表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
25/35

ゑ20! 「死者は再び姿を現し生け贄は月に集う」

さて、宣言通り、今回の投稿を最後にしたいと思います!

なので、週の初めの投稿も二話分まとめて投稿!

わーい、フィーバーだー!!


さて、伏線にフラグに散々散らしていった今回の第一期ですが、どの様に完結するのか!?

「着いたよ」

 テーベの言葉通り、居住区に着いた。

 少し重厚な扉に、木の板で「居住区」と書いてあるのは、少々間抜けな感じがする。

 …何か、手抜き感が漂ってるな………。

 光神が迷いなく扉を開ける。

「おや、一日に何人も……これは、ミュルス殿?それに……随分といらっしゃいますね…」

 真っ白な髪を床まで届くほどに伸ばした、とても美しい人がいた。

 …やばい、格好いい………。

 ま、待て!俺は男だ!思い出せ、秋川は可愛い、黛は…って妹は違う!!

 いや、待てよ?今は体は女な訳で……正常?普通なのかな?

 だ、だけど…瑠璃には、清水がいるもん……。

 この人は物凄い美形だけど、清水も凄く格好いいもん!

 …何か、俺が二人いる気がする……。

 俺、クラスの皆にバレた訳だし、男に戻っても良い筈なんだけど……。

 もう、何でもいーや……。

「白柱か……すまんが、橘の長女はいるか?」

 光神が訊くと、美しい御方は顔を曇らせた。

「彼女は…今は落ち着く時間をあげて下さい。…自らが他の命を奪ってしまったという事実は、重すぎる物です」

 …姉ちゃん……。

 不安になる。

「あの、瑠璃でも、会っちゃ駄目でしょうか……?」

 訊いてみるが、美しい御方は首を振った。

「寧ろ貴女は絶対に顔を見せない方が良いでしょう。……勢いで自殺しかねない」

 自殺…?

 あの、姉ちゃんが……?

「お姉ちゃん、そこまで……?」

「えぇ…。ただ、群青様ならば、お会いした方が宜しいかと」

 美しい御方はそう言って、母を見る。

 あぁ、それにしても……何て綺麗な御方だろうか……。

【…瑠璃……気に、なるんだな…】

 清水が胸ポケットから沈んだ声を出す。

 そうだ、瑠璃には清水がいるの!

「せいみぃー、妬いてるんでしょー。ふふふ~」

 そう言って清水をポケットから出した。

 ふふふ、見れば見るほど可愛い。

 頬擦りをしてしまう。

「…良いんだけどさ、瑠璃、君の能天気振りには呆れるよ……」

 テーベの呆れた様な声。

 ……そうだ。こんな時に俺は何してるんだよ!

 姉ちゃんが大変だってのに………。

 でもさ、格好いいんだよ!

 多分この人、蛇神四柱の中じゃ一番格好いいだろう。

 そう、一番格好いい人だから、しょう…が……な…い……。

「大勢だな。何か用か」

 無愛想なその人は、美しい赤い髪を胸にかかるくらいに伸ばしていて、素っ気ない仕草は、何故か心に迫る物がある。

 黒くも見えたその瞳は、こちらにちらっと視線を向けた時に赤く煌めいた。

「悪いけど、葵、今は寝ちゃってるからさ、少し待っててくれるかな?」

 陽気そうなその人は、青い髪は耳にかかるくらいで、爽やかさを感じる。

 ……今、ウインクしてきた!

 海を思わせる様な、爽やかさと深さが同居した目の色が真っ直ぐにこちらを向いて……。

 顔が赤くなる。

「…おや、闇の。その節はすまなかったな。おかげで命を狙われて散々だ」

 ……この人が、瑠璃を咬んだ人だ。話と全く同じ。

 だけど、関係ない。

 少し危険な香りがするその美しさは、瑠璃の目を奪うには十分だった。

 じっと見つめているのに気が付いたのか、黒髪のその人は嘲笑を浮かべた。

 ……嘲笑?

「咬んだ相手にまで目を奪われるとは……随分と単純な脳の様だ…」

「だって、綺麗で、その…………」

 思わず言葉を返そうとするが、自分でも単純すぎると思い、口籠ってしまう。

 …………。

 まぁ、つまりだ。

 蛇神四柱の皆は、とにかく美形だった。

 ………拗ねた清水が大変だったけどさ。

 葵が不安定だというので、居住区に沢山ある部屋の、どれでも好きなので寝て良いと言われた。

「僕は寝なくても大丈夫だよ」

 テーベはそう言い、最初の部屋で待機している。

 母は、葵が目を覚ますまでは側に付き添っている。

 光神は、赤柱とチェスを打っていた。

 何だか、皆が取り敢えずは無事で、気が抜けた雰囲気。

 ……ん?あぁ、黛なら、白柱と何だか難しい話をしている。

 ………善と悪について語っている様だ。

 どうやら、そのまま白柱の部屋で寝るらしい。つまり、葵もいる場所で。

 何だか、仲間外れにされた気分だ。

 少し寂しい気持ちで部屋を物色しているが、どれも良い部屋であり、同時に気に入らない。

 そんな時。

「お?瑠璃ちゃん、こんな所で何してんのー?ひとりぼっち?」

 青髪の素敵な人に声をかけられた。

「あ、あのでひゅね、部屋をっ、探してひるんですがぁ、へっと、そのぉ、あんまり良い部屋がなくて、です…」

 緊張で全く喋れない。

「部屋を探す、かー。んでもさ~、ここの部屋広いからさ、一人じゃさみしーだろーし、俺の部屋来る?」

「へ…?……へぇぇぇえええ!!?」

 さささ、誘われてるぅ?



