ゑ13! 「要するに大人の事情って奴であります」
お久し振りです!
と、言うか。
週の前半に一話だけ投稿するとか言っといて、結局忘れてもう週の後半…。
バカですね僕は。
あ、それと。
あとがきで、堪えられない感謝の気持ちを表します!
…と、言うわけで、学校に登校したのだが………。
一体、この魔法神は何をするつもりだ………。
テーベは、何を訊いても、「まぁ、任せてよ」としか言わないので、俺の不安を掻き立てるだけだった。
不安と言えば………今、ほんとに突然だか、不安になった事がある。
今には全く関係無いが、俺の将来に関わる大事な事だ。
まぁ、俺の一人称である、「俺」を、あんな宣言してしまった後では、「私」に改めるべきなのか、という事なんだが……。
大したこと無い、だと!?
そのせいで、身も心も女になったらどうする!
迷う、迷うぞ。
……いや待てよ、そういや世の中には「僕っ娘」てのがいたじゃないか!
そうつまり、一人称を「僕」にすれば!
……高校二年で体が女で心は男で一人称が「僕」……。
何故だ、嫌すぎる……。
…まぁ、テーベと一人称が被るから、大人の事情でならないんだけどな!
別に大人じゃないけど!
そんなバカを考えているうちに、教室に着いた。
…ヤバい、一人称をどうする!?
ってそこじゃない!
……馬鹿じゃないのか俺は………。
テーベ、何とかしろよ!
「君はここで待っててよ」
テーベがこちらを向いて言った。
………すげぇ、めっちゃありがたいけど、それ以上に不安だ………。
「だ、大丈夫、だよね………?」
……えー、まずい。
口から出たのは、気弱な男子か、そこら辺にいそうな女子の様な口調。
…自然に出やがった……。
「問題ない。少しは信じてよ」
テーベはしっかりとそう言い、そしてラムネスと共に入っていった。
……気にならない………もうクラスメートとかどーでもいーやー。
それよりも重大な…
「俺は男だ俺は男だ俺は男だっ!」
閉まったドアの向こうから、悲鳴が聞こえてきた。
どうでも良いもんねー!
「うわぁ、秋川可愛いなぁ!うん、俺は健全な」
「瑠璃ちゃん、百合は健全な女の子の考えよ!素晴らしいわ!伸ばしなさい!ついでに対象年齢も!」
「いひゃあぁぁぁぁぁ!」
い、いつの間にっ!
何故抱き着く!?
「やぁ、瑠璃にっ、触らないでぇ!」
……決定しました。自然に出たので間違いないと思います。
…一人称が自分の名前…………もぅ、女の子に、なろーかなー……ぐすっ……
「瑠璃はぁ、お、男の子、だっ……もんっ!ひぐっ」
「まぁ、男の娘だなんて!そんな事はどうでも良いのよ!要は、自分がどうしたいか、よ……それに、瑠璃ちゃんは完璧な性転換をしたんだから、もう女の子よ!百合OKよ!」
「あんたもう黙れぇ!」
くそっ、この都合よすぎる変態の、誰か息の根止めてくれ!
と、ドアが開いた。
有沢が怖い顔して立っている。…拳が握られていて、そこも怖い。
「瑠璃……あんた………」
「え……?」
有沢のキレ具合は尋常じゃないが、有沢は一度頭を振って、拳を開いた。そして厳しい顔のまま、言う。
「怒ってんのは私だけじゃないもんね……瑠璃、すぐに立って教室に入りなさい」
「は、はいっ!」
怖い、何だか知らんが怖い!
「あ、瑠璃ちゃん……」
先生を振り払い、慌てて教室に入ると。
後ろから蹴られた。
地面に倒れた。
泣いた。
……何でだよ!?
「うぐっ、ひっく、ちゃんと、はいっ、た……えっく…のにぃ」
蹴ったのは立ち位置的に有沢だ。
だが、それだけじゃ終わらなかった。
倒れたままの俺の背中に、有沢が足を乗せてきた。
「あんた、泣いてすむと思ってんの?……っく、私達を信じもしない癖にっ!」
「あぐぅっ!」
足に力が込められた。
背骨が悲鳴を上げている。
何故?
くそっ、やっぱりテーベに任せたのが間違いだったか……。
「うぅ、て、テーベ…なにを…」
俺がその名を口にした瞬間、有沢がぶちギレた。
「あいつらから全部聞いたよっ、何もかもっ、ね!」
「い、ぁ……」
きしっ…
骨が、はっきりと鳴った。
自然に声が漏れる。
だが、そんな事は気にならなかった。
全部、聞いた?
「私は、…うぅん、私達はっ、一年からずっと同じクラスやってきたっ!私は勝手に困った事があれば助け合えるって思ってたけど、信用もされてなかった!あんたにもっ、愛沙にもっ!!……古島にも…」
泣いてる……?
