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静かな混沌
真夜中・・・。
それは静かで、孤独感に溢れ、自分の感情がわからなくなる時間だった。
感情が分からなくなる。
そう、分からなくなってしまう。
どう言うことか。僕もわからない。
無理をして適切な表現を探す。
強いて言うならば、「静かな混沌」という表現が適切なのかもしれない。
どういうことか。
沸騰している水の粒子のように「喜怒哀楽」に感情が飛び散っておらず、しかしそれが感情の場合、混沌だったりするのかもしれない。感情という何かがただじっとしている。どこの場所にも行けてない。ダーツで言う、ど真ん中に刺さった感じなのだろう。
真夜中はそのような感情に溺れる。なぜかは自分でもよくわからない。
しかし、このような感情が好きだった。夜中でしか体験できない感情だったから。学校に行ってクラスにいたらこんな良い経験はできない。落ち着かないから。
「真夜中」と言う存在は僕の唯一の味方だった。
本当の「自分」を曝け出せる存在だった。
僕の遊び相手はいつも真夜中だった。
「かわいそう…」
誰かが言った。
数十秒黙り込む。
もう一人の自分だったことに気づいた。