ゑ22! 「月の地に生け贄を捧げて桐枝画は笑い」
祝!PV1000越え!
アハハハハハハハハハハハハ!
ふふふ、お礼と言っては何ですが、少しだけ早めに投稿しちゃいます!
ではでは!
「突然何なんだ?緊急召集とかって」
何だか知らんが、慌てた様子で母と美しい純白の御方はどこかへ行ってしまった。
「最高神からね、連絡が有ったんだよ」
「テーベ……ん?お前は行かないのか?」
居住区の入口の方からテーベが歩いてきた。こいつは召集が無かったのだろうか。
テーベは不機嫌な顔になり、吐き捨てる様に言った。
「今のガルマラの魔法神はあのクズだからね。忘れたのか?」
「ん……そういやそうか…」
……あれを忘れてたのは自分で自分にびっくりだ。
今思い出しても寒気が走る。
「ね、ねぇ……緊急召集って、何なの?」
葵が不安そうに訊く。
……分かってると思うが、葵が訊いてるのは召集の内容であって、言葉の意味じゃない。
「さぁ?良く分からないね」
テーベは肩をすくめてみせ、それから少し考え込む。
「あの人が緊急召集とか使うとしたら………何だろうな?前みたいなのは無いと思うけど………」
何だか気になる発言があった。
「前の時は何でだったの?」
そう、それだよ。
前みたいなのって言い方だと、まるで凄く下らない事みたいだ。
…さすがに最高神だから、それは無いと思うけど………。
「え?前かい?……確か、パン派かご飯派か、皆を分けるとか何とか……」
「………」
………。
至極どうでもよっ!!!
何だそれ!?
そんなのの為にあんなに急ぐのか!!
「ん、でも今回は違うと思うよ。前の時は皆でボコッたから、ちゃんと分かったと思うしね」
「ボコられたんだ、最高神!」
何だそいつ!
ほんとに強いのか!?
「ちなみに僕はご飯派だよ」
「まじか意外だだが聞いてないっ!!!………はぁ……はぁ……疲れた」
もう何か、どうでもよくね?
と、その時。
テーベの真横に、光の塊が現れた。
どうやら、前の様にレリノアらしい。
その光の塊から、レリノアの声が聞こえてきた。
「……ラムネスが………くぅっ……」
弱りきった、レリノアの声が。
ゑ
何が起こった。
分からない。
あの一言っきり何も聞こえず、光の塊は不気味に沈黙するだけだった。
テーベは何度も呼び掛けたが、返事が一切返らないので、その内苛立たしげに通信を切った。
「おい、今からレリノアの家に行くぞ」
テーベが反論を許さない口調で言う。
そして、右手の人差し指に軽く親指を当て、人差し指を弾く様にした。
すると、親指が当たっていた第一関節から先が切れ、血が溢れてきた。
「………………」
何事かを呟き、切れた人差し指を空中で素早く動かす。
血は不思議な事に空中に留まり、まるで血で描かれた陣の様な物が、いや、そのものが出来た。
陣は突然に光を放ち、
気付いた時には。
「レリノアっ、何があった!?」
テーベが倒れているレリノアに駆けよって行く。
つまりだ。
テーベは瞬間移動を使えたって事で、レリノアの家に来たって事で。
ラムネスに、何かあったって事だ。
レリノアは。
倒れているだけに見えた、レリノアは。
倒れているのでは無かった。
足首から先が斬られ、立てないのだった。
「…かり…と……あいつ……が……」
「仮苫か?……分かった。引き続き自分の回復をしてくれ」
何やらレリノアと話していたテーベは、そう言ってレリノアから離れた。
良く見れば、切れた足首は少しずつ、ほんの少しずつ、再生している様だ。
レリノアが自らの回復を行っている様だ。
正直言って気持ちが悪かったが、それ以上に。
こんなむごい事が出来る仮苫に、怒りが、殺意が芽生えた。
Σ
少し前。
「ラムネス、まだ動かないでってば」
「いや、もう十分だって……レリノアこそ、もう休んでよ……昨日からずっとじゃないか」
ラムネスはレリノアのベッドに寝かされ、レリノアに回復されていた。
実を言えばレリノアも、ここ数年の苦労もあって疲労の限界だったが、この人にそれをチラとでも見せれば大騒ぎするのは分かっている。
ラムネスの体はすっかり綺麗にはなっていたが、【神殺し】系の恐ろしい所は、その傷の深さだ。
体だけではなく、魂に傷をつける。
トラウマとかではなく、もっと概念的な物だ。
神にもなれば、体の傷は一切関係ないものもいる。
テーベとか、その最たるものだ。
だが、【神殺し】は、体だけではなく魂ごと断ち切る。
そうなると、魂に合わせて体が作られるので、例えば魂の足が切れていれば、いくら体を入れ換えようと足は動かない。
幸い私は魂すら回復出来る。
出来るが、そのスピードは体を回復するのと比べれば蝸牛と変わらない。
まぁ、ラムネスの回復は傷も浅かった為に、何とか終わりそうだけど。
「なぁ、レリノア」
突然ラムネスが声を掛けてきた。
回復をしてる最中で声を出せないので、表情だけで問いかける。
「昨日、その…………エッチ出来なくて、ごめんな」
「なななな何を気にしてんのよあんたは!ばば、バッかじゃないの?そんな言い方じゃ、私がすっごく、その、したがってたみたいじゃない!」
折角の回復も投げ出し、声を上げた。
だが、ラムネスは目を丸くして、言う。
「したく、なかった……?」
「あっっっっったりまえでしょ!あの時はどうかしてたのよ!」
ラムネスの顔が曇った。
「……やっぱり、俺じゃ駄目だよな…………」
何で落ち込んでんのよ!?
