04話
高飛車な彼女に先導される事15分。
途中で軽く道に迷ったりもしたが、何とか目的地に到着した。
「ったく何で道に迷う訳? あんたバカ?それとも……バカ?」
いやいやでもでも、君の案内通りに進んだんだから俺の責じゃないでしょ。
そして二回もバカって言いやがったな。
「……何か言った」
小柄な彼女は呆れた様な鋭い目で俺を下から見てくる。
か、軽く恐い……。
「な、何でもないです」
…………しっかしあれだな。
俺……この娘相手にまったく拒絶反応起こさないな。何でだろ……
そしてそして、到着するまで気付かなかったが目的地というのは俺と同じ場所。高校だった。
俺がその旨を彼女に伝えると……。
「はぁ? あんた私の制服見て気付かなかったの? やっぱ、あんた相当のバカね」
……君の容姿があまりにも小さくて分からなかったんだよ。
俺が小声でボソッと言うと、彼女の小さい耳がぴくっと反応してこちらを向いた。
「……何か言った?」
「い、いえ何も……」
ちょ、超絶地獄耳だ。
「まあ良いわ、それじゃ私行くから。また縁があったら会いましょ、じゃあね」
そお言うと彼女は小さく華奢な体を動かして走って行ってしまった。
「あ、ちょっと名前を……」
俺がそお言う頃には、あの娘の姿は自分のクラスを表で確認する生徒の群れの中に消えていった。
名前ぐらい聞きたかったのにな……。
まぁ、学校は同じなんだ。また何時か会えるわな。
人生ポジティブに考えたい俺は気分を切り替え、自分のクラスを見に生徒の群れに突っ込んでいった。
時は過ぎて、ここは教室。
学校の外で表を確認してみると、俺は1年3組。
この学校でいう所の1階の教室でなかなか奥にある場所。
教室の中に入った俺はというと、特に座席指定もされてなかったので、窓側後ろから1番目の席に座った。
……何故か都合良く空いてるんだよな。
さっすが主人公…………かな?
そんなこんなで、そろそろ何かが始まるのか、皆が教室にぞろぞろ集まりだす。
とりあえず、暇だった俺は前の席に座っていた見ず知らずの男の子と話していた。
「俺の名前は真幌見祥吾。席も近い訳だしよろしくな」
「俺の名前は堂本 慧、こっちもよろしく」
お互いに軽い会釈。
この真幌見祥吾、気さくで誰とでも仲良く出来そうな雰囲気がある。あと限りなく……イケメン。
……といよりかは、女子受けしそうなカッコイイよりか可愛い系の顔をしている。
髪もけっこう長く、中性的な顔をしていてパッと見て女の子かと間違う程に。
まぁ……どちらにせよ
軽く嫉妬してる感情は気のせいだろうか。
そんなお互いの自己紹介何かをしあっていると担任らしき人が教室に入って来た。
「ほらほら皆座れ~、全員いるか~~」
皆がみんな、空いてる席に座り始める。
「よぉ~し、皆そろってるな……」
ガッターーン!!
いきなりだった。
担任が今にも出席をとろうとする際に、誰かが扉を強く開けて入って来た。
「ハァハァ……ま、待ってください。まだ……ハァハァ……いますぅ」
「……えぇ~~」
俺は思わず小さく驚きの声を出してしまう。
その息切れしまっくている高く子供っぽい声に聞き覚えがあった。
「なんだ、入学式早々遅刻か?」
担任が怪訝な顔つきで問いかける。
「い、いえ学校には着ていたんですけど……道に迷って」
その学校でさえ道に迷う様なドジな所にも覚えがあった。
「……まぁ、いいだろう。とりあえず座れ」
「あ、ありがとうございます」
皆からの視線が痛いのだろうか。
ただでさえ小さな体を余計縮ませ、顔を真っ赤にしている。
その華奢な体つきや可愛らしい容姿にも見覚えがあった。
「えぇーと……あ!」
空いてるいる席が何処か探している最中に俺と目があった彼女。
何故か凄くこちらを睨みながら歩いて来る。
そんな誰もがひるむ様な異様な迫力も感じ覚えはあった。
「……よし、桜実 怜が来て全員揃ったな」
担任が告げる名前。……聞き覚えの無い名前。
“桜実 怜”
それが彼女の名前。
そんな桜実 怜は唯一空いてる席、俺の隣の席に腰を下ろした……とさ。
余談
「なるほど……」
隣に桜実が座って、俺が物思いに耽っていると前の席のショウゴが後ろを向いて小声で話してきた。
「怜ちゃん……萌え要素満開だ!!」
……こんな友達と自己紹介しあった覚えも無いんだけどなぁ~~。
この長い題名の小説、略してラブチェリに意見やご要望や感想などがあったらドンドンお願いします。
小心者なので暖かいメッセージなど待ってます。
それでは“あとがき”
以上でーす。