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あぁなにやってんだろ
ショーンが帰った後、俺はしばらく焚き火の前でぼーっとしていた。
あいつの目を思い出すと、どうにも落ち着かない。
商人のくせに、商売を通り越して“趣味人の輝き”みたいなのをしていやがった。
ああいうタイプは厄介だ。
きっとまた来る。
間違いなくまた来る。
「……だったら、少し余分に葉っぱを用意しとくか」
結局こうなる。俺は働きたくないのに、何かに備えて動いてしまう。昔からこの性分は変わらない。面倒ごとを避けたいがために、余計に動いてるんだから本末転倒だ。
仕方なく畑の隅にタバコ葉専用のスペースを広げた。
ついでに乾燥棚を増設して、保存用の壺も用意する。
ああ、俺の休日が削れていく。
俺の理想は「昼寝して起きたら夕方」って生活なのに。
数日後。
「やっほー! また来たよ!」
はい来ました、予想通り。