ゑ10! 「単純な思考に助かったり最悪なったり」
前回の投稿でもお知らせしましたが、
週の初めの方に一話、日曜夜八時に三話投稿とさせて頂きます!
投稿数の話ですが、作者が奮闘することにいたしました。
…それで第二期が遅れても、怒らないで……。
「瑠璃ちゃんっ!約束守ってくれたんだ!?さすがだよっ!にあってるよ!」
秋川の声だけが教室に響く。
みんな固まってる。…俺も含めてな!
すると、古島が納得したような顔で手を叩いた。
「なるほど、昨日のメールはこういう事か!」
すると、他の皆も納得したような顔になる。
昨日のメール…?
文面を思い出す。
【とある事情で、俺はいなくなるかもしれない。突然で悪い。みんな、俺はみんなと一緒で良かったよ。今までありがとな】
………。
なんて出来すぎたメールだ!
これじゃまるで………
「ついに男を捨てたんだな、瑠璃ちゃん!」
古島がそう言ってきた。
自然迎撃しそうになる体を抑え、少し考えた。
これ以上良い誤魔化しが出来るのだろうか………。
結果、出来ない、思考時間約0.3秒!
「そ、そうなんだよ!目覚めたと言うか、ははは~」
皆の視線がヤバい。
「まぁ、何も言わないであげるわ。個人の自由だしね」
有沢がそう言って目を反らすが、明らかに軽蔑の表情になっていた。
………うぅ、泣きたいよぉ。
さて、一つ重大な事が有る。
これで俺には、男の体は必要無くなった!
………マジでまずくないかそれ。
「瑠璃、お前マジでナイス判断!」
佐野が輝く笑顔で言ってきた。
………気持ちわりぃ…。
古島が頭を振っている。
「あぁ、俺には美穂ちゃんが…うそうそ、有沢さんっ……って、え?」
何だ?古島は有沢の事が……?
しかも有沢も名前で呼ばれたのに攻撃しなかった。
「あれ、あんたに名前を呼ばれ慣れてる気がする……?」
有沢が戸惑った顔で言った。
「古島は有沢の事好きだからな!脈有るみたいだし!……ってあれ?」
佐野が頭を抱えた。
良く分からんが、注意が俺から逸れたのは幸いだ。
急いで席に座ると、それと同時に先生が入ってきた。
「みんないるわねー。今日は……って瑠璃ちゃん!?」
「先生清水君がインフルエンザでお休みだそうです大変ですねちなみにこの格好はついに目覚めただけなので気にしないで下さると助かります」
一気に言い切ると、先生は混乱した様子で頷いた。
「わ、分かったわ……清水君がインフルエンザで、瑠璃ちゃんが私のお嫁さんね?」
「なんて都合の良い聞き間違いだ!」
ふざけるな、そんな訳ないだろ!
バカじゃないのかこの人は!
「先生、先生はそんなだからいつまでも良い人がいないんですよ。結構美人なのに」
有沢が呆れたようにそう言った。
「美穂ちゃんもとっても綺麗だよ!」
「嬉しくて照れ隠しっ☆」
古島の顔にパンチが突き刺さる。
「ギャース!」
………何だ今の有沢の言葉は……。
有沢も顔を真っ赤にしている。
「わ、私何を……?」
……みんな変だし、俺もあんま目立たないかな?
ちなみにテーベは俺の膝の上に座っている。……ほんとに俺の子供みたいじゃないか……。
ラムネスは、教室の後ろに寝転がっている。……ただのサボり野郎みたいだ……。
「ええっと、何だったかしら……ああそうだ、今日はプール開きですから、みんな、水着は持ってきた?」
……マジかよ…。
「瑠璃ちゃん、だいじょーぶだよ!わたし二つもってきたんだー」
秋川がそう言った。
言ってしまわれた……。
胸については、多分詰め物か何かとみんな(秋川を除く)思ってるだろう…。
つまり、水着を着ければ俺が豊胸した疑いまで掛けられてしまう。
くそっ、秋川の買ったブラジャーが小さいのか、今は胸が苦しいくらいだ。
そこそこ大きいのだろうか…?
