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やっぱりか
まず立ち寄ったのは、乾物と香辛料を扱う店。
店の主人が白いターバンを巻いて陽気に声をかける。
「おっ、ショーンの旦那じゃないか! 今日は珍しい顔ぶれだな」
「ちょいと仲間を連れてきた。こっちの兄さんが料理人でな」
「いや、ちげぇし」と陽真が即座に否定するが、
ショーンはまるで聞いてない。
「この前の“炎胡椒”をもう少し仕入れたい。それと――新しい香りのもん、入ってないか?」
「あるとも! “陽花ソルト”だ。香りも彩りも最高だぜ」
ショーンが瓶の中を覗き込み、陽真に差し出す。
「どうだ? 塩焼きに使えば色も映える」
陽真はひとつまみ取って舐め、目を細めた。
「……悪くねぇ。けど、ちょっと強いな。肉向きか」
「ほらな?いいだろ、全部買おうぜ」
「やめろ」
「いやいや、すぐに元は取れるからさ」
「おい、どういう意味だそれ!」
「まぁまぁ、お楽しみって事で」
ショーンのやつ、なにたくらんでやがる!




