかなり多い、だけど彼女はこれから魔法を学び育てていく。


前回の彼女が領地を整備出来たのは怪我をしたお父様に一緒に教えて貰いながら力を調節して行ったのだ。

でもそれが出来るなら、今すぐに現地に行っても同じ事が出来るはず。

私の考えが正しければお父様と私の二人でも出来ないことはないとは思うけれど、多分アリーが一緒の方が危険が少なくなるのは確かだ。


けれど、お父様とお母様はきっとアリーが危険な場所に行くことを許さない。


「セレナの言いたい事はわかったがお前たちを守りながら領民の避難、洪水への対処をするのは難しい。今回は」


お父様の言葉を遮り身を乗り出して訴える。


「お父様、我儘を言っているのは分かっています。ですが、どうか私を連れて行ってください、私に考えがあります」


私がはじめて引き下がらないのを見て3人は驚きのあまり動きが止まっていた。


「……話してみなさい」


少しの沈黙の後お父様は真剣な私に応えてくれた。


「はい!アレス地図を」


「はい」


準備をしていた領地の地図をアレスが机の上に広げる。


「お父様!お姉様の話を聞くんですか?子供が行くには危険です!」


「分かっているが聞くだけなら危険はない、座りなさいアリー」


お父様の言葉にアリーは納得していなかったが珍しく彼女を嗜め座らせた。


はじめて、お父様がアリーではなく私の話を聞いてくれている、そのことに少し胸が熱くなる。広げた地図の上を指差しながらお父様に進言する。

どこで氾濫が起きやすくどの形で地形を変えどう防ぎ領民を素早く避難させるのがいいのか、効率的でかつ私たちの安全を考えたプランを話す。お父様は黙って私の話しを聞いていた。


「ですから、この位置で“オベクス“を使えば最適かつ、最速で領民の避難も川の氾濫にも対処出来ます」


「なるほど確かにそれなら上手くいきそうだ、だがここはどうする?」


お父様が指摘してきた場所はもちろん私も考えていたポイントだし、そこが前回も1番の鬼門になった所だった。


「はい、ですからこことここでほぼ同時に発動し流れを乱さず川の水を分けることが出来るはずです」


「なるほど、確かにそれなら上手くいくかもしれないな」


お父様の声色は少し驚いているようだった。

あの頃の私は、お父様たちに自分の意見を言うようなことはなかった。


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