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異世界酒は魔力入り
一口。
ぶどうの香りがふわりと鼻に抜け、舌に柔らかな酸味と甘みが広がる。
「……うまっ」
思わず漏らす陽真。
ショーンもごくごく飲み干して、満足げにうなった。
「香りが華やかだ! 魔力が舌に残る……これ、癖になるな!」
ノールが得意げに微笑む。
「でしょ? 私、発酵の魔法を少しだけ使ったんです。飲むと体がぽかぽかして、ちょっと幸せになる仕掛け」
「そんなの天才錬金術師しかやらねえよ……」
ショーンが満足そうな顔でツッコむ
錬金術師って、そんなことも出来るのか?
っつか才能の無駄使いなんじゃね?
しかも天才ってやっぱりクセ強いんだわ