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4月19日 金曜日
ミサイドから聞いた。
あの体のだるさは、私の特殊な体質から来るものらしい。
その特殊な体質とやらについては詳しく話してくれなかったのだが、暫くはあのような思いはしなくていいようなので、また時間のあるときにでも話してもらおうと思う。
ミサイドが言うに、「語るべき時」が来たら。
一昨日の注射器の中の薬は、創造主に特別に創ってもらったものらしい。
いやはや、私はやはり恐いもの知らずだ。
そういえば、ミサイドは神になったらしい。
火曜日と水曜日の間に。
特に儀式的なものはないらしいけど、創造主に捉まって逃げられなかったという。
その間に私がどんな苦しみを味わったのか、創造主は知らないようだ。
くそう、あの馬鹿な創造主め。もし会ったら一発殴らせてもらう。
無理だろうけど。
こんなことを思っていると、またミサイドに神にそんなことを言うな、と叱られるかもしれないな、と思っていたら、ミサイドも同意してくれた。
驚いた。ミサイドが私に同意するなんて。
でも、創造主が薬を創ってくれていなければ、私は今頃どうなっていたか。
怖い怖い。
できれば創造主にも礼を言いたいものだ、と私が言うと、ミサイドはあの黒い携帯電話で誰かに電話をして、私に携帯電話を渡した。
何だろう、と思いながら、私がもしもし、と言うと、中性的な声が返ってきた。
「やあ、今は初めまして、かな? ソフィーさん。創造主はボクだよ」
声が、出なくなった。
苦しい一週間 完
(神様!? ミサイド! 何故私が神と会話をしないといけないんだ!?)
(君が礼を言いたいと言ったんだろう)
(ミサイドに聞いた通り、ソフィーは面白いね)