「~~~~!……分かったわよ!私は凄くしたかった!…………ラムネス、聞いてる?私は、あなたとしたいの!」
そう言うと、ラムネスは困惑した顔になる。
「レリノア、言ってる事分かんないよ」
「だからぁ!私はあんたとエッチしたいの!!!………………へ?って何言わせてんのよあんたはっ!」
勢いで言ってしまったが、訂正したらまたラムネスが落ち込むので、誤魔化しておいた。
「へぇー。ラブラブやってんじゃん。美奈を殺した癖に」
「レリノアっ、危ないっ!」
横に突き飛ばされる。
いきなりだった。
慌ててラムネスを見ると。
「ラムネスっ!」
胸に深々と剣が刺さっている。
何故。
余りにも突然。
ほんの一瞬で、楽しさが掻き消える。
体に刺さった剣を見て、頭がパニックになる。
分かっている。
不死身のラムネスなら、死にはしない。
でも。
あそこまでされれば、体が麻痺するかもしれない。
そんな事を。
「全く……人の大事な物は奪うくせに自分の大事な物はしっかり守るのか?………まぁ、君はもう死ぬんだし、大事な物を失う悲しみは、彼女に味わって貰おう」
こいつが。
仮苫、零徒。
「ああああああああああ!」
両手に光を宿し、仮苫を殺そうと最速で駆けよって。
途中で、倒れて。
倒れてから、あぁ、足が斬れたから倒れたんだと気づいて。
魂ごと斬られたのも、分かったのに。
ラムネスと仮苫がいつ消えたのか、分からなかった。
ゑ
「……こんな事…最低」
葵がレリノアの足を見て言った。
テーベの話によれば、あの足はレリノアだから治せば動くが、他の人間とか、弱い神なら、二度と歩けない様になっているそうだ。
その上。
「あいつは間違いなくレリノアを歩けなくしようとした……もしミーナだったら、その通りになっただろう」
仮苫は、レリノアが回復出来るとは思っていなかっただろう。
つまりだ。
レリノアは、俺と歳はそれほど変わらない様に見える。
実年齢がどうであれ、神ならさほど重要じゃない。
仮苫は、高2の女の子の足を切り落とすのに、何の躊躇いもない。
そんな奴なのだ。
「兄さん、落ち着いて下さい」
何故か黛に注意された。
それほど怒りが顔に出ていただろうか。
「瑠璃、動くな」
分からない。
テーベが厳しい顔でこちらを見るが、何を言っている?
別に俺は冷静だ。その筈だ。
「る、瑠璃、あんた……」
葵が、息を飲んでこちらを見ている。
何だ。俺に何が起こった。
分からない。
俺はいつもと変わらないつもりだ。
だが、清水ですらも胸ポケットから飛び出し、黛の後ろに隠れた。
その行動に疑問を持ち、抗議の意味も込めて言葉を発した。
【何だよ、何の冗談だ】
ぎょっとする。
それこそ何の冗談だ。
声が、違う。
明らかに人間の物ではない、何人も一緒に喋っている様な声。
「兄さん、落ち着いて、聞いて下さい」
黛が、宥めるような、憐れむような顔で俺を見た。
「兄さん、今、悪魔になってます」
【………は?】
体を見下ろす。
悲鳴を上げる。
走る。転ぶ。
テーベが止めたのだ。
いやいやいやいや。
意味分からんから。
謎展開だから。
悪魔?何が?何で?
体を見下ろして、そこにあったのは、先程まで俺が着ていた服を着た、ナニモノかだった。
【何だよこれ!俺蛇じゃなかったの!?】
叫ぶが、テーベは冷静に話始めた。
「神の力は、完璧な遺伝よりも、魂に依ることが多い」
また魂か!
………?それって……
【じゃ、じゃあ…瑠璃の魂、……あく、ま……?】
この声でこの台詞……。
アニメだったら吐き気がする事間違いなしだぜ☆!
「いや、……うーん、説明が難しいな………まぁ、見た目格好いい悪魔だから、大丈夫だって」
大丈夫?そうかよかった一安心。
まぁ、悪魔なんてのはよく分かんねーからな。
久々にあれやるか。
佐野の解説コーナー。
うん、章数的にも、時期的にもそろそろだからな。
魂がどうたらこうたらも、やって貰うとして。
吐き気がするだろうが。
泣く事にします。
ゑ22!終わり
ゑ23!に続く
謎展開。
急展開。
「おいおい作者、フラグ回収しきれるのか?後数話で終わりだろ?」
そう思ったそこの貴方。
ご安心下さい、一応第五期までは続く予定です。
え?ふざけるな?
申し訳無いです…。
ちゃんと完結させますので、それでご勘弁を……!




