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ᓚᘏᗢ 失われた温もりと猫のみエクゾダスの妨害 ᗢᘏᓗ

作者: 山目 広介

 2023年1月下旬。

 Bちゃんが遂にメシを食べなくなった。

 それまでは無理やり食べさせていたのだが、これはやばいと思った。

 月末、いや週末までもつだろうか……。


 その夜。

 家族が抱いて寝ている時に異変があると連絡してきた。

 しばらくして見に行くと、もう硬直が始まっていた。触ると布団の中にいたために温かく感じた。だが猫の体温はもっと高いことを知っている。

 当然ながらお腹を見ても上下しない。

 薄目を開けていたが閉ざすことができなかった。




 まだいい方だったのだろう。

 他の子は、行方不明や薬を与えてケージの中で。また、家の裏の柵に引っかかって。近所の家と塀の間で。

 後は獣医へ連れて行ってから冷たくなって帰って来た、とか。

 それらに比べて。

 家族に抱かれて逝けたのだから。




 翌日。

 そういえば、ノミが逃げ出すかもしれないと思い至った。

 某ひぐらしのなく頃に解とかで死体からウイルスだかが検出されないから生きたままの脳を解剖したいとかいうような感じで言っていたのと、他の番組とかでも似たような状況でのことを聞いた気がする。

 死体だとノミも血も得られなくなるし、変温動物である昆虫だと温もりも冬ならば得られない。他へと移るのは当然だと考えた。


 去年、薬が効かずにノミがいたことも、亡くなった猫から逃げ出すことも前日では気が回らなかったのだ。亡くなったことに少なからず衝撃を受けたから。

 実際に半日ほど経過したあたりで、遺体のタオルを剥がすとノミが溢れていた。

 他の猫に移ったりするのを防ぐため、ガムテープとピンセットで捕獲して殲滅していく。

 遺体をひっくり返し、包んでいたタオルを剥いで、潰していく。

 弱っていたBちゃんから血を、栄養を、命を、奪っていた恨みをノミへとぶつける。

 最近はお腹とか見ても見つけられなかったのに、結構いた。

 数十匹はいたんじゃないだろうか。




 火葬場、斎場へと連れていくと千円だった。

 それでお仕舞。ただ帰るだけ。

 他のペットとかと一緒に纏めて焼くため、骨なども拾えないし、そもそもその日のうちに燃やしたのかも分からない。






 一番古いBちゃんの写真。

挿絵(By みてみん)

 最初、大雑把に言って白猫だと思っていた。


挿絵(By みてみん)

 これもかなり白い方。瞳が大きくて、かわいい。いつもビックリしたような表情だった。


挿絵(By みてみん)

 キジトラのような模様だったのだが、色が薄い時期の写真。

 色が濃い状態の写真が手元にないみたいだ。

 弱っているのは載せたくないので、これだけかな。




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― 新着の感想 ―
[良い点] "ガロワのソラの下で"の作者です。感想ありがとうございました。リンクから来ました。 私も幼い頃、田舎だったもので、最大でイヌ3匹、ネコ2匹、ニワトリ5匹を飼ってました。 この作品を読んで、…
[良い点] なんて綺麗な猫ちゃん……( ノД`) どうか安らかに。 [一言] 家族の前で亡くなる子って本当に少ないですよね……。
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