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記憶のない僕らは  作者: 青山 立
第14章 国立第四脳科学研究所と国立農場
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(019) Area 29 Treasure 燃料

 --燃料-- #カイ


 研究室から出ると、廊下の電気が消えていた。研究室に入る前には廊下に電気が点いていたはずだ。僕が天井を見ていることに気がついたのだろう、北田さんが照明について、腕時計を見せながら説明してくれた。


「照明は、自動で消えたんだよ。共用部分は八時になると一斉に消灯されるようになってるんだ。ほら、今、八時二分だから間違いないよ」


 非常灯だけが光る暗い廊下に、僕と北田さんの足音が響く。僕はポケットに手を突っ込みライターを握った。お守りというのは本当なのだろう。ライターを握っているだけでバタバタとしている心が静まっていく。エレベーターに乗ると、北田さんが六階のボタンを押した。


「今のうちに、ここのネットワークについて説明しておく。この建物内にいる間は、施設のネットワークを介してしか外部ネットワークに接続できない。モバイル端末への電波も遮断しているから、電話やメッセージのやりとりも施設のネットワークを介さなければできない。施設のネットワークに接続するためには事前に端末や機器を登録しておく必要がある。つまり、君の目に埋め込まれたレンズは登録されていないから、この建物内にいる限りは博士に検知されることはないはずだ。私の端末は施設のネットワークに登録済みだから、MCUの内部などの建物内の一部を除けば、問題なく使用できる。ただし、君のネットワークを遮断するカードは今も機能している。カードを介してネットワークを遠隔操作で遮断しているのではなく、カード自体に電波に干渉する機能がついているようだね。だから、できる限り私から離れて歩いてほしい」


「わかりました」


 六階でエレベータを降りると、迷路のような廊下を建物の奥へ奥へと進んでいく。建物の中心部分に向かっているようだ。


「ここだ」


 北田さんが立ち止まったのは、薬品庫の前だった。


「ここにある薬品をMCUの近くに持っていって爆発に使うんですか?」


「惜しいね。薬品を爆発の燃料にすることは合っている。しかし、薬品を運び出すには時間がかかる。だけど、都合がいいことに、MCUはこの薬品庫の真上に設置されている」


「もしかして……。薬品庫ごと吹き飛ばすんですか?」


「正解! この薬品庫にはありとあらゆる薬品が、縦方向に最大限の破壊力をもって爆破するように、もっとも効率よく並べてある。ミエと私は長年かけてここの薬品庫の管理者と協力して保管する薬品の種類や量を調整してきたんだ」


 



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