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第一期エピローグ

 瑠璃は、ジーニャの温もりを感じていた。

 一度寝てしまったが、すぐに目が覚めたのだ。

 あの後しばらくしたら、清水を居住区に置き去りにしていた事を思い出して、黛と葵はテーベに居住区に送ってもらい、テーベはミーナの元に、ラムネスはレリノアの元に、それぞれ戻った。

 ずっと起きていたが、ジーニャがいつまでも優しく抱き締めていてくれているので、瑠璃はまだこうしていたかった。

「……良いのか、ジーニャ」

 最高神の声が不意に聞こえた。

 ジーニャは私をそっと地面に寝かせた。

 薄く目を開けると、少し苦笑を浮かべ、最高神を見ている。

「私は良い物語を紡ぎたいだけです。別にサディストではありません」

 ジーニャはそう言い、最高神は同じ様に苦笑した。

「【書き手】な。ハッピーエンドは結構だし、どん底にいればいる程幸福が素晴らしいのは認める。……だけどな、お前がサディストなのは間違いないぞ」

 ジーニャはその言葉に悪戯っぽく笑った。

「確かに、サディストなのかもしれませんね……やり過ぎでしょうか?」

 最高神は答えず、息を吐く。

「ふぅ……ちょっと眠いな……つーかお前、その子の騎士になるつもりだろ。良いのか、【書き手】が何万年も無駄にして」

 騎士に、なる?

 ジーニャは優しい微笑みを浮かべ、しっかりとした口調で言った。

「何万年………、まぁ、この子ならそれくらいは生きるでしょう。…………えぇ、たった何万年、問題ありません。責任持って、この子を一生守ってあげますよ」

 一生、守ってくれる。

 …暖かい。温かい。

「泣かせるなよ?」

 最高神はそう言って、姿を消した。

 ジーニャは小さく、呟いた。

「泣かせてはしまうかもしれません…………ですが、それ以上に幸せにしてあげますよ………」

「………ありがと」

 瑠璃が言うと、ジーニャは目を見張った。

「起きていらっしゃったんですか。声を掛けてくだされば良いのに」

「……書き手が何かとか、ハッピーエンドがどうかとかは聞かない。だけど、一つ聞かせて」

 ジーニャは静かに聞いていてくれる。

「なんで、意地悪、したの……?」

 するとジーニャは申し訳なさそうに目を伏せ、言葉を探す様にしながら答えた。

「私は物語を紡ぐ者です。最後はハッピーエンドにしますが、それまで何事も無く平穏無事では、いささか味気ない物語になってしまいます………ですから、少々、いえ、物凄く辛い思いをさせたと思います」

 ジーニャの言葉は分からない事もあったが、どうやら幸せをより輝かせる為に、一度絶望を見せたらしい。

「…これからは、幸せだけ、でしょ?」

 ジーニャは困った様に頭を掻いた。

「…たまに、少しの悲しみの後に、得難い幸福をあげるので、それについてはご勘弁願います…………さて」

 ジーニャは私を抱え上げ、そして結界を消した。

「皆さんの元へ、戻りましょう」



 レリノアの足は三日後には元に戻った。

 ミーナについては…。

「ほんとに…ほんとに良かった、ミーナ」

 顔を縦に斬られた様で、改めて怒りが沸いたが、レリノアによれば1週間あれば完治させてみせる、そうだ。

 清水はジーニャを見て初めは襲い掛かろうとしたが、私が説得したら、拗ねて黛のポケットに入ってしまった。

 あぁ、ちなみに最高神は他の神達にボコられたらしい。

 何だか可哀想な立ち回りだな………。

 蛇神四柱の黒柱は、部屋で見つかった。

 傷は見当たらなかったが、束縛系の魔法をかけられたらしい。

 なんか知らんが、赤柱と一緒にどっかに修行しに行くとか言っていた。

 さて、闇神、そして光神が戻った所で全てを話したのだが、話の途中で二人とも怒りを爆発させそうになっていた為、非常に恐ろしい説明会になってしまった。

 そして、月を離れ、地球に戻る。




続きは第二期で!

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