表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

短編ストーリー

作者: たいやきjp

あるところにおじいさんがいた。

そのおじいさんは人間不信でここらの地域では有名だった。

近所の人がお土産にお菓子を持ってきても、毒や催眠剤が入っているのではないかと疑い食べようとはしなかった。

また、ある時は木こりを手伝って欲しいと頼まれたが手伝っているうちに他の仲間が金品を奪いに来るのではと疑い、手伝わなかった。

そうしているうちに、だんだんと孤立していった。

ある日、おじいさんは山の果実を取りに行った帰り道、

一匹の犬を見つけた。

その犬はひどく汚れていて、怪我もしていた。

おじいさんは犬にゆっくり近づき、採った果実を与えた。

けれども犬は食べなかった。

むしろ、体は震え警戒しているようだった。

だからおじいさんはそれ以上関わらないで家へと帰った。

翌日もまた果実を取り、帰ろうとするとそこには昨日の犬がいた。

相変わらず汚れているが昨日のよりは元気そうだった。

またおじいさんは果実を与えた。

今度はすぐに食べ始めた。

おじいさんは犬の頭を少しだけ撫でた。

四日ほど経った頃だろうか。

いつものように果実を与え終わると、犬が脚を引きずりながら付いてきた。

おじいさんは犬を抱っこして帰ることにした。

家に着くとさっそく脚の手当てをし始めた。

幸い、傷がそこまで深くなかったので安静にしていれば普通に歩けるようになるだろうと思った。

囲炉裏で鍋を作り一人で食べる。

電球が弱い光だから、囲炉裏付近しか明るく見ることはできない。

寂しい夕食だ。

いつも聞こえるのは、おいらの咀嚼音とグツグツと煮える鍋だけだった。

でも、これからは違う。

四つある座布団の二つが埋まっている。

一つはおいら。もう一つは新しい家族。

なんだか今日の鍋はいつもより美味しい気がした。

 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