……なに俺は胸について考えてるんだ………バカじゃないのか……。
え?修学旅行は終わったんじゃないのかって?
うちの学校は6月には修学旅行に行くから、しょうがない。
「先生、今日のプールは男子ですか、それとも女子ですか?聞いてないので、皆持ってきてるんですけど」
有沢が尋ねると、先生は微笑んだ。
「うふふ、私が熱弁を奮って、合同にしたわ」
「あんた何者だよ!?」
去年までは、男女別々の味気ないプールだったのに!
「センセーサイコーです!!」
古島が興奮している。
「瑠璃ちゃんの水着姿……見るっきゃない!」
「私じゃないんだ」ボソッ
有沢が小さく呟いた。
……俺にしか聞こえなかった様だが、あれではまるで………。
「やだっ、何言ってんの私!」
まさか、な…………。
今日は皆が変だった。
ゑ
「うぅ…………嫌だよぉ……ぐすっ」
涙が出てきた。
だって、女子更衣室に入れって言うんだよ?
「瑠璃ちゃん、だいじょーぶだから、こわくないから、ね」
秋川が手を引っ張り、中に入った。
皆が着替えていて、チラリとこちらに目をやる。
「ひっく……ご、ごめ、んな…っく、ぐすっ……さい」
うぅ、謝ってしまう。
だが、皆はすぐに視線を反らし、お喋りをしながら、着替えに戻った。
「うぅ、なん、で……っ?」
「ほら、だいじょーぶでしょ?私が着替え手伝ってあげる」
その言葉に有沢が反応した。
「ちょ、ちょっと待ちなさい」
そして、俺に囁いてきた。
「あんた……その、下は、アレのままなの……?」
「あ、えっく、れ…………?」
意味が分からず問い返すと、有沢が顔を赤くした。
「ほら、男の…………アレよ、アレ!」
……意味が分かった。
この体は紛れもなく本物。
という事は……。
「うっく…も、もう…えぐっ…女の子、だよ……」
すると、有沢が信じられないと言う顔をした。
「……あんた手術でもしたの…?」
「もーいーかなぁー?えーい、脱がせちゃえ!」
「きゃあぁぁぁぁぁ!」
いつの間にか着替え終わった秋川が、俺に飛びついてきた。
「私も…気になる…………どのくらい、その、本物か、ね」
「いやあぁぁぁぁぁ!やめぇ、だめったら…………ぐすっ…うわぁぁぁぁん」
…………訊かないでくれ……。
ゑ
「もう……いや………」
文字通り身も心も丸裸にされた俺は、ほぼ諦めの気持ちでプールの授業を受けていた。
「だから、ごめんねってば!瑠璃、聞こえてる?…………最近の技術は凄いわね………移植かしら?」
聞こえてる、お前の本音もばっちりだよ!
「ごくっ………美穂ちゃん、綺麗だ……」
古島が、有沢の目の前に来ていた。
「こら、古島君!ちゃんと最後まで注意を聞きなさい!」
紫野先生の注意が飛ぶ。
有沢はと言うと、………真っ赤になっている!?
「……何よ……さっきから………」
…………コイツら、何が有ったんだ?
