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欲望の忠犬
「お前さ、結局酒飲みたいだけだろ」
「その通り!」
「即答か」
ショーンは胸を張る。
そしておもむろに別の袋を開けた。
「さらに第二弾! 麦と芋だ!」
「……増えてんじゃねえか」
「いやいやいや、これは重要だぞ? 麦があればビール! 芋があれば焼酎! 最高じゃないか!」
「俺に耕作プランを押し付けんな」
「いやいや、あんたの力ならすぐ育つんだろ? だったらもう、半分趣味みたいなもんだろ?」
「それを働くって言うんだよ」
俺はため息をついた。
麦と芋は嫌いじゃない。むしろ好きだ。
それを耕して収穫して仕込んで……って、手間がどれだけかかるか知ってんのか、この男は。
でも、俺も酒が飲みたい。
タバコをふかし、酒を飲み、ぐーたらと。
くそ、欲望には抗えないのか!?