表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/12

本当のプロローグ

今回は半分くらい説明になっちゃってます。

うむ・・・新しいスキルの説明をする前に、報告がある。


少し前に称号をとりあえず真の中二病にするといったが、あれは一旦保留になった。

理由は称号をエルフにする必要があったからだ。

というのも、私がこの森で動物に出会わなかった理由。どうやらこの称号が原因らしい。この称号の【森に愛されし者】というスキルが案外便利だったのだ。


森に愛されし者・・・森フィールド内にいる時に限り敵と戦闘にならなくなる。


そもそもそれに気づいたのはスキルを考え始めてすぐ。やけに周りが騒がしいなと思い周りを見渡すと、見たことのない鹿の頭をした鳥に襲われてからだった。

今まで散策中に全く動物に出会わなかったにもかかわらず急に現れた敵に、動揺した私だったが、ナイスなひらめきでこのスキルの存在に気付き急いで称号を戻した次第なのである。


ちなみに称号を戻した瞬間、その謎の鹿鳥は私に興味をなくして去っていこうとしたので、後ろから奇襲して木の棒で滅多打ちにして倒した。罪悪感はあまり湧かなかった。流石に空腹も限界にあったし、目の前にある食料をみすみす逃すほど私にも余裕はなかったのだ。


まあそんな事情から、落ち着いてスキルを考えるためにエルフに戻したのである。


前置きはこれくらいにして、今回私が取得したスキルについて説明しようと思う。それと鹿鳥に襲われた時に本気で死にかけたのでステータスも多少弄った。


ステータス


名前 島崎 みちる

表示名 なし

種族 【エルフ】

職業 【旅人】

レベル 2

装備 木の棒(物攻+10)

称号 装備中【エルフ】

「主人公」「迷子」「真の中二病」


HP 95/100⇒1000/1000

MP 30/30⇒70/100

満腹度 100/100

物攻 25⇒100+10

魔攻 30

物防 20⇒300

魔防 30⇒300

速さ 40⇒45


残りステータスポイント 4908


潜在スキル【痛み耐性】【森に愛されし者】【空間把握Lv30】【木こりLv15】

スキル 【フレアLv5】【設計士Lv20】【大工Max】【大工マスターMax】【投擲Lv30】

残りスキルポイント 1764



ざっとまあこんな感じである。

少ないと思うかもしれないが、ゲームのステ振りは慎重な方がいいという独自の判断で最低限のスキルを取ることにした。ちなみに防御力をめっちゃ上げてるのはさっきの鹿鳥事件がトラウマになりかけたからではない。断じてない。

それとステータスポイントについてだが、レベルが上がると2ポイントもらえるようだ、それとは別に、夜中に1ポイントもらえたのだが、これについてはまだ詳しいことはわかってない。真夜中に気がついたら1増えてたって感じだったから、一体何が原因かは不明である。まあそのうちわかると思うので今は放置でいいと判断した。

それと重要なことだが、レベルが上がってもステータスは上昇しない。これでますますステータスポイントを慎重に使わなくてはいけなくなってしまったわけだ。実質自分を鍛えるにはステータスポイントを振るしか方法がないわけだからね。


おほん。

それじゃあ詳しいスキルの説明をしていくことにする。

今回新しくとったスキルは7つ。次の通りだ。


空間把握・・・レベルに応じて自分の周りの空間の物体、生き物などを把握することができる。30/レベル制限なし

木こり・・・木をスムーズに伐採することができる。15/30

フレア・・・消費MP 30 威力補正 9

前方に炎を噴き出す魔法。低確率でやけど状態にする。5/レベル制限なし

設計士・・・建物の設計図を作ることができる。20/50

大工・・・作業道具を使い木造の建築をすることができる。30/30

大工マスター・・・建築フィールドを形成しその中で自由に木造建築ができる。建築フィールドの広さは空間把握レベルに比例する。30/30

投擲・・・目的に向かって物体を投げることができる。30/レベル制限なし


こう書くと色々増えて大変に思うかもしれないが、どうということはない。実際に使うスキルはフレア、大工マスター、投擲だけである。


それ以外のスキルは、大工マスターを取るためにとったに過ぎないスキルだ。なのでこれからは、上位互角だけを表示する設定にして、条件スキルは非表示にしておくつもりである。じゃなきゃいちいち覚えていられない。気になった時にでも表示すればいいし、今のところは、このステータスで様子見である。これから暮らしていく上で必要になったら、ステータスなりスキルなりを上げていくことにしようと思う。


