ゑ8! 「もしかしてもしかするとは確実であり」
申し訳ありません!
日曜午後8時の更新を、手が滑ったと言いますか…水曜に間違ってそのまましちゃいました…。
えっと、今回は「週に四話投稿」の流れなので、三話投稿となります。
あ、キャラの誕生日には結構「誕生会」と称して番外編を書かせて頂いてるので、今までに書いた分も、別小説としてまとめて投稿してます。
よければそちらもどうぞ!
暗い。
暗い道が、ずっと続いている。
奥に行けば行く程、道は闇に呑まれ、光よりもはっきりと、その身を目立たせている。
(ここは、どこだ……?)
自分は、確か………。
名前は、橘 瑠璃。
高校2年で、最近、妙な二人組にあった。
名は……忘れてしまったが、確か自らを神だと言っていた。
目の前に広がる絶対の闇は、恐ろしくもあり、不思議とどこか懐かしかった。
踏み出そうか躊躇い、後ろを振り返った。
……!
眩しい。
光の渦のような場所で、その光は中心に行けば行く程白くなっていく。
渦のような、とは間違いのようだ。
どうやら、向こうもこちらと同じく道が延びているらしい。
自分の立っている場所が境のようで、そこからは全く光が入って来ない。
どちらへ、行く?
希望を連想させる光を見た。
(……怖い)
絶望を連想させる闇を見た。
(…懐かしい……?)
気付けば、一歩を踏み出している。
その瞬間、背後に壁が出来たのを感じるが、既ににどうでも良かった。
暗闇へ、更にそれより暗い場所へと踏み出していく。
迷う心配は無かった。
美しい闇は、どこまでも黒く、道を示しているからだ。
闇を、歩く。
おぼつなかい足取りで、何だか道が不安定になってきた。
……った
何かに足を取られて転んだ。
(大丈夫!?瑠璃!?)
誰かの声。
ああ、姉ちゃんか。
何してんだよこんなとこで……。
姿は無い。
今のは……記憶?
……っく…。
右足首が痛い。
右、足首…?
そうだ、自分はつまづいて、木の根に足を引っ掻いて、
それから、何をした…!
嘘だ。
間違いだ。
自分があんな事言う筈がない。
自分は皆から逃げて、そして……?
ああ、そうか。
自分は死んだに違いない。
そしてきっと、自分の足で地獄を選んでいる。
(死んだ方が良いのでは?)
ああ、死んだ。
けど足りない。
償いが、足りない。
地獄で、苦しまなければ。
痛む足を無視して、立とうとする。
駄目だ。立てない。
それがどうした。
立てないなら、這えばいい。
ゆっくりと、這って進む。
何時間?
いや、何日か?
ひょっとすると何年か経ったかもしれない。
それが、突然見えた。
黒い、神殿。
周りの黒さに圧倒的な差をつけ、闇に染まる神殿。
「あら、久し振りね、瑠璃」
「どうしてこんな所にいるんだ?まだ早いだろうに」
……
「父さん、母さん……?」
闇の中に突然色が見える。
それは、紛れもなく両親だった。
「……瑠璃、貴方にお話が有ります……藍さんは、今は中で待っていて」
「えぇ!?僕だって瑠璃と話したいよ……いや、分かったから……群青ちゃん!?」
父の姿が神殿に消えた。
母が向き直る。
「今まで黙っててごめんなさいね、お母さんは、神様なの」
…………はい?
いやいやいやいや、意味分かんないから。
「……何言ってんの、母さん?」
「聞いて、瑠璃。良い?」
そう言って、空中に手をかざす。
と、世界地図が現れた。
神殿と同じく黒で出来ている。
……この展開、俺知ってるよ?
「良い、ここが日本でしょ?」
日本を指差す。
そして、その指が地図をつつくと、地図に大陸が……
「だぁ、全部知ってるよ!!」
思わず叫ぶと、母が目をぱちくりさせた。
「全部って、何を?」
「この大陸がガルマラって事と、この辺りの森が【シュバイツの森】って事と、………俺がここで、死んだ事」
母は目をいっぱいに見開いた。
「じゃあ、私がガルマラで結構高位神やってるのも!?」
「俺が死んだくだりは無視ですかそうですか!!」
おかしくないか!?
だって息子が死んだんだぜ!?
「それに神って何?母さんもテーベ達とおんなじかよ!?」
そうだ。テーベにラムネスだったな………度忘れしてたよ!
母の目が厳しく細まった。
「瑠璃、今なんて言いましたか!」
「へ………?」
滅茶苦茶怒ってない?
