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おだやかな日々
畑の端には木箱がいくつも積まれ、ぶどう酒・りんご酒・麦酒とラベルが貼られている。
その隣に、陽真の収穫した野菜が山積み。
もはや農園というより、嗜好品倉庫である。
「……ほんとにこのままじゃ、飲み放題と食べ放題だけの村になるぞ」
「最高じゃないですか」
「働かなくても食べて飲んで寝る生活……理想だな」
「ね!」
二人してうっとりしていたその時
「おーい、働いてるか怠けてるか、どっちだー?」
遠くから聞き慣れた声。
振り向けば、例の商人・ショーンが馬車を引いて現れた。
相変わらずの大荷物、風をはらんだジャケット、そして妙に上機嫌な笑み。
また、厄介ごとか?ただ飲みにきたって感じか?
せっかくだし俺もちょっと飲むかな




