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逆さまの島3

 一瞬自分の目がおかしいのかと思って、瞬きをしてから見直してみたが、間違えない。

「二つの蛇がつながってますよね?」

「気がついちゃった? あれが君が僕の船にかけたのと同じ梯子だよ。二つの船が横並びに連なっている。アオチくんが妙な正義感を出してくれたおかげで僕らは既につながっているけどね。本来は最期の最後のタイミングでつながるものなんだ」

 ローヌさんの言葉にアオチさんが慌てた様子で首を振って、水滴を振りまいた。確かにあの時、アオチさんが騒いだりしなければ、僕も梯子を探すフリはしなかったけど‥…

「本当はこのタイミングなんだな。それなのに俺があんたの船に渡ろうとして勝手に梯子をかけてしまった……なあ、それ、何か支障があるのか?」

何も悪くない真っ直ぐなアオチさんがかわいそうだ。ローヌさん、どうか『何でもない』と言って。

「うーん、あると言えばあるね。いや、かなりある。君が梯子をこんなに早くにかけてしまったおかげで、僕たちの船は次の世界でも絡み合ってしまう。正常にーーつまり今僕たちの見ている通りつながった船は、次の世界でほどけて、まず出会うことはない。でもつながり合う時間の長かった僕たちはまた必ず交差してまうよ」

 静かに口元を緩めながら話すローヌさんの声は、とても嬉しそうだ。この人には数えきれないパターンの微笑みがあって翻弄される。

「――でも、まあ、ウルウと無言ちゃんに次の世界でも会えるなら、僕はむしろ嬉しいくらいです」

 アオチさんを励ますため、そして本心から明るく言った。

「君たちもそう思ってくれて良かった。実は僕も彼――君たちの回収人から離れられなくなった。対になったってことだ。この世界はもちろん、これからの世界でも、僕らの船は並走し続ける。ああ、君たちに感謝するよ。これは僕がずっと望んでいたことなんだ。これから永遠に僕が彼を支えてあげられる。彼には怒られてしまうけれど」

 ローヌさんの悲しい笑い顔が少し暮れてきた夕闇に溶けて消えてしまいそうだった。ああ、また笑顔の種類が変わる。

「あなたはどうしてーー」

 海の底から鳴り響いた雷に僕の声がかき消された。


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