「とぼけないで、瑠璃。テーベと、そう言いましたか…?」
「う、うん………言ったけど……」
母の目が黒く光った…………訊かないでくれ………、ほんとに黒が一瞬だけ強くなって光ってるみたいだったんだよ!
「………全部、話してもらえるかしら?」
………おうちに帰りたい……。
ゑ
「なるほど、それで貴方は死んだ、と」
俺が話終わると、母が言った。
「訂正するところがあります…瑠璃、貴方の発言は、恐らくジーニャに操られての事ですよ」
…え?
…なら、まだ俺は、清水の傍に、居ても、良いのかな…?
……だが、俺はす…
「他にも有ります」
「ちょっとは余韻に浸らせて!」
……全く。
コホン、だが、俺は既に、死ん…
「貴方は、死んでないわよ、瑠璃」
「だから、あとちょっとなんだか……え?………えええぇぇぇ!?」
何ですかっ?
秋川、結構可愛いよな…
じゃなくてっ!
え、何、意味分かんない。
ここは何処?
「ここは、地獄じゃないのか!?」
母がまた厳しい顔をした。
「瑠璃は、私達が地獄に行ったと思ってるんだぁ?」
「え、いや、その」
思ってます。
だって育児放棄じゃん!!
って、ん?
…レストランは?
「母さん、アメリカは?レストランは?」
「無いわよそんなの。全部うそうそ」
「あんた地獄に落ちろっ!!」
何だその軽い感じ!?
俺は黛に殺されかけた事も有るんだよ!
「瑠璃、貴方に今から大事な事を言うから、全部一回で聞いてね?」
返事を待たずに、話始めた。
「私は神様やってて、藍さんに一目惚れして、熱烈アタックをしましたー。そして、二人は結婚して、キャッキャウフフな展開でー子供を三人もうけましたー。きゃっ!それで、皆女の子の三姉妹の予定でしたが、二番目で藍さんがぐずるので、生まれた女の子を、ミーナちゃんに頼んで男の子にして貰いました!生まれた子達は皆神の血が入っているので、ちょっとやそっとの事じゃ死なないのです!例えバットで殴打されても☆……そんなある日、お母さんはガルマラに召集をかけられました。…そこで泣く泣く嘘をつき、藍さんと一緒にここへ来たのです!ちなみに、私はガルマラの闇神やってます♪」
…うん、とりあえず。
もう泣くもんね!
「うわぁぁぁ…ひっ、えぐっ」
「あら、瑠璃ったら…感動の再開ね……」
「この鈍感がぁ!」
思わずチョップをかました。
だってだってだってぇ!
「瑠璃、何だ、何で泣いてるんだ!?」
父が神殿から出てきた。
「…ふぐっ…おとうさぁぁぁぁん…」
「ぁ、瑠璃、そんなぁ!…ぐすっ…お母さんも、泣いちゃうからね!」
父に抱き着く。
「瑠璃、だ、ダメだよ!親子じゃまずいって!」
「死ねこのド変態っ!」
容赦なく痛め付けた。
……誰がこの騒ぎどうにかしろ……
ゑ
「でも、ここに来たって事は、いちおうは命の危機、よね」
しばらく経って、落ち着いた様子の母が言った。
「腹と胸に、穴……牙?………噛まれただけじゃ瑠璃は死ねない………噛むじゃなくて、咬む?」
母はぶつぶつと呟いている。
「普通の蛇毒は効かない………【シュバイツの森】……やっぱアイツラか…?」
そこで、俺を振り返った。
凄く、真剣な顔だ。
「確認する事が有るから、ちょっと待っててね」
父を見た。
「藍さん、あの問題児達の事は、瑠璃に話してちょうだい」
そう言うと、闇に溶けていく。
……何なんだ?
俺を襲った奴に心当たりが有りそうだけど……。
話って、あの爆弾告白以外に何があんだよ…。
まさか、俺に婚約者がいたとか!?
だとすると、問題はだ!
相手の性別!
……コホン、勿論女以外はお断りだが、ほら、何かと色々あるしな。
「瑠璃?どうした?」
父がこちらを覗き込んでくるので、慌てて首を振った。
「…まぁ、何でもないなら良い。今から、昔話をする」
そして、頭を掻いた。
「難しい話になるかもな」
それは、遠い昔の実話。
「まぁ、聞いてくれよ」
不思議な、だけどほんとにあった話。
「ガルマラの、神話をさ」
ゑ8!終わり
【ガルマラ神話】へ続く




