テビレとがじゃいも
やわらかな小さな手が折り紙を
無心に折りたたみ「できた!」と言う
とても何かだとは見えない不細工な塊は
何ができたのと聞くと
満足げに「テビレ」と答える
具だくさんのスープを
小ぶりの木のスプーンで
小さな口に運びながら
「がじゃいもすき」
と無敵の笑顔で告げる
このかけがえのない存在が
「テレビ」と「じゃがいも」と
当たり前のように言う頃には
そんなことさえ話さなくなる頃には
どんな風に成長しているのだろう
取り巻くのはどんな世界なんだろう
そして私はどんな風に生きているのだろう
平和でありますように