「……良い匂い…」

 部屋に入った途端に、香しいクッキーの香りが鼻孔をくすぐってきた。

「焼きたてだよ、食べるかい?」

 素手で焼きたてクッキーの乗った鉄板を持ってきた(熱くないんだろうな、きっと)青髪の素敵な人は、一枚のクッキーを掴んで、こちらに向けてきた。

「はい、あーん」

 …恥ずかしい……。

「あ、あー……んぐんぐ。………お、いしい…です……」

 ほんとに、おいしいよ!

 おいしいんだけどさ!

 あーんなんてするから、恥ずかしくてあんまし上手く喋れない……。

「んー、焼き加減間違えたかなー?」

 はっきりしない物言いを、美味しくないととったらしい。

 人指し指に付いた粉を、舐めて味を確認してい………。

 舐めたっ!?

 あーんをした訳で、そりゃ気を付けはしたけど指と口が触れたりするのは不可抗力で、つまり、それで………。

 ……間接、キス………?

「あんまり気に入らなかったかな?ごめんね~、自信あったんだけどさー」

 謝ってきたので、慌てて首を振る。

「ち、違います!ほんとにおいしかったです!おいしかったですけど………」

「けど?」

 わざとだろうか。本当に不思議そうに聞いてくる。

「………あーんが、その……恥ずかしい、から……」

 そう言うと、青髪の素敵な人は目をぱちくりさせた。

「ん?恥ずかしかった?……んー、じゃ、おいしかったってのはホント?」

 頷く。そりゃもうスゴい勢いで。

 だってほんとにおいしかったもん!

 多分名店くらいの、いや、それ以上のおいしさ!

「なら、他のも食べてみる?」

 そう言われて、クッキー以外にも香ばしい香りが漂っている事に気付く。

 それと同時に。

 キュゥ~~~

 ……。

「あはは、いっぱい食べるかな~?」

 お腹の正直さが恨めしくなった。



「へぇ!じゃ、清水君は万能だったんだね?」

「はい、すごかったんですよ?もうモテモテで……それでも、せいみは私を見ててくれたんです……」

 青柱の部屋の一つだという寝室で、楽しくお喋りしている。

 部屋の明かりはどういう訳か、照明らしきものも見当たらないのに明るさ調整が自由自在の様で、今は寝る前にちょうど良い暗さになっていた。

【俺は、瑠璃一筋だからな……】

 清水が照れ臭そうに、でも真っ直ぐに言ってくれる。

「すごいな。元は、男同士だったんだろ?それでも、瑠璃が?」

 青柱の言葉に、清水は少し戸惑い、そして言葉を探すようにしながら言った。

【瑠璃はこう言ったら拗ねるけど………瑠璃は、男のままでもそこらの女の子より、遥かに可愛かったから………】

「なにそれ!ふーん、せいみも古島達とおんなじなんだ~?」

 拗ねたふりしてジト目を向ける。

【いや、そのなんだ……からかうとか、そういうんじゃなくてだな………】

「ふふっ、じょーだんだよっ!せーいーみ!ぎゅっ!」

 思いっきり抱き締めると、清水は足をバタバタさせた。

「はぁ~。見せつけるよな~………。こっちは寂しい独り身だってのに……」

 青柱はため息をつき、わざとらしく落ち込んでいる。

「でも、あなたも凄く格好いいと思いますよ!瑠璃の、好み、というか…ですし…」

「あはは、ありがと。………さて、もう寝るかな?ベッド一つだから、ちょっと狭いかもしれないけど、我慢してね」

 ………一つのベッド。

 誘われてる!多分、絶対!

 どどどどうしよう!

「はい、大丈夫です」

 正直だな、体!

 そして、いつもの様に服を脱ぎ始めると、青柱が目を丸くして慌てた様に言った。

「い、いや、一緒に寝るって言っても、いわゆる性交渉じゃなくて、ほんとに一緒に寝るだけだから!」

「へ…?なーんだ、びっくりしました、もう!」

 そうだよねー。

 うん、安心だ安心。

 下着を外しにかかる。

「分かってないじゃん!何で脱いでるの!?いや、良い眺めだけど!俺にその気は無いからね!」

「へ………?ああ、」

 成る程、そう言えばそうだった。

 だが、今更な気がするので、裸のままでベッドに潜り込む。

「いつもこれで寝てるから、ただの癖ですよー。…気にしないで下さい」

 そう言うと、青柱は困惑した顔になり、やがて苦笑した。

「あーんは恥ずかしいのに裸見られるのは良いのか~?良く分からないな~………清水君、しっかり見てあげないと、その内瑠璃ちゃん悪い人にたぶらかされると思うよ。ちゃんと見てあげるんだ、良いね?」

 そんな事を言って、ベッドに入ってくる。

「それじゃ、おやすみ」

 まるで美しい音楽の様な声で、意識が穏やかに薄くなっていった。


Σ


「…必要な生け贄は既に揃っている………だが、闇と光、それに蛇神四柱が邪魔だ」

 仮苫はそう言い、少し考え込んだ。

「おやおや……片付けてしまえば良いのでは?貴方なら、出来るんじゃないですか?私との契約で、迷わず人を捨て、その上で自らを更に強力に、強大にした貴方なら」

 堕騎士の言葉に、仮苫は首を振る。

「あんな奴等を片付ける?冗談はよしてくれ。一対一でもごめんだね」

 そして、また考えだす。

「…ま、貴方も十分に強いと思いますよ。【破滅の神兵】を新たな体として選んだ貴方なら、ね……」

 ジーニャは呟き、そして仮苫に背を向けた。





ゑ20!終わり

ゑ21!に続く

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