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青いキラキラの村  作者: バッシー0822


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17/29

17.響き合う過去と現在

その日の昼間、こどもの森の丘の上。 風車が「ビュン!」と風を切るたびに、ピコの心は躍りました。頬を撫でる風はどこまでも爽やかで、一瞬だけ、ヨコタの地下で静かに揺らめいていたチェレンコフ光の、あのひんやりとした青い輝きが懐かしくなりました。


けれど、時折「ガタッ」と不自然に震える風車の羽を見て、ピコは整備士の顔になりました。


「ねぇフウカ、ベアリングの予備はないの?」


その言葉をフウカが父のゲンに伝えたのは、スイの作った具沢山のスープを飲み終えたときのことでした。


驚愕のゲン

「……ベアリング、だと?」


ゲンは持っていたスプーンを止め、顔を上げました。その表情は驚きに満ち、どこか敬意すら混じっていました。


「フウカ、ピコ君は本当にそう言ったのか? ……『ベアリング』と」


「うん、そうだよ。あの白いぐるぐる(風車)が震えてるから、ベアリングを替えないの?って」


ゲンは深く息を吐き、改めてピコを見つめました。 ピコは、チェンが翻訳してくれるのを待ちながら、不思議そうにゲンを見返しています。


「ピコ君……。君は、あの中身を知っているんだな。あれは、かつて人類が空を支配し、機械を自在に操っていた時代の、まさに『知恵の結晶』なんだ。滑らかに回るために必要な、小さな鉄の玉。今の俺たちには、作ることも、どこから持ってくることもできない『聖遺物』だ」


芽生える技術者たちの絆

ゲンの言葉をチェンが英語に訳すと、ピコは少しだけ寂しそうに微笑みました。


『……テラじいちゃんが教えてくれたんだ。機械はね、生き物なんだよって。悲鳴をあげているときは、どこかが痛がってるんだって。』


チェンの声を通じて伝えられたその言葉に、ゲンは深く頷きました。 ゲンはこの一年、手探りで古い風車を直し、村に明かりを灯してきました。けれど、彼は独りでした。機械の「悲鳴」を理解できる相手は、この村にはいなかったのです。


「……そうか。ヨコタの村は、ただ光っているだけじゃなかったんだな。技術が、まだ生きていたのか」


ゲンの瞳に、熱い火が灯りました。ピコを「珍しい外見の子供」としてではなく、「同じ技術を継承する仲間」として見始めた瞬間でした。


フウカの誇らしさと、新しい期待

そんな父の様子を見て、フウカは自分のことのように嬉しくなりました。ピコが凄い人だと言われていることが、なんだかとても誇らしかったのです。


「ねえ、お父さん。それじゃあ、ピコと一緒に風車を直せるの?」


「ああ。もし予備があるなら、あるいは……。ピコ君、明日、風車の根元の機械室を一緒に見てくれないか? 君の知恵を貸してほしい」


ピコは、ゲンの真剣な眼差しに応えるように、力強く頷きました。



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