06話
場所は代わってここはファミレス。
何の因果か、正面にはスプーン1つを携えてビッグバナナパフェにかぶり付く小さな少女が1人。
小脇にはポテトフライとチョコ&チーズケーキを装備している。
「あの~~そんなに量……食べれるの?」
「…………」
小さな口いっぱいにパフェ頬張りながらの無視。
「お~い?」
「……ふぅ~」
やっと一息ついて喋り始めるらしい。
口の周りいっぱいにクリームを付けたままでだが……
「だいたいあんたが私に余計なエネルギー使わせるからこんな事になったんでしょ」
余計なエネルギーって蹴りか?
蹴りからの横一回転を決めたあの流れか……。
「そして私を残して1人自転車で逃げようとしたのも悪い」
ジト目で言い放つ桜実。
んな事言ってもな……
あの場合はやっぱ帰るでしょ。
溜め息溢して水に手を付ける慧。
前を見るとこちらを睨み付けながらメニューをちら見する桜実。
まだ食うんかお前……。
そしてクリーム何とかしろ
「何とか言いなさいよ、バカ」
「とりあえず口の周りを拭いてくれ」
「…………ちっ!!」
必死に口の周りを綺麗にする桜実。見ようによっちゃ中学生か、へたすると小学生。
っつか舌打ちしたな………こいつ。
「と、とにかくあんたは私を家まで送り届ける、そしてここはあんたの奢りね!!」
「そ、そんな!!」
じょ、冗談じゃないぞ………マジで。
なんで俺が……。
「じ・て・ん・しゃ!!」
「え、えぇ?」
「べ・ん・しょ・う!!」
マジかよ……
可愛い見かけとは裏腹に淡々とプレッシャーをかけてくる桜実。
「くぅ……しょうが……ない」
俺の財布君~~~。
「情けない、男がパフェの1つや2つ」
居候の身にはキツイんだよ。
俺が1人葛藤していると、彼女はさっさと外に行ってしまう。
「ちょ、ちょっと待ってって」
「ほら、さっさと出しなさい」
「……はい」
本当に我儘だな……こいつ。
何はともあれ、やっぱ自転車は弁償しないとな。
はぁ〜、やっぱ何かバイト探さないと……。
毎度毎度、話の長さが違ってすいません。