ちなみにだが、さっきの鹿鳥はフレアで起こした火で焼いて食べた。不思議なことに豚肉のような味がしたことにすごく驚いた。そのおかげかは知らないがガリガリと減り続けていた満腹度は100になり、ついでのようにHPが回復し始めてMaxに戻った。おそらく回復条件でも満たしたのだろう。これも後で検証する必要がありそうだ。


そんなことを考えながら、私は大工マスターの建築フィールドを使い自分の家を組み立てていた。


「やっぱり囲炉裏タイプの方がいいよねえ。これからしばらくは焼く以外の料理に手をつけられるとは思えないし、だからといってコンロを作れるだけの知識もない。」


そう考えると、なんとなくで作れそうな囲炉裏はなかなかいいアイデアかもしれない。部屋で火を炊くわけだから天井に煙を出すための穴を開けて・・・あ、この形じゃ雨の日とか水入っちゃうか。ならここを・・・





こうして私の人生初めての家づくりは順調に進んだ。

建築フィールド内では、確定を押すまで材料は半透明なので、全体を見渡せて便利だし。どうやら保存もできるようなので、素人の私でも簡単に家を建てられる。


途中称号を外して鹿鳥をおびき寄せたりして食糧確保をしたりしたがそれはここでは省略する。


「うし、こんなものかな!」


数時間後、私の前には立派なマイホームがそびえ立っていた。


見た目はこじんまりしているが、1人で住むには十分すぎる広さである。部屋は3部屋、正面入り口すぐに囲炉裏が置いてあるリビングがあって、その奥に二つ扉が並んでいる、一つは寝室、もう一つは倉庫になっていて、そこからも外に行ける扉をつけた。


さらにその奥には私が森を一望した滝の川が流れていて、それを利用した簡単なトイレも作ってある。最初トイレは家の中に作ろうかとも思ったが、処理や衛生面での手間を考えて少し遠いが川の方にトイレを作った。


そして、家から川までの空間は、できるだけ丈夫な柵で覆った。柵のさらに外には簡単だがトラップを設置して鹿鳥の確保を試みている。


木に丈夫な蔓をぶら下げて首を絞めるだけの簡単なトラップだが、数うちゃ当たるの理論でぶら下げまくった。捕まらなかったらまた新しい罠を作ることにする。


そして、私の家からトイレまでの微妙に空いた空間に関しては新しく農業系のスキルを取得して畑を作ることにした。そのために【農民の鏡】の称号を新しく作った。初めての称号作成である。主な追加スキルは次の通りである


潜在スキル 【痛み耐性】【植物判断】【植物への愛】【魅惑のクワ使い】

スキル 【スプリンクラーLv30】


植物判断・・・植物が食べられるかどうか判断することができる。

植物への愛・・・管理内の植物の成長率が上昇する。

魅惑のクワ使い・・・耕した土の栄養率が上昇する。

スプリンクラー・・・レベルに応じて広範囲に水を撒くことができる。30/レベル制限なし。


簡単に言えばこの称号をつけている間は植物がめっちゃ育つ称号である。ちなみに消費HPは400だった。スキル一つにつきHP100の消費という計算である。


それと称号の名前を最初につけるのだが、その時に自動でユニークスキルというのが付くらしく、それに関してはほかの称号に付属することができなかった。


条件に関してはまだわかっていないが、農民の鏡のユニークスキルは魅惑のクワ使い、迷子はワープ、主人公は女難の相、エルフは森に愛されしもの、中二病に関してはおそらく称号作成だ。魔法創造は、獲得の条件が厳しすぎたがちゃんとスキル一覧に存在した。


まあそんなわけで柵も作ったし称号を農民の鏡に変えて私の新生活が開始されたのであった。







ここからは本当にざっくりとその後の私の生活について語ろうと思う。


え? いきなり話が飛びすぎ? 仕方ないよ、特に面白い話などなかったのだから。


はじめのうちはよかったのだ。ちょっとした秘密基地で、自分ひとりで生きていくという、割と楽しい行事に胸躍らせていた。


でもそう思えていたのは最初の1年くらいだけだった。それでも持ったほうだと、今の私は思う。


そもそも今までこんなに長く一人で過ごすことなんてなかったのだ。

安全な日本のごく一般的な家庭に生まれた私にとって、その生活は結構堪えた。もともと多かった独り言は、日増しに増えて、そのうち一人で数人分の会話ができるようになった。・・・できるようになったというのは、少し語弊があるかもしれない。そうしなくては、私の精神が崩壊していたのだから、死に物狂いで修得したといったほうが正しい。まあ、一人お遊戯なんてスキルは、この世界に存在しなかったわけだが、そこは魔法作成で、分身の術的な何かを作って、気分だけでも他人といる気分にするなど、結構工夫をした。そんなことをしても、私の精神はひとつだから、独り言以外の何物でもないのだが・・・


