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珍種
次に立ち寄ったのは種屋。
木箱の中には大小さまざまな袋が並び、店主の老人が麦わら帽子をかぶって昼寝していた。
ノールがカゴを抱えたまま、興味深そうに見渡す。
「ここ、植物の種類が多いですね」
「魔力の流れが土地ごとに違うからな。ほら、これなんか見てみろ」
陽真が指差したのは、淡く光を放つ小さな黒い種。
「“スパーク豆”って書いてあるけど?」
「土の魔力を吸って弾ける豆だ。焙煎すると香りがいい」
「それ、コーヒーみたいにできません?」
「できるかもな」
ノールの目が輝く。
……また“飲み物研究”が増えそうな予感しかしない。
コーヒーな!飲みたかったんだよなぁ
これは、育てるの確定だわ。
スパーク豆さんよ。頼むぜぇ




