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りっちゃん先生と魅惑の放課後

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 僕が口を開く寸前に一瞬だけ、彼女の表情は、シャボン玉のように指で触れただけで、弾け飛んでしまいそうな弱い微笑みを浮かべたのを見逃さなかった。




 それでも、僕は自分の言葉で彼女へ想いを語る。




「…りっちゃん先生は間違えています!!教師は先生である以前に人間です!!例え、僕へ叱った事が自分の感情を先行させていたとしても…自分はその理由に納得しました!!だから、教師を辞めようとしないでください!!!!」




 ——最後に彼女へ送った言葉は、無意識に自分の心から出ていた物だった。




 作者の僕が、東雲律子先生をドジっと真面目な性格のキャラにした。アフロディーテの推測通りならば、彼女の設定上…僕に惚れた自分を追い込み、辞職する可能性さえ思い浮かんでしまったからだろう——




「今の私に優しくしないでください…!!希望を持たせないでください!!私は生まれてきて…何をやってもうまくいかないです!!真面目な上に空回りばかりです!!月夜さんや花山さんみたいに可憐でもない…!!如月君の様な鋼のメンタルも持っていない!!第一、自分の生徒に優しくされただけで、惚れてしまった私はぁ!!」





 ——彼女にこんな想いをさせたのは誰だ? 僕だ。彼女に勘違いさせるような行動をした結果…追い詰めてしまった。だけど——今はその罪を精算をすべきではない!!






 全身を震わせているりっちゃん先生を何も言わずに強く抱きしめる…。きっと、彼女はこんな僕を慕ってくれる月と太陽と自分を比較していたんだ…。





 ◆◇◆◇




 暫くすると——恥ずかしくなってきたのか…りっちゃん先生は、僕に恐る恐る距離を取る。積極的に行動していたはずの彼女のそんな照れる姿がとても愛しい。





 しかし、僕も恥ずかしくなってしまい…教室のカーテンを開け、太陽の姿を出し、話を逸らす。





「りっちゃん先生、ご覧の通り、太陽と月は綺麗です。しかし、太陽にも月にも必ず陰りが出ます。それはなぜだかわかりますか?雲があるからなんです。僕からしてみれば、先生は雲で、僕達の上から成長を常々見守ってくれる存在で、あなたも()()()()です…。どうか、これからも()()先生でいてください…」




 ——りっちゃん先生に辞められては困る。もちろん、彼女を利用しようなどと悪辣なことは考えていない。ただ、純粋に彼女が好きだからだ…。

『主よ…。コレからもどんどん女子を堕として、妾を楽しませるのじゃ』

 ——アフロディーテに褒められたとか………なんかすごい悪いことしてる気がしてきた。



 ◆◇◆◇


 先程の言葉を発した瞬間——僕の身体に四度目の力が漲る感覚が訪れる。





 少し話は変わるが…僕の設定通りならば、この女堕めすおちの奇跡魔法の使い方は、至って単純で、純粋にオールステータスの上昇…つまり、戦闘に必要な体力、素早さ、防御力、攻撃力等の全てが向上する筈だ。

 ——故に時間はかかるものの、アフロディーテは最高神で、立派な()()()級に最強の奇跡魔法だ。




 現段階で…四人も堕としているので…僕自身はかなり強くなっていると思う。魔王やその幹部達の強さと肩を並べるには程遠いが、それ以下ならば、充分に戦闘で圧倒できるだろう。


 ◆◇◆◇



「今、私の事を()()()()って言いましたね?言質は取りました!!きちんと親御様に今から説明させて頂きます!!今から、家庭訪問と結婚の挨拶に行きますよ!!」

 ——りっちゃん先生を女堕めすおちさせた時点で可能性は考えたけど…まさか、大事な人=恋人だと勘違いさせてしまった…!?!? 僕としては、すごく魅力的だし、そ、そ、その夢が詰まってそうな胸とか…でも、いくらなんでも結婚の挨拶は早すぎるような…?

『皆の者〜皆の者〜童帝様じゃ〜』

 ——アフロディーテ、表出ろぉぉ!!!





 りっちゃん先生がやや早口に捲し立てながら、右手を僕の方へと伸ばそうとした時——彼女の足が何かに躓いてしまう。




 ——あ、手紙…僕の机から…落ちてたんだ…。でも、手紙で躓くとは…恐るべし…!!




 その刹那——椅子に腰掛けていた僕の肩に両手を置き、踏ん張ったおかげで転ばなかった代わりに…お互いの吐息があたる至近距離の体勢になる。




 ——りっちゃん先生の目を瞑り、そのまま真っ赤になっているであろう僕へゆっくり近づいてる!?——

『良いのじゃ!!このチキン奥手契約者には、積極的な女子の方が合うのじゃ!!かっ飛ばすのじゃー!!』

 ——野球観戦するおっさんのような実況するなぁ!!




 そんな心のツッコミと共に距離が近づく度に、僕も受け入れちゃえ——とヤケクソになりそうになったところで…教室の扉が勢いよく開かれた。




 油が少なくなったロボットのように、ギギギとゆっくり、扉の方向へと首を向けると…扉を開けた人物は、()()()()だった。

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