そんな感じで私は最初の一年で一人遊びのプロになった。・・・いや変な意味では無く。




どこの誰の言葉かは忘れてしまったが、人は一人では生きていけないと言っていたが、その通りなだと思った。


いきなり何を言うんだと思うかもしれないが、聞いてほしい。


生きるだけなら、自分のスキルでどうにでもできた。しかし心はそうもいかなくて、だれもいない家の中で囲炉裏の火を見つめ、木造の家のにおいを感じて、日に日に制度を増す耳から拾う音を聞き続けるという生活を4年も繰り返した後に、ようやく私がたどり着いた心理だった。

命があっても、心が死んでいくのだ。



もちろんその間に、遠出をして人間を探しに行くこともしたが、残念ながら人どころか同じエルフにすら出会うことはなかった。


「もしかしたら私はこの世界で最初で最後の人間かもしれない。」


ぶっちゃけ半分あきらめている私がいるのだが、そのたびに自分で自分を励ます日々である。もう答えが決まっているのに相談するメンヘラ女子並みにめんどくさい自覚はあるが、自分で答えが決められる分、まだメンヘラ女子のほうが救いがある。そもそも私には、生きるか、死ぬか、の二択しかないのだ。生きるためならどんな恥だって忍んでやる。


そしてこの4年で私のステータスはこうなった。



名前 島崎 みちる

表示名 なし

種族 【エルフ】

職業 【森の賢者】

レベル 87

装備 ミスリルクワ(物攻+800)

   モンスの毛皮(物防+300)

称号 装備中【真の中二病】


HP 12000

MP 5000

満腹度 100/100

物攻 1215+800

魔攻 500

物防 1022(300)

魔防 912

速さ 100


残りステータスポイント 4092


潜在スキル【魔法創造】【称号作成】【精神ダメージLv1】

スキル 使用履歴新着8件 【フレアLv200】【大工マスターMax】【投擲Lv50】【指定ワープMax】【魔道具マスターMax】【鍛冶マスターMax】【親父ギャグの達人】【腹話術Max】ets…

残りスキルポイント 623



多すぎるせいでステータス画面が大変なことになっていたので、ステータス画面をいくらか編集した。あまりにも数が多かったためほとんどのスキル、称号は表示していない、使うときにその都度説明することにする。


さて、気づいた方もいると思うが、ステータスポイント、結構増えている。スキルのほうは条件スキルを省略しているのでわかりづらいと思うが、そちらも結構増えている。


というのも、最初の一年あたりで気が付いたのだが、ステータスポイントは一日一ポイント、スキルポイントに関しては三日に一ポイント、そしてそれぞれ不定期でステータスポイントは10~30、スキルは1~5ポイントゲットできる。

原理については不明だがそのおかげで私は結構余裕をもってポイントを使用することができている。それでもスキルポイントは結構厳選して使う必要があるが・・・え? いらないスキルが混じってるって? それはもしかして親父ギャグと腹話術に関してだろうか?


言っておくが、この二つは私がスキルポイントを振って手に入れたものではない。毎日やってたら勝手に増えていたのだ・・・


おい、かわいそうな者を見る目でこっちを見ないでほしい。泣きたくなってしまう。



・・・何年もこの世界にいて気が付いたのだが、どうやらこの世界、何でもかんでもスキルにカウントされるらしく、普段やっていることがいつの間にかスキルになっている、なんてことがよくある。

それでもポイントを振ったほうが早いのだが、おかげで結構スキルポイントを節約できている。これからは特に必要ではない限り自力でのスキル修得が好ましい。そうすればスキルポイントでしか習得できないスキルにポイントを温存できる。


そんなわけで簡単にだが私の4年間の成果を報告したわけだが、4年もこの世界にいた割にこの世界のことについては森がいっぱい! ということ以外は何もわかっていない。というのがわかっていることのほぼすべてである。


「あと必要なのって何だろう?」


そんな現状をこの先ずっと続ける勇気は当然私にはなかった。


だからこそ私は、4年も住んで結構愛着も沸いているこの家を出て、旅に出ることにした。

こちらもかなりの勇気を必要とする行動だったが、このまま何一つ生み出すこともせずに、ただここで死んだように生きるのは、きっと主人公らしくない。そんな思いも後押しして私はこの家を巣立っていくのだ。