「…………と、言う訳で、男子から女子に触れた瞬間罰が下りますから、そのつもりで!ちなみにその逆はOKよ♪」
……この先生、何がしたいのだろうか。
「それでは、最初のプールは、…水コン!つまり、水着を着た中で、誰が一番綺麗かを……」
「プールの意味ねーじゃん!」
……結局、全部自由時間になった。
「瑠璃ちゃん、その胸触って良い?」
田島と言う男子が声を掛けてくる。
顔面を蹴って水に沈める。
うん、これで五人目か。
「だーかーらぁ!瑠璃ちゃんは女の子だから、さわっちゃだめだったら~!」
秋川はそう言って、さっきから俺に抱き着いている。
……いや、良いんだけどさ、何だかな…………。
「にしても、瑠璃ちゃんが豊胸するなんてなー」
古島が近くを泳ぎながらそう言った。
「してないからな、一応…………」
聞こえないように呟くが、虚しくなるだけだ。
プールサイドに座ってるのは、泳げないからだ。
……いや、別に水泳が苦手という訳ではなく、その、水の抵抗が大きくて、前に進まないのだ。
……つーか、秋川の水着、ちょっときついな……。
「あ~、今、しつれーなこと考えたでしょ~?」
「か、考えてない考えてない!」
慌てて否定するが、秋川は疑いの顔を崩さなかった。
「もぉー。そんなんじゃ、私のお嫁さんにしてあげないよ~?」
「お前も先生と同じかよ!」
ん?先生と言えば、紫野先生、やけに静かだな……。
姿を探すが見えなかった。
気になり、プールから離れ、探してみる。
「………きゃっ……ふ……まぁ……いやっ」
…………女子更衣室から、声が聞こえてきた。
中に入ると、紫野先生がカメラを覗いて興奮している。
ふーん。
そんな事するんだー。
ぷっちーん。
カタッ
ふんだすのこ(木で出来たアレだ)のおとがなった。
「…………え?」
先生が、恐る恐ると言った感じで振り返る。
「ぎゃぁぁぁぁぁぁあ!」
凄い悲鳴だな。
きっと鬼でも見たんじゃない?
ゑ
「疲れた……」
ほんとに疲れた。
胸が苦しいから、ブラを外したくらいだ。
というか、秋川の選んだの、小さくないか?
それを言うと、
「うぅ、私のサイズをえらんだだけなのにぃ~」
泣かれてしまった。
いや、確かにデリカシーが無かったかな?
と言うわけで、ノーブラである。
…………男ならこれが普通なんだよ!悪いか!
「さ、誘ってるのか……?」
佐野が明らかにおかしい様子でこちらを見ている。
……?ノーブラって、服の上から分かるもんなのか?
「ちょ、瑠璃あんた!!」
有沢が慌てた様子で、俺の体を皆の視線から隠した。
「え……?ノーブラって、分かる?」
俺が訊くと、有沢が呆れた顔をした。
「……それじゃ分かるに決まってるでしょ……胸、何でそんなに開けてんのよ……」
胸……?
見れば、胸元のボタンが3つほど開いていた。………きっといつもの癖で開けたのだろう。
ちなみに、肌着は着けてない。
だって急いでたんだもん!
袋に入ってなかったんだもん!
要するに、肌があらわになっている訳で、結構な際どさを誇っていたのだ。
慌ててボタンを閉めると、有沢がため息をついた。
「全く………可愛いんだから、気を付けなさいよ…………」
なんだろう、何て言えば良いのか分からない…………。
「ありがとう……?」
そう言うと、有沢はふかーいため息をついた。
「はぁ……先が心配だわ…………」
ん?ラムネスとテーベ?
プールの時は、水には入らないで側にいただけだよ。
そんなこんなで、放課後になった。
そして、俺は微妙だが、悪くもない気分で家に帰った。
姉はまだ帰っておらず、夕飯になっても帰ってこなかった。
気になって、姉のサークル仲間の人に電話してみる。
「姉ちゃん、学校休んでたんですか!?」
バカな、俺のせいで。
あんな事に、なるなんて。
ゑ10!終わり
ゑ11!に続く
皆が変なのは、番外編やその他の場所での会話の影響だと思って下さい。
…とと、忘れるところだった……。
これの番外編、書いてるとか言っといて名前すら載せなかったのですが。
「AND gurmalla!!」になっております。
是非、覗いてみてください!