泣きながらも激昂している。
……そっか、古島と秋川が騙された相手だったか。
……近くにいるのに、助け合えない。
そんなつもりは無かった。
だけど、俺は隠した。事実だ。
相手を気遣っていても、相手は傷付いて。
「ご、ごめんな、さい………ごめんなさいっ、ごめんなさいっ、ごめんなさいっ!」
罪悪感で、胸が苦しい。
謝りたい。まだ足りない。謝り足りない。
有沢が、泣いてる。
見れば、クラスの皆も怒りより、傷付いた顔をしている。
「……分かってるわよ、あんたも…愛沙も、古島もっ!迷惑かけたくなかったっだけだってのは、分かってるのよ!」
有沢は、足を退けて、続ける。
「……でもさ、親友にくらい、迷惑……かけても、良いじゃない……」
有沢の声が掠れる。
怒りは影を潜め、顔を両手で覆っている。
………いつまでも、倒れている訳にはいかない。
起き上がり、クラスの皆の方を向いた。
秋川と古島は、酷く気まずそうな顔をしていたが、俺のしようとしている事を察したようで、こちらに来て、俺の隣にそれぞれ立った。
俺や有沢の涙がうつったのか、秋川は涙ぐんでおり、古島も目が赤い。
地面に膝をつき、正座の体勢になる。二人もならって、そして……
「……秘密にしていて、すいませんでしたっ……」
涙声で声に勢いは出なかった。
頭を思いっきり下げ、足りない気持ちをどうにか伝えようとするが、上手くいかない。
だが、まだ伝える事がある。
顔を上げ、皆をしっかりと見る。
「……それから…迷惑をっ、かけると思いますがっ、よろしくっ…うっ、お願い…しますっ………」
皆にもう一度頭を下げた。
「……もぅ、ほんとに、良い、迷惑よっ…ばか………ちゃんと、かけられて、あげるからっ……」
有沢が、涙を拭いながら、そう言ってくれる。
それから、俺達のクラスは誰もがもらい泣きをし、紫野先生に迷惑をかけた。
紫野先生にも、泣きながら、謝りながら、何とか事情を伝え、紫野先生もまた、もらい泣きをしてしまった。
結局、隣のクラスの先生の空気を読まない「静かにして下さるかしら?」の一言で、泣き顔の見せ合いはお開きになった。
ゑ
さて、午後の最後の授業。
そこで確認が取られた。
テーベが黒板の前に立っている。
「さて、幸運な事に、来週には夏休みだ」
今は水曜で、つまり、後二日で学校は終わる。
「勿論、皆が来る必要もないし、命の保証も出来ない」
テーベは皆を見渡した。
「一緒に来たい人だけ、来れば良い。………まぁ、秋川さんと古島は別だけど」
呼び捨てにされた古島は、何も言わなかった。
いや、気まずいだろうしな。
「家の人には、外国にホームステイする授業に参加したって事にしてくれ。……ギリギリになって言ったのは、学校側に不備があったって言う事にして」
かなり無茶を言っているが、誰も不満を唱えない。
「さっきも言った通り、来る、来ないは自由だ………だけど、これだけは言っておく」
テーベは、皆を見渡した。
「来て、生きていれば、まず間違いなく今までで一番退屈しない夏になるよ」
それだけ言うと、紫野先生を見た。
紫野先生が、頷く。
「それでは、行きたい人のみ、手を上げて下さい」
その言葉と一緒に、紫野先生は手を上げた。
皆を見てみる。
クラスの皆から、しっかりと上がった手が一つ。
そして、おずおずと上がる手が一つ。
有沢と佐野だ。
「私も、行って、良いかな?」
その言葉と共に、縁野という女子が手を上げた。
少し驚く。
普段静かで、控えめな人なので、来るとは思わなかった。
他に、挙がる手は………。
あった。
「行くっきゃないわね、友江が行くならさ」
友江と言うのは、縁野の下の名前だ。
手を挙げたのは、初嶺だ。性格は縁野とは正反対だが、仲はとても良い様で、よく一緒にいる。
それ以外に、挙がる手は無かった。
「分かりました、四人は責任を持って守りましょう………他の皆は、飲酒喫煙、その他の違反はしない事!……あ、大事な人との性行為は避妊してさえいればOKよ」
「途中まで教師らしかったのに!」
何してくれんだこの先生は。
「そういえば……瑠璃ちゃん、自ら望んで女の子になったんじゃなかったのね………勘違いしてごめんなさい。大丈夫よ…」
お、少しは教師らしいところを見せるだろうか。
「私が目覚めさせてあげるっ!」
「期待した俺がバカだったよ!」
まぁ、いつもと変わらない先生で、安心する。
「それじゃあ、有沢さん、佐野、縁野さん、初嶺さん、四人は、今週の金曜に橘家へ来て下さい………秋川さんと古島は、今日も来て貰うよ」
テーベのその言葉を最後に、鐘によって授業が終わった。
ゑ13!終わり
ゑ14!に続く
有難う御座います!
ほんとに感謝感謝です!
…え?
何がってそりゃあ
お気に入り登録が『二件』!!
凄い事ですよ!
ってか、閲覧者が99人…。
何と、長く果てしないと思われた100人突破への道のりは、後三年ほどで終わりそうです!
後一人、三年以内に来てくれるでしょうか…。
って、こんな話じゃなかった。
凄い、嬉しいです。
後書きでこうもべらべら喋るのはどうなんだって話ですが、嬉しいんです。
ほんとに、見て下さっているお方、有難う御座います…。
レリノア「そろそろくどいんじゃない?」
あぁ、レリノア。どうしてこんなところに?
ってか、ツンデレないんだね。
レリノア「……はぁ?私のどこがツンデレよ!…というか、あの感動の本編みたいな流れを返しなさい!」
えー。
だって嬉しかったしー。
レリノア「くどいっての!」
だか「はい、今回はここまでねっ!」