「ここもずいぶん立派になったなあ。」


自分の家を見てしみじみ思う。

初めは結句広いと思っていた家も、そのうち手狭に感じて増改築を繰り返した結果、ちょっといいお屋敷ぐらいの広さになってしまった。もちろん貯蔵庫の広さもかなりのものになり、荷物をすべて持っていくことは不可能だったため、必要なものはまた取りにくればいいと、必要最低限のものをカバンにつめる。ちなみに戻るときに使用するのは、指定ワープである。


指定ワープ・・・一度行ったことのある場所にワープすることができる。一日3度以上使用できない。


ワープではなく、指定ワープである。そこのところは、間違えないでいただきたい。


説明を見てわかる通り、どこかのポンコツワープとは違い、ちゃんと行きたいところに行けるのである。一日3回しか使えないが、旅先からここにきて荷物を持って帰るには、十分使える優秀なスキルである。

このスキルの取得には結構なスキルポイントを消費したが、いい買い物だった。おかげで、比較的少ない荷物だけをもって出発できる。


とりあえず愛用のクワ、釣り竿、木で作った人形(私の唯一の友達である、ちなみに元の世界の自分の愛用の人形をモチーフにしている。似ているとは言っていない)そのほかに小物を少々と、あとは詰められるだけ保存のきく食料を詰め込んだ。


「いよいよだね。」


一通り荷物を詰め込むと私も家に乗り込んだ(・・・・・・・)







私が旅をするうえで、一番の問題は目的地だった。


先に述べたように、私はこの四年で何度か人探しの旅に出たのだが、そこでわかった事実がある。

私がいるこの森、実は馬鹿でかい島だったのである。これがわかったのは私が持続飛行という、空を飛ぶスキルを手に入れて、あっちこっちに行けるようになってからだった。


意気揚々と旅に出たのに、行きつく先はすべて海、海、海である。しかも、知的生命体の影も形もないのだ。

こうなったら海を渡るしかないと、大工マスターのスキルを応用して、移動式ハウスを作成したわけである。もちろん船を操作するための【船長】の称号も作成済みである。スキルに気候把握があるので、天気もわかっちゃう強い味方だ。

そんなこんなで二か月の準備期間を経て、こうして出発の日を向かえるわけである。


「我ながらなかなかの力作。」


本物の船とか見たことないから、比べる相手もいないが、自分の作品をほめる相手もいないのだ、自分で自分をほめたって罰は当たらない。

しかもこの船、魔道具で動く優れもので、MPを300ほど注げば二日くらいなら動き続けるという優れものである(ちなみに自然回復には半日かかる)。そもそもこれがなきゃ手漕ぎになるのだから、【魔道具マスター】のスキル様様である。高いスキルポイントを使った甲斐があったというものだ。


魔道具マスター・・・魔道具を好きに作り出すことができる。




船に乗り込むと、陸と船を繋ぐ足場をしまい、船長室に入る。船長とか言ってもこの船の乗員は私一人だ。でも、気分は大事だと思って、ちゃんと入口に【船長室】と書かれた札をかけておいた。


今いるのは私の家の近くの滝のすぐ下、ほかの川と合流している比較的大きな川である。上流だとまだまだ水位が足りないが、ここからぐんと深くなって、川までまっすぐいけるということでここを出発地点に決めた。


「いよいよ・・・か。」


これから私は、新天地と知的生命体をもとめて旅に出る。今までのように、安全な場所でただ生きるだけではない。危険もきっといっぱいあるだろう。


しかし、そんな問題屁でもないほどの、楽しい冒険が私を待っている。


待っていると・・・信じている。


「それじゃ・・・行きますか!」


そういうと私は魔法エンジンのスイッチを入れる。



うぃーーーーーーん


エンジンが発光し始めると同時に、船が揺れる。その感触を感じながら、私は思いにふける。


この四年間、私の時間はきっと止まっていたのだろう。


それがやっと動き始めるんだ。


もし私が主人公なら、きっと私の物語は今プロローグを迎えたのだ。




そうして私、島崎みちるの物語はやっと動き出したのだった。


スキル、ステータスについて書き始めると文章がすごいことになるので、そのうちそれ専用に番外編を作る予定でいます。

なので次回からはシステム面よりも、物語を中心に書いて行く予定です。


質問感想などお待ちしています。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