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沼、沼
どこまでも続く灰色の沼地。空の色も、地の色も、ほとんど区別がつかない。
「……なんか、寂しいな」
先を歩いていたショーンが、ふと立ち止まり、腰の荷袋から小さな苗木を取り出した。
「おい、それ何だ?」
「木の苗だよ。……せっかくだし、植えながら行かねーか?」
「旅の途中で?」
「こういう何もねぇとこ、少しは緑があったほうがマシだろ」
陽真は呆れたように笑った。
だが次の瞬間には、自分もクワを手に取っていた。
二人は足元の泥を掘り、ぽつん、ぽつんと苗を植えていく。
沼地の道のりに、小さな木々の列が生まれていった。
風はまだ冷たいが、確かにそこだけ、ほんの少しだけ温もりがあった。
そして夕暮れが近づく頃、彼らの視界に街の灯が見え始めた。
長い旅路の終わりが、ようやく見えてきたのだ。
あぁ植林しながらって慈善事業かよ
ショーンの奴に利用されてるような
無事街に着いたってので、割り引いてやるか




